ムートン・カデ(Mouton Cadet)とは、ボルドーの格付け第1級シャトー・ムートン・ロートシルトのオーナーだったフィリップ・ド・ロートシルト男爵が、1930年に立ち上げたボルドーワインのブランドです。「カデ」はフランス語で「末っ子」を意味し、ロートシルト家の末っ子だった男爵自身にちなんだ名前と言われています。高級シャトーのワインとは別に、より多くの人が手に取れるボルドーワインとして造られてきました。
ムートン・カデの基本
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 誕生 | 1930年 |
| 生みの親 | フィリップ・ド・ロートシルト男爵(当時28歳) |
| 造り手 | バロン・フィリップ・ド・ロートシルト社 |
| 産地 | フランス・ボルドー |
| タイプ | 赤が代表的。白、ロゼなどもある |
ムートン・カデは、特定のシャトーの畑だけで造るワインではなく、ボルドー地方の広い範囲から集めたブドウやワインで造るブランドワインです。そのため、安定した品質のものを比較的手ごろな価格で届けられるのが特徴です。ボルドーワイン全体についてはボルドーワインの記事にまとめています。
誕生のいきさつ
ムートン・カデが生まれたきっかけは、1930年前後のボルドーの不作でした。1928年、1929年と評価の高い年が続いた後、1930年からの数年は天候に恵まれない厳しいヴィンテージになります。フィリップ男爵は、この年のワインをシャトー・ムートン・ロートシルトの名前で出すにはふさわしくないと判断しました。
そこで、このワインに別の名前を付けて売り出したのがムートン・カデの始まりです。目の前の在庫をどうするかという事情に加えて、男爵には、ボルドーワインをフランス国内外のより広い人々に届けたいという考えもありました。のちにムートン・カデは、ムートンの畑のワインではなく、ボルドーの各地から集めたワインで造るブランドへと発展していきます。
「カデ」の名前は、ロートシルト家の中で末っ子だったフィリップ男爵に由来すると言われています。偉大なシャトーの「弟分」という位置づけをよく表した名前です。
ムートン・ロートシルトとの違い
名前に「ムートン」と付くため、シャトー・ムートン・ロートシルトのセカンドワインと思われることがありますが、ムートン・カデはセカンドワインではありません。
| シャトー・ムートン・ロートシルト | ル・プティ・ムートン | ムートン・カデ | |
|---|---|---|---|
| 位置づけ | グラン・ヴァン | セカンドワイン | ブランドワイン |
| ブドウ | ポイヤック村のシャトーの畑 | 同じシャトーの畑 | ボルドー各地 |
| 格付け | 第1級 | なし | なし |
| 価格帯 | 非常に高価 | 高価 | 日常的に手に取りやすい |
ムートン・ロートシルトについて詳しくはシャトー・ムートン・ロートシルトの記事をどうぞ。同じ一族の仕事としては、カリフォルニアのオーパス・ワンもよく知られています。
ムートン・カデの味わい
代表的なのは赤のムートン・カデです。メルロを中心に、カベルネ・ソーヴィニヨンやカベルネ・フランなど、ボルドーの伝統的な品種をブレンドして造られます。プラムやベリーのような果実の香りに、ほどよい渋みとなめらかな口当たりを持ち、ボルドーらしさを気軽に感じられる赤として親しまれています。
白はソーヴィニヨン・ブランやセミヨンなどから造られる爽やかな辛口、ロゼは軽やかで食事に合わせやすいタイプです。シリーズとしては、より上級のキュヴェなどが出ていることもあり、ラベルや販売店の説明で確認するとよいでしょう。
合う料理と楽しみ方
ムートン・カデの赤は、重すぎず軽すぎない、食卓に合わせやすいワインです。
- ハンバーグ、ステーキ、ローストビーフ
- ビーフシチューや肉じゃがなどの煮込み料理
- 焼き鳥(タレ)、照り焼きチキン
- カマンベールなどのやわらかいチーズ
赤は16℃前後、白やロゼは8〜10℃くらいに冷やすのが目安です。手ごろな価格で、ボルドーの名門の名前が付いたワインなので、ちょっとした手土産やホームパーティーにも使いやすいでしょう。気軽においしいワインを探すなら安くておいしいワインの記事もあわせてどうぞ。
まとめ
ムートン・カデは、シャトー・ムートン・ロートシルトのフィリップ男爵が、不作の年のワインをきっかけに1930年に生み出したボルドーワインのブランドです。「カデ(末っ子)」の名前は男爵自身に由来すると言われ、セカンドワインではなく、ボルドー各地のブドウから造るブランドワインとして発展してきました。日常の食卓で気軽にボルドーを楽しめる一本です。
※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。



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