カッシェロ・デル・ディアブロとは?「悪魔の蔵」の伝説と種類・味わい

カッシェロ・デル・ディアブロとは?「悪魔の蔵」の伝説と種類・味わい ワイン

カッシェロ・デル・ディアブロとは、チリの大手ワイナリー、コンチャ・イ・トロが造るワインのブランドです。名前はスペイン語で「悪魔の蔵」を意味し、創業者が盗み飲みを防ぐために「蔵には悪魔が棲んでいる」と噂を流したという伝説に由来します。

黒いラベルに悪魔のマークという印象的な見た目で、日本でもスーパーや酒販店で広く見かける銘柄です。ここでは、名前の伝説、造り手のコンチャ・イ・トロ、ラインナップと選び方を順に見ていきます。

「悪魔の蔵」の伝説

カッシェロ・デル・ディアブロ(Casillero del Diablo)の「カッシェロ」は蔵や貯蔵庫、「ディアブロ」は悪魔のことです。この名前には、造り手のコンチャ・イ・トロに伝わる話があります。

創業者ドン・メルチョーは、特に出来のよいワインを専用の蔵にしまっていました。ところが、そのワインがあまりにおいしかったため、こっそり持ち出して飲む者が後を絶ちません。そこでドン・メルチョーは「あの蔵には悪魔が棲んでいる」という噂を広め、人々を怖がらせて大切なワインを守った、というのが伝説のあらましです。

ラベルに描かれた悪魔のマークは、この話にちなんだものです。怖い名前に見えて、実は「それほどおいしいワインだった」という自慢話でもあるところが、このブランドの面白さといえます。

造り手コンチャ・イ・トロとは

コンチャ・イ・トロは1883年に創業したチリのワイン会社です。創業者はドン・メルチョー・デ・サンティアゴ・コンチャ・イ・トロで、チリの財務大臣を務めた人物でもあります。妻のエミリアナ・スベルカソーとともに、首都サンティアゴ近郊のピルケでワイン造りを始めました。

現在では中南米最大級のワイン生産者に成長し、世界の多くの国でワインを販売しています。グループには、自転車のラベルで知られるコノスルや、ボルドーのシャトー・ムートン・ロートシルトと手を組んだアルマヴィーヴァなども含まれます。創業者の名前を冠した最上級の赤ワイン「ドン・メルチョー」も、この会社の看板です。

カッシェロ・デル・ディアブロのブランドが始まったのは1966年とされています。コンチャ・イ・トロの中では日常向けよりひとつ上の位置づけで、手に取りやすさと品質のバランスを重視したシリーズです。日本ではキリングループのメルシャンが取り扱っています。

主なラインナップ

カッシェロ・デル・ディアブロは、品種ごとにボトルが分かれた定番シリーズを中心に、上位版や限定品を展開しています。日本で案内されている主なものを整理すると、次のようになります。

シリーズ 主なワイン 特徴
定番シリーズ カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カルメネール、シラーズ、マルベック、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、ロゼ など 品種の個性がわかりやすい中心的なシリーズ
レッド・ブレンド 複数品種を合わせた赤 品種名ではなくブレンドで味わいを組み立てた赤
レセルバ・プリバダ カベルネ・ソーヴィニヨン など 定番より上の位置づけ。凝縮感のある味わい
デビルズ・コレクション レッド、ホワイト、ブリュット など 赤・白・泡をそろえた別ライン

マルベックは日本では2023年に新たに加わった品種です。季節限定品やセット商品が出ることもあり、品ぞろえは時期によって変わります。購入時はラベルの表記で確かめてください。

2023年の発表では、定番の赤やロゼ、レセルバ・プリバダのカベルネ・ソーヴィニヨンなど一部のアイテムがヴィーガン認証を得ていることも案内されています。動物由来の清澄剤などを使わないワインを選びたい人には、一つの目安になります。

品種別の味わいの傾向

チリは日照に恵まれ、昼夜の寒暖差が大きい産地が多いため、果実味がはっきりしたワインになりやすい土地です。カッシェロ・デル・ディアブロもその特徴が素直に出たスタイルで、品種ごとの違いがつかみやすくなっています。

赤ワイン

カベルネ・ソーヴィニヨンは、黒い果実の香りとしっかりした渋みが持ち味で、ブランドの代表格です。メルローはより丸く柔らかく、渋みが苦手な人でも合わせやすい赤です。カルメネールはチリを代表する品種で、熟した果実の香りに、ピーマンやスパイスのようなニュアンスが重なるのが特徴です。

白ワイン

シャルドネは、果実のふくよかさが感じられるタイプです。ソーヴィニヨン・ブランは、柑橘やハーブのような爽やかな香りで、すっきりした飲み口が魅力です。

合わせやすい料理と楽しみ方

果実味のはっきりした赤は、焼いた肉やハンバーグ、ミートソースのような濃いめの味つけによく合います。カベルネ・ソーヴィニヨンなら牛肉のグリル、メルローなら豚肉のソテーや煮込み、カルメネールならスパイスを効かせた料理やグリル野菜が合わせやすい組み合わせです。

白はシャルドネならクリーム系のパスタやグラタン、ソーヴィニヨン・ブランなら魚介のマリネやサラダ、ハーブを使った料理と好相性です。赤は少しひんやりした16〜18℃前後、白は冷蔵庫から出して少し置いたくらいの温度を目安にすると、香りが感じやすくなります。

話題性のある名前とラベルなので、ハロウィンなどのホームパーティーで出すと会話のきっかけにもなります。赤ワインの基本的な楽しみ方は赤ワインの記事でもまとめています。

まとめ

カッシェロ・デル・ディアブロは、1883年創業のチリの大手コンチャ・イ・トロが手がけるブランドで、名前は「悪魔の蔵」を意味します。おいしいワインを守るために創業者が「悪魔が棲んでいる」と噂を流した、という伝説がその由来です。

品種ごとの定番シリーズを中心に、上位のレセルバ・プリバダやブレンドのデビルズ・コレクションまでそろい、好みや料理に合わせて選べます。まずは代表的なカベルネ・ソーヴィニヨンから試し、気に入ったらほかの品種へ広げていくのがおすすめです。

※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。

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