コノスルとは、チリのコルチャグア・ヴァレーに本拠を置くワイナリー「コノスル(Cono Sur)」と、そのワインのブランド名です。ラベルに描かれた自転車が目印で、日常に開けやすい価格帯のシリーズから、ピノ・ノワールの上級キュヴェまで幅広く造っています。
スーパーやコンビニのワイン棚で自転車のラベルを見かけたことがある人も多いはずです。ここでは、コノスルがどんな造り手なのか、自転車の意味、シリーズの違い、選び方の目安を順に整理します。
コノスルとはどんなワイナリーか
コノスルは1993年に設立された、チリでは比較的新しいワイナリーです。本拠地はチリ中部、コルチャグア・ヴァレーのチンバロンゴにあります。チリ最大手のワイン会社コンチャ・イ・トロのグループに属しており、大きな資本と畑を背景にしながらも、新しい技術や栽培方法を積極的に取り入れてきた造り手として知られています。
名前の「コノスル」はスペイン語で「南の円錐」という意味です。南米大陸の南部が円錐を逆さにしたような形をしていることから、この地域は「南米南部(Cono Sur)」と呼ばれます。英語の「コニサー(目利き)」に響きが似ていることも、この名前の面白さとして紹介されることがあります。
畑はチリの南北に長い国土に点在し、北のリマリから南のビオビオまで、複数の産地のぶどうを使い分けています。寒流の影響で涼しい海沿いの産地と、日照に恵まれた内陸の産地を組み合わせられるのが、チリの大規模な造り手ならではの強みです。
日本では輸入元のスマイルが長く取り扱っており、量販店から酒販店まで流通が広いのも特徴です。チリワインそのものの特徴は、同じグループの看板銘柄を扱ったカッシェロ・デル・ディアブロの記事でも触れています。
ラベルの自転車に込められた意味
コノスルのラベルの自転車は、ブランドのシンボルです。広い畑の中を移動するとき、コノスルの従業員は自転車を使ってきました。その日々の畑仕事への敬意が、ラベルの絵に込められています。
もうひとつの意味は環境への配慮です。自転車は走っても温室効果ガスを出さない乗り物であり、持続可能なワイン造りを目指す会社の姿勢を表すものとして位置づけられています。看板シリーズの名前「ビシクレタ」も、スペイン語で自転車のことです。
実際にコノスルは環境面の取り組みに熱心で、殺虫剤に頼らず、ガチョウや羊、益虫などを畑の管理に取り入れてきたことを紹介しています。2021年には、社会や環境に配慮した企業に与えられる国際認証「B Corp」を取得しています。
コノスルの主なシリーズ
コノスルは価格帯とスタイルごとにシリーズが分かれています。日本の輸入元が案内している主なシリーズは次のとおりです。
| シリーズ | 位置づけ | 特徴 |
|---|---|---|
| ビシクレタ・レゼルバ | 日常向けの定番 | 自転車ラベルの代表格。品種ごとの個性がわかりやすい |
| オーガニック | 日常向け〜少し上 | 有機栽培のぶどうから造るシリーズ |
| シングルヴィンヤード | 中〜上級 | 特定の畑のぶどうだけで造り、産地の違いを見せる |
| 20バレル・リミテッド・エディション | 上級 | 生産量を絞った上級シリーズ |
| オシオ | 最上級 | ピノ・ノワールのフラッグシップ |
| シレンシオ | 最上級 | 赤ワインのもう一つのフラッグシップ |
このほか、環境への取り組みを前面に出した「グリーン・ソサエティ」や、スパークリングワインも展開しています。品ぞろえや呼び名は時期によって変わることがあるので、購入時はラベルの表記で確認するのが確実です。
ビシクレタ・レゼルバ
コノスルといえば、まずこのシリーズです。ピノ・ノワールやカベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランなど、品種ごとにボトルが分かれているので、ぶどうの違いを覚える教材としても使いやすいシリーズです。
オシオとシレンシオ
オシオはスペイン語で「余暇」、シレンシオは「静けさ」を意味します。オシオは2003年に、チリで初めての超高級ピノ・ノワールとして世に出たワインと紹介されています。シレンシオも同じく最上級に位置づけられる赤ワインで、どちらもコノスルの技術の到達点として造られています。
ピノ・ノワールに力を入れる理由
コノスルを語るうえで外せないのがピノ・ノワールです。ピノ・ノワールはブルゴーニュの赤ワインで知られる品種で、皮が薄く、暑すぎる土地では香りがぼやけやすい、栽培の難しいぶどうとして知られています。
コノスルのワイナリーがあるサンタ・エリサの畑には、1968年にチリで初めて植えられたとされるピノ・ノワールがあると同社は紹介しています。1999年にはブルゴーニュ出身のコンサルタント、マルタン・プリユールを迎えてピノ・ノワールのプロジェクトを始め、冷涼な産地を探しながら品質を高めてきました。
その結果、日常向けのビシクレタから最上級のオシオまで、ピノ・ノワールが各シリーズにそろっています。手頃な価格でこの品種を試せる銘柄として、日本でも名前がよく挙がるのはこうした積み重ねがあるからです。
コノスルの選び方
シリーズや品種が多いぶん、最初の1本で迷う人も多いと思います。目安としては、次のように考えると選びやすくなります。
- 軽やかな赤が好きなら、ピノ・ノワール。渋みが穏やかで、鶏肉やきのこ料理、和食にも合わせやすい
- しっかりした赤が好きなら、カベルネ・ソーヴィニヨンやカルメネール。焼いた肉や煮込みと相性がよい
- すっきりした白が好きなら、ソーヴィニヨン・ブラン。サラダや魚介、ハーブを使う料理に
- ふくよかな白が好きなら、シャルドネ。クリーム系のパスタやグラタンに
同じ品種でシリーズを上げていくと、果実の凝縮感や樽の使い方の違いがわかります。贈り物や特別な日には20バレルやシングルヴィンヤード、普段の食卓にはビシクレタ・レゼルバ、と使い分けるのも一つの方法です。
チリを代表する品種として知られるカルメネールも、チリワインを知るうえで覚えておきたいぶどうです。ワインの種類や味わいの基本から押さえたい人は、ワインの基本の記事もあわせてどうぞ。
まとめ
コノスルは1993年創業、コルチャグア・ヴァレーのチンバロンゴに本拠を置くチリのワイナリーです。ラベルの自転車は、畑で働く人への敬意と環境への配慮を表すシンボルで、看板シリーズ「ビシクレタ・レゼルバ」からピノ・ノワールの最上級「オシオ」まで、幅広いワインを造っています。
品種ごとにボトルが分かれているので、好みの味わいから選びやすいのも魅力です。まずは気になる品種を一本選び、料理と合わせながら違いを確かめてみてください。
※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。



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