ジンファンデルとは?プリミティーヴォと同じ品種のワインの特徴

ジンファンデルとは?プリミティーヴォと同じ品種のワインの特徴 ワイン

ジンファンデルとは、アメリカ・カリフォルニアを代表する赤ワイン用のブドウ品種で、イタリア南部プーリア州のプリミティーヴォと遺伝的に同じ品種です。完熟したベリーやジャムのような濃い果実味と、高めのアルコール度数が特徴で、甘い香りのある親しみやすい赤ワインになります。ルーツはクロアチアにあることが、DNA解析で明らかになっています。

ジンファンデルとプリミティーヴォは同じ品種

アメリカでは「ジンファンデル」、イタリアでは「プリミティーヴォ」と呼ばれていますが、この2つは同じブドウです。長いあいだ別の品種だと考えられていましたが、カリフォルニア大学デービス校のキャロル・メレディス博士らの研究チームがDNA解析を進め、両者が同一であることを確かめました。

さらにメレディス博士はクロアチアの研究者と共同で起源を探り、2001年にクロアチア・ダルマチア地方のカシュテラで、わずかに残っていた古いブドウ「ツールイェナク・カシュテランスキ」が同じ品種であることを突き止めました。その後、より古い名前「トリビドラグ」も同じ品種だとわかっています。モンテネグロでは「クラトシヤ」と呼ばれる品種も同一とされます。

つまり、クロアチアで生まれたブドウが、ひとつはアドリア海を渡ってイタリア南部へ、もうひとつはヨーロッパの苗木としてアメリカへ渡り、それぞれ別の名前で根付いたことになります。ラベルに書かれた名前は違っても、中身のブドウは同じです。

味わいの特徴

ジンファンデルは房の中で粒の熟し方がそろいにくく、完熟した粒と、干しぶどうのようになった粒が混ざりやすい品種です。そのため糖度が上がりやすく、ワインのアルコール度数は14〜16%前後と高めになることが多くあります。

  • 香り: ブラックベリー、ラズベリーのジャム、干しぶどう、黒こしょう、甘いスパイス
  • 味わい: 果実味が濃く、甘く感じる丸みがある。酸はおだやか
  • 渋み: 中程度。濃さのわりにやわらかい

香りの甘さから「甘口なの?」と思われることもありますが、一般的なジンファンデルの赤は辛口です。熟した果実とアルコールのボリュームで甘く感じる、というのが正確なところです。重めの赤ワインの特徴はフルボディの赤ワインの記事でも紹介しています。

カリフォルニアのジンファンデル

ジンファンデルは19世紀にアメリカ東海岸を経てカリフォルニアに伝わり、ゴールドラッシュの時代から広く植えられました。禁酒法の時代を経ても古い樹が残された畑が多く、樹齢の高い樹から造る「オールド・ヴァイン(Old Vine)」のジンファンデルは、凝縮した味わいで人気があります。

主な産地はソノマのドライ・クリーク・ヴァレー、ナパ、パソ・ロブレス、セントラル・ヴァレーのローダイ、シエラ・フットヒルズなどです。冷涼な場所ではベリーの香りが明るく、暑い場所ではジャムのような濃厚さが前に出ます。カリフォルニアワインの広がりはロバート・モンダヴィの記事もあわせてどうぞ。

ホワイト・ジンファンデル

アメリカでジンファンデルの名を広めたのが、やや甘口のロゼ「ホワイト・ジンファンデル」です。1975年、サッター・ホーム社で淡い色のジンファンデルを造る際に発酵が途中で止まり、糖分が残ったピンク色のワインができました。これが評判となり、1980年代にかけて大ヒットします。名前は「ホワイト」ですが、色は淡いピンクのロゼです。ロゼ全般についてはロゼワインの記事を参考にしてください。

イタリアのプリミティーヴォ

イタリアのかかとにあたるプーリア州では、プリミティーヴォの名で栽培されています。名前は「早熟」を意味する言葉に由来するとされ、早い時期に熟すことにちなむといわれます。

代表的な産地はターラント近郊の「プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリア」と、内陸の「ジョイア・デル・コッレ」です。プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリアには、天然の甘口赤ワインの「ドルチェ・ナトゥラーレ」もあり、2011年にイタリアの最上位格付けDOCGに認定されています。手ごろな価格帯の「プーリアIGT」のプリミティーヴォも多く、濃厚でなめらかな赤ワインとして日本でもよく見かけます。

呼び名 主な国・産地 よくあるスタイル
ジンファンデル アメリカ・カリフォルニア 濃厚な辛口の赤、甘口ロゼ(ホワイト・ジンファンデル)
プリミティーヴォ イタリア・プーリア州 濃厚でまろやかな辛口の赤、甘口の赤
ツールイェナク・カシュテランスキ/トリビドラグ クロアチア 生産量は少ない。復興が進む

ラベルの見方と選び方

アメリカ産はラベルに「Zinfandel」、イタリア産は「Primitivo」と書かれているのが基本です。どちらを選ぶかで、同じ品種でも雰囲気が少し変わります。

  • カリフォルニアのジンファンデル: 果実味がはっきりしていて、樽由来のバニラやココナッツのような甘い香りをまとったものが多い
  • プーリアのプリミティーヴォ: 干したプラムやスパイスの香りがあり、まろやかで飲み口がやわらかいものが多い
  • 「Old Vine」「Vecchie Viti(古樹)」の表示: 樹齢の高い樹から造られたことを示し、凝縮感のある味わいが期待できる
  • ラベルのアルコール度数: 15%前後のものは濃厚、13%台のものは比較的軽やか

なお「Old Vine」には法律上の決まった樹齢の基準がなく、造り手ごとの表示です。目安として見るとよいでしょう。プリミティーヴォは価格帯の幅が広く、普段の食卓向けの手ごろなものから、長く熟成できる上級品まであります。

合う料理と楽しみ方

果実味が濃く、スパイスの香りもあるジンファンデルは、香ばしく焼いた肉料理と相性がよいワインです。

  • バーベキュー、スペアリブ、ハンバーガー
  • 甘辛いたれの焼き鳥、照り焼き、すき焼き
  • ミートソースやラザニアなどトマトと肉のパスタ
  • プリミティーヴォなら、プーリアの家庭料理やサルシッチャのグリル

甘辛い味つけに果実味がよく合うので、和の家庭料理とも合わせやすい赤ワインです。アルコール度数が高めなので、16〜18度くらいの少し低めの温度で飲むと、重たさが抑えられてバランスがよくなります。パスタとの組み合わせはラグーの記事も参考になります。

まとめ

ジンファンデルはカリフォルニアを代表する赤ワイン用品種で、イタリアのプリミティーヴォと同じブドウです。その起源はクロアチアにあり、DNA解析によって3つの国の名前がひとつにつながりました。濃い果実味と高めのアルコールが特徴で、バーベキューや甘辛い料理と好相性。アメリカ産とイタリア産を飲み比べると、同じ品種が土地でどう変わるかがよくわかります。

※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。

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