デザートワインとは?甘いワインの種類と選び方・楽しみ方のコツ

デザートワインとは?甘いワインの種類と選び方・楽しみ方のコツ ワイン

デザートワインとは、食後に甘いものと一緒に、あるいはそれ自体をデザートとして楽しむ甘口のワインのことです。甘いワインには、貴腐ワイン、アイスワイン、遅摘みワイン、陰干しワイン、酒精強化ワインなどの種類があり、どれも「ブドウの糖分をどう凝縮するか、どう残すか」の工夫から生まれています。ここでは甘口ワインの種類と、選び方・楽しみ方を整理します。

ワインが甘くなる仕組み

ワインは、ブドウの糖分を酵母がアルコールに変えることでできます。糖分を食べきれば辛口になり、食べきれずに糖分が残れば甘口になります。甘口ワインを造るには、大きく分けて次の2つの方法があります。

  • ブドウの糖度を極端に高める:酵母が食べきれないほど糖分を多くすると、発酵が途中で止まり甘さが残ります。貴腐、凍結、陰干し、遅摘みはこの方法です
  • 発酵を途中で止める:発酵の途中でアルコールを加えたり、冷却やろ過で酵母の働きを止めたりして、糖分を残します。酒精強化ワインや、軽い甘口ワインの多くがこの方法です

甘口ワインの主な種類

種類 糖分を高める・残す方法 代表例
貴腐ワイン 貴腐菌の働きでブドウの水分を抜く ソーテルヌ、トカイ・アスー、トロッケンベーレンアウスレーゼ
アイスワイン 樹上で凍ったブドウを凍ったまま搾る カナダのアイスワイン、ドイツのアイスヴァイン
遅摘みワイン 収穫を遅らせて樹上で完熟・過熟させる アルザスのヴァンダンジュ・タルディヴ、ドイツのシュペートレーゼ
陰干しワイン 収穫したブドウを風通しのよい場所で乾燥させる イタリアのレチョート、ヴィン・サント、フランス・ジュラのヴァン・ド・パイユ
酒精強化ワイン 発酵中や発酵後にブランデーなどを加える ポート、甘口のシェリー、マデイラ、バニュルス
発酵を止めた弱発泡・微甘口 冷却などで発酵を途中で止める モスカート・ダスティ、甘口のランブルスコ

貴腐ワイン

霧と晴天が交互に訪れる土地で、貴腐菌がブドウの水分を抜いて糖分を凝縮させます。はちみつやアプリコットのような香りが特徴で、デザートワインの代表格です。詳しくは貴腐ワインとソーテルヌの記事で紹介しています。

アイスワイン

真冬に樹上で凍ったブドウを搾ると、凍った水分が氷として残り、糖分や酸の凝縮した果汁だけが得られます。カナダとドイツが有名で、すっきりした酸と澄んだ甘さが魅力です。アイスワインの記事で造り方を詳しく紹介しています。

陰干しワイン

収穫したブドウを、すのこの上に並べたり吊るしたりして数週間から数か月乾燥させ、干しぶどうに近い状態にしてから搾ります。イタリアのヴェネト州で造られる甘口の「レチョート」や、トスカーナの「ヴィン・サント」が知られます。同じ陰干しの手法で辛口に仕上げたのが、ヴェネト州のアマローネです。

酒精強化ワイン

発酵途中のワインにブランデーなどを加えると、アルコール度数が上がって酵母が働けなくなり、ブドウの甘さが残ります。ポルトガルのポートがこの代表です。シェリーは発酵後にアルコールを加えるため本来は辛口が中心ですが、陰干ししたブドウを使うペドロ・ヒメネスは、黒蜜のように濃厚な甘口になります。フランス南部のバニュルスやミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズなど、「ヴァン・ドゥー・ナチュレル」と呼ばれる甘口ワインもこの仲間です。

気軽に楽しめる甘口

デザートワインというほど濃厚ではない、軽い甘口のワインもあります。イタリア・ピエモンテ州のモスカートやアスティは、マスカットの香りが華やかで度数も低めです。エミリア=ロマーニャ州のランブルスコにも、甘口の赤の微発泡があります。ドイツのリースリングにも、果実の甘さと酸がほどよく調和したやや甘口のものが多く見られます。

甘いワインの選び方

甘口ワインを選ぶときは、どんな場面で飲むかを考えると選びやすくなります。

  1. 甘いワインに慣れていない、食事中にも飲みたい:モスカートやアスティ、やや甘口のリースリングなど、軽めで度数の低いもの
  2. 食後にデザートとして少量楽しみたい:貴腐ワインやアイスワイン、陰干しワイン
  3. 開けてから少しずつ長く楽しみたい:ポートや甘口シェリーなどの酒精強化ワイン。度数が高く、開栓後も比較的日持ちします

ラベルでは、フランス語の「Doux(ドゥー)」「Moelleux(モワルー)」、イタリア語の「Dolce(ドルチェ)」、スペイン語の「Dulce(ドゥルセ)」、ドイツ語の「Süß(ズュース)」などが甘口を表します。濃厚なデザートワインはハーフボトルや500mlなどの小さめの瓶で売られていることが多く、少人数でも試しやすくなっています。

デザートワインの楽しみ方

デザートワインは、白ワイン用より小さめのグラスに少量ずつ注いで楽しみます。温度は、貴腐ワインやアイスワインなら8〜12℃前後とよく冷やし、熟成したポートなどは少し高めにすると香りが開きます。

合わせる食べ物は、次のような組み合わせが定番です。

  • 貴腐ワイン:青カビチーズ、フォアグラ、フルーツタルト
  • アイスワイン:フルーツを使ったデザート、チーズケーキ
  • ポート(ルビー・タイプ):チョコレート、ベリーのデザート
  • ペドロ・ヒメネス:バニラアイスにかける、ナッツやドライフルーツ
  • ヴィン・サント:イタリアの固い焼き菓子カントゥッチを浸して

デザートの甘さがワインより強いと、ワインが酸っぱく感じられることがあります。ワインと同じくらいか、少し控えめな甘さの菓子と合わせるのがコツです。

甘口ワインの保存と日持ち

甘口ワインは、糖分や酸が多いことから、辛口のワインに比べて開栓後も品質が保たれやすい傾向があります。貴腐ワインやアイスワインは、栓をして冷蔵庫に入れておけば数日から1週間ほど楽しめるものが多く、少しずつ飲みたい人に向いています。

ポートや甘口シェリー、マデイラなどの酒精強化ワインは、アルコール度数が高いためさらに日持ちしやすく、タイプによっては開栓後も数週間から長いものでは数か月楽しめます。ただし、モスカート・ダスティのような度数の低い微発泡の甘口は、炭酸が抜けやすく香りも変わりやすいので、開けたら早めに飲み切りましょう。いずれの場合も、高温と直射日光は避け、開栓後は冷蔵庫で保存するのが基本です。

まとめ

デザートワインは、ブドウの糖度を極端に高めたり、発酵を途中で止めたりして甘さを残したワインの総称です。貴腐、アイスワイン、遅摘み、陰干し、酒精強化など、甘さを生む方法によって香りや味わいの個性が異なります。軽い甘口から試したい人はモスカートやリースリング、食後のひとときには貴腐ワインやポートなど、場面に合わせて選んでみてください。

※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。

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