モスカートとは?マスカット香る甘口ワインの特徴とモスカート・ダスティ

モスカートとは?マスカット香る甘口ワインの特徴とモスカート・ダスティ ワイン

モスカートとは、マスカット系のブドウをイタリア語で呼んだ名前で、そのブドウから造られる甘く華やかなワインのことも指します。代表的なのはイタリア・ピエモンテ州の「モスカート・ダスティ」で、マスカットそのもののような香りと、やさしい甘さ、軽い発泡、低めのアルコール度数が特徴です。ワインに慣れていない人でも飲みやすいワインとして人気があります。

モスカートとはどんなブドウか

「モスカート(Moscato)」はイタリア語で、フランス語では「ミュスカ(Muscat)」、英語では「マスカット」にあたります。ひとつの品種というより、マスカット特有の甘い香りを持つブドウのグループの名前で、世界には数多くのマスカット系品種があります。どれも、ブドウをそのまま食べたときのような、甘くフルーティーな香りを持っているのが共通点です。

この香りは、リナロールやゲラニオールといった、花やかんきつの香りの成分によるものです。ワインになってもブドウの香りがはっきり残るため、「ブドウの味がするワイン」と表現されることもあります。

主なマスカット系品種

品種 主な別名・産地 特徴
モスカート・ビアンコ ミュスカ・ブラン・ア・プティ・グラン(フランス)。ピエモンテ、ローヌ南部など 粒が小さく、香りが最も繊細で上質とされる。モスカート・ダスティに使われる
マスカット・オブ・アレキサンドリア ジビッボ(イタリア・シチリア)、モスカテル(スペイン) 粒が大きく、生食用としても有名。甘口ワインにも使われる
モスカート・ジャッロ イタリア北東部 黄色い果皮。辛口から甘口まで
モスカート・ローザ イタリア北東部 果皮が赤い。バラの香りの甘口ワインになる

モスカート・ダスティとアスティ

モスカートと聞いて多くの人が思い浮かべるのが、イタリア北西部ピエモンテ州のアスティ周辺で造られる甘口ワインです。原料はモスカート・ビアンコで、同じ地域から性格の違う2つのワインが生まれます。

モスカート・ダスティ

モスカート・ダスティ(Moscato d’Asti)は、発酵を途中で止めて、ブドウの甘さを残した微発泡の甘口ワインです。アルコール度数は5%前後と低く、規定では実際のアルコールが4.5〜6.5%の範囲とされています。泡は弱めで、ガス圧は2.5気圧以下。シャンパーニュのような強い発泡ではなく、口の中で軽くはじける程度のやさしい泡です。

アスティ

アスティ(Asti、以前は「アスティ・スプマンテ」とも呼ばれました)は、同じモスカート・ビアンコから造る発泡性のワインで、モスカート・ダスティより泡が強く、アルコールもやや高めです。どちらもイタリアの最上位の格付けDOCGの「アスティ」に含まれています。詳しくはアスティやスプマンテの記事で紹介しています。

世界のモスカート・マスカットワイン

マスカット系のブドウは世界中で栽培され、さまざまなスタイルのワインになります。

  • イタリア・パンテッレリア島: ジビッボ(マスカット・オブ・アレキサンドリア)を干して造る甘口「パッシート・ディ・パンテッレリア」
  • フランス南部: ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズなど、発酵途中にアルコールを加えて甘さを残す「ヴァン・ドゥー・ナチュレル」
  • フランス・アルザス: ミュスカの辛口。香りは華やかなのに甘くない、意外性のある白ワイン
  • スペイン・ポルトガル: モスカテルの甘口ワイン
  • オーストラリア: ラザグレン地区の濃厚な酒精強化ワイン

甘口ワインの種類や楽しみ方はデザートワインの記事にまとめています。

日本のマスカット・ベーリーAとの違い

日本でよく耳にする「マスカット・ベーリーA」は、名前にマスカットとついていますが、モスカートとは別の品種です。1927年に新潟県の川上善兵衛が、アメリカ系のベーリーとヨーロッパ系のマスカット・ハンブルグを交配して生み出した黒ブドウで、主に赤ワインやロゼに使われます。2013年にはOIV(国際ブドウ・ワイン機構)に品種として登録されました。日本のワインについては日本ワインの記事もどうぞ。

モスカートの楽しみ方

モスカート・ダスティは、よく冷やして飲むのがおすすめです。6〜8度くらいに冷やすと、甘さがすっきりして、香りと泡の心地よさが引き立ちます。アルコールが低めなので、食前酒や食後のデザートワインとして、また昼間のちょっとした集まりにも向いています。

合わせる料理は、甘さと香りを生かせるものが中心です。

  • フルーツ、フルーツタルト、ショートケーキ
  • パンナコッタ、ジェラート
  • ヘーゼルナッツの焼き菓子(ピエモンテの名産)
  • 生ハムとメロン
  • ブルーチーズ(甘みとの対比を楽しむ)

開けたあとはガスが抜けやすいので、専用の栓をして冷蔵庫で保存し、早めに飲みきりましょう。モスカート・ダスティは、フレッシュな香りを楽しむワインなので、長期熟成させず、なるべく新しいヴィンテージを選ぶのが基本です。

まとめ

モスカートは、マスカット系のブドウとそのワインを指すイタリア語の名前です。代表的なモスカート・ダスティは、マスカットの香り、やさしい甘さ、軽い泡、5%前後の低いアルコールが特徴で、ワインに慣れていない人にも親しみやすい一本。マスカット系のブドウは世界中で辛口から極甘口までさまざまなワインになるので、デザートと合わせながら、いろいろなスタイルを試してみてください。

※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。

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