ドライソーセージとは、ソーセージを乾燥させて水分を減らし、日持ちとうまみを高めたもので、日本のJAS規格では水分が35%以下のものをいいます。代表的なのがサラミで、薄く切ってそのままおつまみやサンドイッチに使えます。水分が55%以下まで乾燥させたものは「セミドライソーセージ」と呼ばれ、ドライソーセージよりしっとりやわらかい食感です。
JASによるドライソーセージとセミドライソーセージ
日本のJAS(日本農林規格)では、ソーセージを乾燥の度合いによって次のように分けています。どちらも、塩漬けした肉を使い、レバーなどの臓器類を加えずに作ること(豚や牛の脂肪は使える)が条件です。
| 種類 | 水分 | 加熱 | 食感 |
|---|---|---|---|
| ドライソーセージ | 35%以下 | 加熱する、またはしないで乾燥 | かたく、身が締まっている |
| セミドライソーセージ | 55%以下(ドライを除く) | 湯煮・蒸煮で加熱する、またはしないで乾燥 | ややかため、しっとり |
| 一般的なソーセージ(ウインナーなど) | 規定なし | 加熱して仕上げるものが多い | やわらかく、ジューシー |
水分を減らすことで、細菌が増えにくくなり、保存性が高まります。同時に、肉のうまみが凝縮され、熟成による独特の香りも生まれます。ふつうのソーセージとの違いはソーセージとウインナーの違いの記事で詳しく紹介しています。
ドライソーセージの作り方
ドライソーセージは、時間をかけて水分を抜きながら熟成させて作ります。大まかな流れは次のとおりです。
- 豚肉や牛肉を塩、発色剤、香辛料などと合わせ、粗めまたは細かめにひく
- 脂身を混ぜて練り、ケーシングに詰める
- 温度と湿度を管理した部屋で、発酵・乾燥させる
- 数週間から、ものによっては数か月かけて、水分を抜きながら熟成させる
製品によっては燻製したり、表面に白いカビをつけて熟成させたりします。白カビは、乾燥をゆるやかにし、熟成の香りを生む役割をもっています。こうした食用のカビがついているサラミは、表面が白い粉をまとったように見えます。家庭で作るのは温度や湿度、衛生の管理が難しいため、ドライソーセージは市販品を楽しむのが一般的です。
世界の主なドライソーセージ
ドライソーセージは、ヨーロッパ各地で、気候や食文化に合わせて独自に発達してきました。代表的なものを紹介します。
- サラミ(イタリアなど):豚肉に脂身の粒を混ぜて乾燥・熟成させたもの。イタリアには、ミラノ風の細かくひいたもの、フェンネルシードで香りをつけたトスカーナのフィノッキオーナなど、地域ごとにさまざまなサラミがある
- ソシソン・セック(フランス):「乾燥したソーセージ」という意味。豚肉の粗い食感と、こしょうやにんにくの香りが特徴で、細長い形のものが多い
- チョリソ(スペイン):パプリカ(ピメントン)で赤く色づけし、香りをつけたソーセージ。乾燥させてそのまま食べるタイプと、加熱して使うやわらかいタイプがある
- ハンガリーのサラミ:寒い時期に乾燥・熟成させて作る伝統があり、表面の白カビが特徴のものもある
日本の店頭でも、国産・輸入のサラミやドライソーセージが手に入ります。スペインのチョリソは、日本で「チョリソー」として売られている辛いソーセージとは別物の場合が多いので、表示を確認して選ぶとよいでしょう。
おいしい食べ方
ドライソーセージは、ほとんどの場合、加熱せずにそのまま食べられます。薄く切るほど香りと脂の甘みが感じやすくなります。
- 切り方:皮(ケーシング)がかたい場合や、表面にカビがついている場合は、皮をむいてから薄くスライスする。食べられる皮かどうかは商品の表示で確認する
- おつまみ:チーズ、オリーブ、ピクルス、ナッツと一緒に盛り合わせる
- パンと合わせる:バゲットにバターを塗り、サラミを挟むシンプルなサンドイッチは、フランスやイタリアでも親しまれている
- 料理に:ピザのトッピング、パスタの具、細かく刻んでオムレツやサラダに
ワインとの相性もよく、とくにサラミのような脂と塩気のあるものには、果実味のある赤ワインがよく合います。イタリアのサラミとランブルスコのような微発泡の赤ワインという組み合わせも定番です。生ハムやチーズと盛り合わせれば、手軽な前菜になります(生ハム)。
サラミとドライソーセージ、どう違う?
「サラミ」と「ドライソーセージ」は、ほとんど同じ意味で使われることが多い言葉です。サラミは、イタリア語の「サラーメ(salame)」に由来し、塩漬けした肉を乾燥・熟成させたソーセージを指します。日本では、JASの分類上のドライソーセージ(水分35%以下)にあたる製品の多くが、商品名として「サラミ」と呼ばれています。
ただし、名前と分類が必ずしも一致するわけではありません。「ソフトサラミ」のように、やわらかく仕上げた商品は、水分が多めでセミドライソーセージにあたることもあります。食感の好みで選ぶなら、かたく締まったものが好きならドライ、しっとりやわらかいものが好きならセミドライ、というように選び分けると、好みのものに出会いやすくなります。
選ぶときのポイント
- 太さ:細いものは乾燥が進んでかため、太いものはしっとりしていることが多い
- 脂の粒:脂の粒が細かいものはなめらか、粗いものは食べごたえがある
- 香辛料:黒こしょう、にんにく、フェンネル、パプリカなど、香りの違いで選ぶ
- スライス済みか塊か:塊のものは、切りたての香りを楽しめ、日持ちもしやすい
保存方法と注意点
ドライソーセージは水分が少ないため、一般的なソーセージよりも日持ちしますが、保存方法は商品の表示に従うのが基本です。
- 未開封のものは、パッケージに書かれた温度で保存する(常温保存可のもの、要冷蔵のものがある)
- 切ったあとは、切り口から乾燥や酸化が進むので、ラップでぴったり包んで冷蔵庫へ
- スライス済みのものは、開封したら早めに食べきる
- 冷蔵庫から出したては脂がかたく香りも立ちにくいので、食べる少し前に出しておくとおいしい
表面の白カビは、熟成のためにつけた食用のものですが、本来ついていないはずの色のカビが生えたり、においや粘りに異常を感じたりした場合は、食べずに処分してください。また、ドライソーセージは塩分や脂質が多めの食品なので、食べる量はほどほどにしておくのが無難です。
まとめ
ドライソーセージは、ソーセージを乾燥・熟成させて水分を減らしたもので、日本のJASでは水分35%以下と定められています。水分55%以下のものはセミドライソーセージと呼ばれます。サラミやソシソン・セック、チョリソなど、ヨーロッパ各地に個性豊かなドライソーセージがあり、薄く切ってそのままおつまみやサンドイッチに楽しめます。切ったあとはラップで包んで冷蔵し、早めに食べきりましょう。
※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。



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