ゲヴェルツトラミネールとは?ライチの香りの白ワイン品種の特徴

ゲヴェルツトラミネールとは?ライチの香りの白ワイン品種の特徴 ワイン

ゲヴェルツトラミネールとは、ライチやバラを思わせる華やかな香りで知られる白ワイン用のブドウ品種です。フランス・アルザス地方を代表する品種で、香りが強く、口当たりはまろやか。辛口から甘口まで造られ、白ワインの中でもひと口でそれとわかるほど個性のはっきりした品種です。

ゲヴェルツトラミネールの特徴

ゲヴェルツトラミネールの最大の特徴は、なんといっても香りです。グラスに注いだだけで、甘いライチやバラの花の香りがふわっと立ちのぼります。ライチとゲヴェルツトラミネールは香りの成分が共通しているとされ、「ライチの香り」はこの品種を表す決まり文句になっています。

  • 香り: ライチ、バラ、パッションフルーツ、マンゴー、ジンジャーやシナモンのようなスパイス
  • 味わい: 口当たりがまろやかで、とろりとしたボリューム感がある
  • 酸: 低め
  • アルコール: やや高めになりやすい

辛口に仕立てても香りが甘いため、ほんのり甘く感じることがあります。酸が穏やかなので、きりっとした爽やかさよりも、ふくよかさや香りの豊かさを楽しむワインです。香りがはっきりしているぶん、好みが分かれる品種でもあります。

ブドウの果皮はピンクから赤みがかった色をしています。白ワイン用の品種ですが、果皮が白ではないため、ワインの色はやや濃いめの黄金色になることが多く見られます。

名前の意味と由来

「ゲヴェルツ(Gewürz)」はドイツ語で「スパイス」や「香辛料」を意味します。「トラミネール(Traminer)」は、イタリア北部・南チロル地方(アルト・アディジェ)の村、トラミン(イタリア名テルメーノ)に由来するといわれます。つまり「スパイシーなトラミネール」「香り高いトラミネール」といった意味の名前です。

ゲヴェルツトラミネールは、古い品種サヴァニャン・ブラン(トラミネールとも呼ばれます)の変異から生まれたと考えられています。トラミネール系の中で、とくに香りの強いタイプがゲヴェルツトラミネールとして区別されるようになりました。日本語では「ゲヴュルツトラミネール」「ゲヴルツトラミネール」など、表記がいくつかあります。

主な産地

フランス・アルザス

ゲヴェルツトラミネールの代表的な産地は、フランス北東部のアルザスです。アルザスで2番目に多く植えられている品種とされ、この地方を最も象徴する品種のひとつです。アルザスのグラン・クリュ(特級畑)に認められた品種でもあり、リースリング、ピノ・グリ、ミュスカと並んで格の高い品種として扱われています。

アルザスでは、遅摘みのブドウから造る甘口の「ヴァンダンジュ・タルディヴ」や、貴腐ブドウを選んで造る極甘口の「セレクション・ド・グラン・ノーブル」も造られ、ゲヴェルツトラミネールはそのどちらにもよく使われます。アルザスのワインは通常、品種名がラベルに書かれているので見分けやすいのも特徴です。

ドイツ・イタリア・ほかの産地

ドイツではプファルツなどで栽培され、「ゲヴュルツトラミナー」と呼ばれます。名前の由来の地、イタリアのアルト・アディジェでも、香り高く引き締まったスタイルのものが造られています。ほかにオーストリア、ニュージーランド、オーストラリア、アメリカ、カナダなど、冷涼な産地で栽培されています。暑い土地では酸が落ちて重たくなりやすいため、涼しい気候のほうが香りと味わいのバランスがとりやすい品種です。

産地 スタイルの傾向
アルザス ボリュームがあり香りが豊か。辛口から極甘口まで
ドイツ やや軽やか。辛口のほか、やや甘口も
アルト・アディジェ 香りは華やかで、酸が比較的しっかり
ニュージーランドなど新世界 果実味がはっきりしたフルーティーなスタイル

合う料理

香りが強く、スパイスのニュアンスもあるゲヴェルツトラミネールは、香りやスパイスの強い料理に負けない白ワインです。

  • タイ料理、ベトナム料理、インド料理などのエスニック料理
  • 中華料理(酢豚、エビチリ、点心)
  • 生姜やクミンを使った料理
  • マンステールなどの香りの強いウォッシュチーズ(アルザスの定番の組み合わせ)
  • 甘口タイプならフォアグラ、フルーツのデザート

エスニック料理との相性についてはワインと料理の合わせ方の記事でも触れています。和食なら、柚子こしょうや生姜を効かせた料理、甘めの味つけの煮物などと合わせてみるのもおすすめです。

飲み方と選び方

辛口タイプは8〜12度くらいに冷やすのが目安です。冷やしすぎると香りが閉じてしまうので、よく冷えたものを少しずつグラスで温度を上げながら飲むと、香りの変化が楽しめます。甘口タイプはやや低めの温度にすると、甘さが重たくならずにすっきり感じられます。香りを楽しむワインなので、口のすぼまったワイングラスがおすすめです。

選ぶときは、ラベルの表示と産地を目安にします。アルザス産で「Vendanges Tardives」「Sélection de Grains Nobles」とあれば甘口です。辛口がほしい場合は、ショップの説明や「Sec(辛口)」などの表示を確認しましょう。華やかな白ワインがほしいときや、ちょっと意外性のある一本を探しているときにも向いています。白ワインのほかの品種は白ワイン、同じアルザスの代表品種はリースリングの記事で紹介しています。

まとめ

ゲヴェルツトラミネールは、ライチやバラの華やかな香りが特徴の白ブドウで、アルザスを代表する品種です。名前は「スパイシーなトラミネール」という意味で、果皮はピンク色。酸は穏やかでまろやかな口当たりがあり、辛口から極甘口まで造られます。エスニック料理や中華料理、香りの強いチーズと合わせると、その個性がいっそう引き立ちます。

※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。

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