シラーとは?シラーズとの関係と品種の特徴、主な産地と合う料理

シラーとは?シラーズとの関係と品種の特徴、主な産地と合う料理 ワイン

シラーとは、フランス・ローヌ地方北部を原産とする黒ブドウの品種で、濃い色合いと黒胡椒のようなスパイシーな香り、力強い味わいの赤ワインを生み出します。オーストラリアでは「シラーズ」と呼ばれますが、シラーとシラーズは同じ品種です。呼び名の違いは、産地の伝統や、ワインのスタイルを伝えるための使い分けによるものです。

シラーの基本情報

項目 内容
色 黒ブドウ
原産地 フランス・ローヌ地方北部
親品種 デュレザ(黒ブドウ)とモンドゥーズ・ブランシュ(白ブドウ)
別名 シラーズ(オーストラリア、南アフリカなど)
主な産地 ローヌ、南フランス、オーストラリア、アメリカ、南アフリカ、チリ、ニュージーランドなど
香りの傾向 ブラックベリー、ブルーベリー、黒胡椒、スミレ、燻製肉、オリーブ。熟成するとなめし革、土
味わいの傾向 色が濃く、渋みと果実味が豊か。フルボディになりやすい

シラーの起源については、古くからペルシャ(現在のイラン)の都市シーラーズから伝わったという説などが語られてきました。しかし1990年代末のDNA解析で、フランス南東部の古い品種であるデュレザとモンドゥーズ・ブランシュの自然交配から生まれたことが分かり、フランス生まれの品種であることが明らかになっています。

シラーとシラーズの関係

シラーとシラーズは、ブドウとしてはまったく同じ品種です。オーストラリアには19世紀にヨーロッパから持ち込まれ、「シラーズ」の名で広まりました。現在ではオーストラリアを代表する黒ブドウになっています。

呼び名は産地の慣習によるものですが、ワインのスタイルを伝える目安として使い分けられることもあります。

呼び名 イメージされやすいスタイル
シラー ローヌ北部のような、スパイスや酸がきいた引き締まった味わい。冷涼な産地の造り手が使うことが多い
シラーズ オーストラリアのような、完熟した果実味が豊かで濃厚、アルコールもしっかりした味わい

ただし、これはあくまでも傾向で、オーストラリアでもエレガントなスタイルを目指して「シラー」と表示する造り手もいます。また、アメリカなどで栽培されている「プティ・シラー」は、デュリフという別の品種なので注意しましょう。

主な産地

フランス・ローヌ地方北部

シラーの故郷で、ローヌ川沿いの急斜面の畑から、世界的に評価の高いワインが生まれます。赤ワインはシラーを主体に造られ、次のような産地が知られています。

  • エルミタージュ:丘の斜面から生まれる、力強く長期熟成に向くワイン
  • コート・ロティ:白ブドウのヴィオニエを少量加えて醸すことが認められており、華やかな香りを持つ
  • コルナス:シラーだけで造られる、濃厚で骨太なワイン
  • サン・ジョセフ、クローズ・エルミタージュ:比較的手に取りやすく、シラーらしさを感じやすい産地

フランス・ローヌ地方南部と南フランス

ローヌ南部では、グルナッシュやムールヴェードルなどとブレンドする品種として使われます。シャトーヌフ・デュ・パプやコート・デュ・ローヌの赤ワインに、色の濃さとスパイシーさを加える役割を担っています。ラングドックなど南フランスでも広く栽培され、ロゼワインの原料にもなります。

オーストラリア

オーストラリアはシラーズの一大産地です。南オーストラリア州のバロッサ・ヴァレーやマクラーレン・ヴェイルからは、完熟したブラックベリーやチョコレートのような風味を持つ、濃厚でリッチなシラーズが生まれます。古い樹が残っていることでも知られ、オーストラリアを代表する高級ワインにもシラーズを主体にしたものがあります。スパークリングの赤ワインが造られているのもオーストラリアらしい特徴です。

そのほかの産地

アメリカのワシントン州やカリフォルニア州、南アフリカ、チリ、ニュージーランドのホークス・ベイなどでも、それぞれの気候を映したシラーが造られています。

味わいと合う料理

シラーのワインは、色が濃く、黒い果実の香りに黒胡椒のようなスパイス感が重なるのが特徴です。この胡椒のような香りはロタンドンという成分によるもので、比較的冷涼な産地のシラーで感じやすいといわれます。

スパイシーで力強い味わいなので、香辛料を効かせた肉料理や、炭火で焼いた料理とよく合います。

  • ラム肉のグリル、スペアリブ、バーベキュー
  • 黒胡椒を効かせたステーキ、ペッパーステーキ
  • ジビエ(鹿肉など)、牛肉の煮込み
  • スパイスを使ったソーセージ、チリコンカン
  • 和食なら、焼肉、焼き鳥(たれ)、鰻の蒲焼き

飲み頃の温度は16〜18℃前後が目安です。濃厚なシラーズは、デカンタに移して空気に触れさせると、香りが開いて口当たりがやわらかくなることがあります。力強いワインについてはフルボディのワインの記事も参照してください。

選び方のポイント

シラーを選ぶときは、ラベルの呼び名と産地がスタイルを知る手がかりになります。完熟した果実味のある濃厚な味わいが好きなら、オーストラリアのシラーズ。スパイスや酸のきいた、食事に寄り添う味わいが好きなら、ローヌ北部のクローズ・エルミタージュやサン・ジョセフがおすすめです。手頃なものを探すなら、南フランスやチリ、南アフリカのシラーも選択肢になります。赤ワイン全般については赤ワイン、ほかの代表的な品種はカベルネ・ソーヴィニヨンの記事でも紹介しています。

まとめ

シラーは、フランス・ローヌ地方北部を原産とする黒ブドウで、濃い色合いと黒胡椒のようなスパイシーな香り、力強い味わいが特徴です。オーストラリアで呼ばれるシラーズは同じ品種で、呼び名の違いは産地の慣習やスタイルの目安によるものです。エルミタージュやコート・ロティなど北ローヌの名酒から、果実味豊かなオーストラリアのシラーズまで、スパイスを効かせた肉料理と合わせて楽しんでみてください。ワインの基本はワインの基礎知識をご覧ください。

※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。

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