ふすまパンとは、小麦の外皮である「ふすま」を粉にした、ふすま粉(小麦ブラン)を主な材料に焼いたパンです。ふつうの小麦粉のパンより糖質が少なく、食物繊維が多いパンとして、糖質を控えたい人に選ばれています。ふすま粉は小麦粉とは性質がかなり違うため、パンにするにはグルテンなどを補うのが一般的です。
ふすまとは:小麦のどの部分?
ふすまは、小麦の粒を包む皮の部分のことで、英語では「ブラン(bran)」と呼ばれます。小麦を製粉して白い小麦粉を作るとき、中心の胚乳を取り出した残りとして出てくるもので、昔から家畜の飼料などに使われてきました。漢字では「麩」と書き、お麸の「麩」と同じ字です。
ふすまには、食物繊維やミネラルが多く含まれます。一方、でんぷんはほとんど胚乳に集まっているため、ふすまそのものは糖質が少ない素材です。この性質に目をつけて、パンや焼き菓子の材料として使われるようになりました。
小麦の粒を丸ごと挽いた全粒粉にもふすまは含まれていますが、全粒粉は胚乳も一緒に挽いているので、糖質は白い小麦粉とそれほど大きくは変わりません。ふすま粉は「皮だけ」を取り出した粉、という点が大きな違いです。
| 粉の種類 | 使う部分 | 特徴 |
|---|---|---|
| 強力粉・薄力粉 | 胚乳 | 白くてふくらみやすい。糖質の多くを占めるでんぷんが主成分 |
| 全粒粉 | 皮・胚芽・胚乳すべて | 香ばしく、白い粉より食物繊維が多い |
| ふすま粉(ブラン) | 皮(ふすま)が中心 | 糖質が少なく食物繊維が多い。単体ではふくらまない |
ふすま粉の種類と選び方
ふすま粉は、製菓材料店やネット通販、スーパーの糖質オフ食材のコーナーなどで手に入ります。商品によって挽き方や下処理が違い、パンの仕上がりも変わります。
- 粗挽きと細挽き:粗いものは食感がざらつき、細かいものは生地になじみやすい。パンには細挽きが扱いやすい
- 焙煎の有無:焙煎したものは香ばしく、ふすま特有のえぐみが和らぐ
- ミックス粉:ふすま粉に小麦たんぱく(グルテン)や大豆粉などを配合した「ふすまパン用ミックス」は、計量の手間が少なく初心者向き
ふすま粉だけで作ろうとすると、骨組みになるグルテンがほとんどないため、生地がまとまらず、ふくらみません。そのため手作りでは、小麦たんぱく(グルテン粉)を加えるのが一般的です。グルテンを加えても、もとが小麦由来なので、小麦アレルギーのある人は食べられない点に注意してください。
ふすまパンの味と食感
ふすまパンは、ふつうの食パンとは別物と考えたほうが、がっかりせずに済みます。色は茶色く、香りは穀物の皮らしい香ばしさがあり、ものによっては独特のえぐみや粉っぽさを感じます。食感はもっちり、またはぎゅっと詰まった感じになりやすく、ふんわり軽いパンにはなりにくいです。
食べやすくするには、トーストして香ばしさを引き出すのがいちばんです。バターやチーズ、卵、ハムなど、脂やたんぱく質のある具材と合わせると、ふすまのくせが目立ちにくくなります。
家でふすまパンを焼く手順の目安
市販のふすまパンミックスを使うと、ホームベーカリーでも比較的かんたんに焼けます。ミックスを使わずに作る場合は、次のような流れになります。分量はふすま粉やグルテン粉の商品によって変わるので、使う商品の配合例を参考にしてください。
- ふすま粉、小麦たんぱく(グルテン粉)、少量の甘味料、塩、ドライイーストをよく混ぜる
- ぬるま湯と油(バターやオリーブオイル)を加えてこねる。ふすまは水をよく吸うので、生地の硬さを見ながら調整する
- 一次発酵、成形、二次発酵を経て焼く。ふくらみは小さめなので、型は小さめのものが向く
- 焼き上がったら網の上で冷ます。冷めてから切ると形が崩れにくい
イーストが働くにはある程度の糖が必要なので、甘味料をまったく入れないと発酵が弱くなることがあります。少量の砂糖を入れるか、イーストの栄養になる材料を使ったミックスを選ぶと安定します。イーストの種類については生イーストの記事も参考になります。
ふすまパンを食べるときの注意
ふすまパンは食物繊維が多いので、急にたくさん食べると、お腹が張ったり、便通が変わったりすることがあります。はじめは少量から、水分と一緒にとるのが無難です。
「糖質が少ない」といっても、食べる量が増えれば摂取量も増えますし、市販品は製品ごとに中身がかなり違います。糖質やカロリーを気にしている場合は、栄養成分表示を確かめてください。持病の治療で糖質制限をしている場合などは、自己判断ではなく医師や管理栄養士の指示に従うのが大切です。
保存は、ふつうの食パンと同じく冷凍が向いています。焼いた日に食べきれない分はスライスしてラップで包み、冷凍しておきましょう(パンの冷凍保存)。
市販のふすまパンと楽しみ方
ふすまパンは、手作りしなくても、コンビニやスーパー、パンの通販などで「ブランパン」「ふすまパン」「低糖質パン」といった名前で手に入ります。丸いロールパン型のほか、食パン型、イングリッシュマフィン型、甘いクリームやチョコを包んだ菓子パン型など、形もさまざまです。
市販品を選ぶときは、次の点を見ておくと、自分に合うものを見つけやすくなります。
- 原材料の並び順:先頭に「小麦ふすま」や「小麦たんぱく」が来ているか。小麦粉が先頭なら、ふすまは補助的な使い方
- 栄養成分表示:糖質(または炭水化物と食物繊維)の量を、1個あたりで比べる
- 甘いタイプかどうか:菓子パン型は、フィリングのぶん糖質が増えることがある
- 保存方法:冷凍で売られているもの、常温で日持ちするものなど、扱いが異なる
食べ方としては、そのままより一手間かけたほうが満足感が出ます。軽くトーストしてバターをのせる、卵サラダやツナを挟んでサンドイッチにする、ピザ用チーズとトマトソースをのせてピザトースト風にする、といった食べ方が定番です。スープやサラダと組み合わせれば、ふすまパンの素朴な味わいが食事全体の中でなじみます。
ふすま粉そのものは、パン以外にも使えます。ハンバーグのつなぎ、クッキーやパンケーキの粉の一部、から揚げの衣などに混ぜると、香ばしさが加わります。最初は粉全体の一部を置き換えるくらいから試すと、食感の変化を確かめやすいでしょう。
まとめ
ふすまパンは、小麦の皮であるふすまを粉にしたふすま粉で作る、糖質少なめ・食物繊維多めのパンです。ふすま粉だけではふくらまないため、小麦たんぱくなどを補って焼くのが一般的で、食感はもっちり、香りは香ばしく独特です。トーストして具材と合わせると食べやすくなります。小麦由来であることや、食べ過ぎるとお腹に負担がかかることも覚えておくと安心です。



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