オーガニックワインとは?有機JASなどの認証と自然派ワインとの違い

オーガニックワインとは?有機JASなどの認証と自然派ワインとの違い ワイン

オーガニックワインとは、化学合成農薬や化学肥料を使わずに育てたブドウを原料にし、醸造の工程でも決められた基準を守って造られたワインのことです。日本で「有機」「オーガニック」と表示して売るには、2025年10月以降は有機JASの認証を受け、有機JASマークを付けることが必要になりました。似た言葉の「自然派ワイン(ナチュールワイン)」とは意味が異なり、オーガニックが認証制度にもとづくのに対し、自然派には法的な定義がほとんどありません。

オーガニックワインとは

オーガニック(有機)農業は、化学的に合成された農薬や肥料に頼らず、土の力や生態系のバランスを生かして作物を育てる考え方です。ブドウ栽培では、雑草を刈り込んだり家畜を放したりして管理し、病気対策には有機栽培で認められた資材を使います。

ワインの場合は、畑の栽培方法に加えて、醸造で使える添加物や工程にも基準が設けられています。たとえばEUの有機ワインの規則では、使用できる添加物の種類が限られ、酸化防止剤として使われる亜硫酸塩の上限も通常のワインより低く定められています。つまり、オーガニックワインは「畑」と「醸造所」の両方に基準があるワインです。

認証の仕組み

オーガニックワインかどうかは、生産者の自己申告ではなく、第三者機関の認証によって判断されます。国や地域ごとに制度があり、代表的なものを表にまとめます。

国・地域 制度・マーク ポイント
日本 有機JAS 2022年10月から有機加工食品のJASに酒類が加わり、ワインも認証の対象に。2025年10月以降は「有機」「オーガニック」の表示に有機JASマークが必要
EU ユーロリーフ(緑地に星で葉を描いたマーク) 栽培と醸造の両方に基準。フランスでは国のABマークが併記されることも多い
アメリカ USDAオーガニック 「オーガニックワイン」は亜硫酸塩の添加を認めない。有機ブドウを使い亜硫酸塩を加えたものは「有機ブドウ使用」の表示になる

日本の有機JASはEUの有機制度と同等と認められているため、EUで有機認証を受けたワインは、輸入業者が所定の手続きを経れば有機JASマークを付けて販売できます。売り場で見分けたいときは、ボトルや首掛けに有機JASマークが付いているかを確認するのが確実です。

ビオディナミとの違い

オーガニックの一歩先をいく考え方として、「ビオディナミ(バイオダイナミック)」農法があります。1920年代にオーストリアの思想家ルドルフ・シュタイナーが行った講義をもとにした農法で、天体の運行に合わせた暦で作業を行い、牛の角に詰めた堆肥などの独自の調合剤を使うのが特徴です。デメテールなど民間団体の認証があり、ブルゴーニュやロワール、アルザスなどの著名な造り手にも実践者がいます。

サステナブル認証

オーガニック認証とは別に、環境への負荷を減らす取り組みを評価する「サステナブル(持続可能)」の認証もあります。フランスの「HVE(環境価値重視)」や、ニュージーランドの「サステナブル・ワイングローイング・ニュージーランド」などがその例です。これらは化学合成農薬を一切使わないことを条件とするものではなく、農薬の使用量の削減や生物多様性、水やエネルギーの管理など、幅広い観点で畑や醸造所の取り組みを評価します。オーガニックとは基準が異なるので、ラベルを見るときは区別して理解しておきましょう。

自然派ワインとの違い

オーガニックワインと混同されやすいのが、「自然派ワイン」「ナチュラルワイン」「ヴァン・ナチュール」と呼ばれるワインです。両者の違いを整理すると次のようになります。

項目 オーガニックワイン 自然派ワイン
定義 各国の法律・認証制度で定められている 法的な定義はほとんどなく、造り手の考え方による
栽培 有機栽培の基準を満たす 有機・ビオディナミ栽培が前提とされることが多い
醸造 認められた範囲で添加物や技術を使える 天然酵母で発酵させ、亜硫酸塩などの添加を極力控える
味わいの傾向 一般的なワインと大きくは変わらない 個性的で、にごりや微発泡があることも

フランスでは2020年に、自然派ワインの任意の表示制度「ヴァン・メトード・ナチュール」が設けられましたが、これは生産者団体による自主的な取り組みで、多くの国では今も明確な定義はありません。自然派ワインについては自然派ワインの記事で詳しく紹介しています。

オーガニックワインの味わいと選び方

オーガニックワインだからといって、特別な味がするわけではありません。品種や産地、造り手によって味わいはさまざまで、一般的なワインと同じように選べます。そのうえで、次の点を参考にするとよいでしょう。

  • マークを確認する:有機JASマークやユーロリーフがあれば、認証を受けたワインです
  • 産地で選ぶ:南フランスやスペイン、イタリア南部など、乾燥して病気の出にくい産地は有機栽培に取り組みやすく、手頃なオーガニックワインも多く見られます
  • 認証の有無だけで判断しない:有機的な栽培をしていても、費用や手続きの理由で認証を取得していない小さな造り手もいます

また、「オーガニックだから体に良い」「酸化防止剤が少ないから二日酔いしない」といった効果が保証されるわけではありません。アルコールの影響は体質や量によって異なるので、どのワインでも適量を楽しむことが大切です。

保存と楽しみ方

オーガニックワインの保存方法は、一般的なワインと同じです。直射日光と高温を避け、温度変化の少ない場所で保存します。亜硫酸塩を加えていない、または少ないワインは温度変化に弱いことがあるので、冷暗所や冷蔵庫で保管するとより安心です。開栓後は早めに飲み切りましょう。

料理との合わせ方も通常のワインと変わりません。旬の野菜を使った料理や、素材の味を生かしたシンプルな料理と合わせると、ブドウの素直な味わいを感じやすくなります。ワインの種類や選び方の基本はワインの基礎知識を参考にしてください。

まとめ

オーガニックワインは、有機栽培のブドウを使い、醸造でも決められた基準を守って造られたワインです。日本では2022年10月から酒類が有機JASの対象となり、2025年10月以降は「有機」「オーガニック」と表示するには有機JASマークが必要です。自然派ワインとは定義の有無が大きく異なるので、確かなオーガニックワインを選びたいときは、ボトルの認証マークを確認するのがいちばんの近道です。

※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。

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