青いワインとは、ブドウのワインに色素を加えるなどして、鮮やかな青色に仕上げたお酒のことです。ブドウから自然に青いワインができるわけではなく、ブドウの果皮に含まれる色素アントシアニンや、藍(インディゴ)系の色素の働きで青くしています。代表例として知られるのが、2015年にスペインで登場した「Gïk(ギク)」です。
自然には青いワインはできない
ワインの色は、ブドウの果皮に含まれる色素で決まります。赤ワインの赤や紫は、黒ブドウの果皮にあるアントシアニンという色素によるものです。白ワインは主に白ブドウの果汁から造るため、淡い黄色になります。どの品種を使っても、どんな造り方をしても、ブドウだけで自然に鮮やかな青色のワインになることはありません。
そのため、青いワインは何らかの方法で色を加えたり、色素の性質を利用したりして造られています。見た目のインパクトが強いので、パーティーや写真映えを楽しむお酒として話題になりました。
青い色の正体
青いワインの色のもとになっているのは、主に次の2種類の色素です。
| 色素 | 由来 | 特徴 |
|---|---|---|
| アントシアニン | 黒ブドウなどの果皮に含まれる天然色素 | 酸性では赤、中性に近づくと紫、アルカリ性では青っぽく変化する性質がある |
| インディゴ系の色素 | 藍の仲間の植物(ウォードなど)や、それをもとにした食品用色素 | 鮮やかな青色。食品の着色にも使われる |
アントシアニンは、ナスや紫キャベツ、ブルーベリーにも含まれる色素で、周りの環境によって色が変わる性質を持っています。紫キャベツの煮汁に重曹を入れると青や緑に変わるのは、この性質によるものです。青いワインは、こうした色素の性質や、別の青い色素を組み合わせることで、ワインらしからぬ色を生み出しています。
代表例:スペインのGïk
青いワインを世界に広めたのが、スペインのGïk(ギク)です。スペイン・バスク地方の大学で学んでいた若者たちのグループが開発し、2015年に発売しました。複数の産地の赤ブドウと白ブドウをもとに、ブドウの果皮に由来するアントシアニンと、インディゴ系の色素を使って鮮やかな青色に仕上げているとされています。詳しい製法は公表されていません。
発売後は「青いワイン」として話題になり、アメリカやフランスをはじめ多くの国に輸出されました。一方で、ヨーロッパではワインに着色料を加えることが認められておらず、Gïkを「ワイン」として販売してよいかが問題になりました。こうした事情から、青いワインはヨーロッパの法律上の「ワイン」とは別の、ワインをもとにした飲料として扱われることがあります。ラベルの表示が「ワイン」ではなく「ワインを使ったお酒」などになっている場合があるのはこのためです。
Gïkの後には、フランスの起業家がアントシアニンだけで色づけしたとする青いワインなど、似たコンセプトの商品も登場しています。
青いワインの味わい
青いワインは、見た目の珍しさを楽しむお酒という性格が強く、味わいは甘口で飲みやすく仕上げられたものが多い傾向です。ワイン通向けの複雑な味わいを目指すというより、ワインを飲み慣れていない人にも親しみやすいことを重視しています。
楽しむときは、しっかり冷やすのがおすすめです。甘めの味わいなので、フルーツやチーズ、軽いおつまみと合わせたり、透明なグラスに注いで色を楽しんだりするのに向いています。氷やフルーツを加えてカクテル風にアレンジするのもよいでしょう。
「青いボトル」のワインとの違い
「青いワイン」と検索すると、中身ではなくボトルが青いワインも見つかります。たとえばドイツのピーロート・ブルーは、鮮やかなコバルトブルーのボトルが特徴のワインですが、中身は一般的な白ワインや赤ワインの色です。贈り物で「青いワイン」を探すときは、中身が青いのか、ボトルが青いのかを確かめると、イメージどおりのものを選べます。
また、ワインの色を表す言葉として、若い赤ワインの縁が紫がかって見えることを「青みがかった色調」と表現することもありますが、これは青いワインとはまったく別の話です。赤ワインの色や味わいについては赤ワインの記事で紹介しています。
まとめ
青いワインは、アントシアニンやインディゴ系の色素を使って鮮やかな青色に仕上げたお酒で、ブドウから自然にできるものではありません。代表例のスペインのGïkは2015年に登場して話題になりましたが、ヨーロッパではワインへの着色が認められていないため、法律上の「ワイン」とは区別して扱われることがあります。甘口で飲みやすいものが多いので、パーティーなどで見た目を楽しむお酒として選んでみてください。ワインそのものの種類についてはワインの基礎知識をご覧ください。
※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。



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