モンテプルチアーノとは?ダブルッツォの特徴とヴィーノ・ノビレとの違い

モンテプルチアーノとは?ダブルッツォの特徴とヴィーノ・ノビレとの違い ワイン

モンテプルチアーノとは、イタリア中部アブルッツォ州を中心に栽培される赤ワイン用のブドウ品種で、その代表的なワインが「モンテプルチアーノ・ダブルッツォ」です。色が濃く、果実味がたっぷりで渋みはやわらかめ、手ごろな価格のものが多い、親しみやすい赤ワインです。ただし、トスカーナ州の町の名前「モンテプルチアーノ」とは別物なので、ラベルを見るときには注意が必要です。

品種のモンテプルチアーノと町のモンテプルチアーノ

「モンテプルチアーノ」という言葉は、イタリアワインの世界で2つの意味を持っています。

  • ブドウ品種のモンテプルチアーノ: アブルッツォ州やマルケ州など、イタリア中部のアドリア海側で多く栽培される黒ブドウ
  • 町のモンテプルチアーノ: トスカーナ州シエナ県にある丘の上の町。ここで造られる「ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ」は、主にサンジョヴェーゼから造られる

つまり「モンテプルチアーノ・ダブルッツォ」は「アブルッツォ州のモンテプルチアーノ(品種)のワイン」、「ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ」は「モンテプルチアーノの町の高貴なワイン」という意味です。名前は似ていますが、ブドウも産地もまったく違います。遺伝的な研究でも、品種のモンテプルチアーノと、町のワインに使われるサンジョヴェーゼ(地元名プルニョーロ・ジェンティーレ)は別の品種であることが確かめられています。

項目 モンテプルチアーノ・ダブルッツォ ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ
産地 アブルッツォ州(アドリア海側) トスカーナ州モンテプルチアーノ町
主なブドウ モンテプルチアーノ サンジョヴェーゼ(プルニョーロ・ジェンティーレ)70%以上
格付け DOC(上位地区はDOCG) DOCG(1980年に認定)
味わい 色が濃く、果実味豊かで渋みはやわらかい 酸がしっかりしていて、上品で引き締まった味わい
価格帯の傾向 手ごろなものが多い 中価格帯以上が中心

品種モンテプルチアーノの特徴

品種のモンテプルチアーノは、熟すのが遅い黒ブドウで、イタリア中部の温暖な気候でよく育ちます。果皮に色素が多く、深い紫がかった色のワインになります。

  • 香り: ブラックチェリー、プラム、ブラックベリー、スミレ、甘草、黒こしょう
  • 味わい: 果実味が豊かで、まろやか
  • 渋み: しっかりあるが、なめらか
  • 酸: 中程度

濃いのに飲みやすく、価格のわりに満足感がある赤ワインとして、日本のスーパーやワインショップでもよく見かけます。熟成させた上級品になると、なめし革やタバコ、スパイスの香りが加わり、しっかりとした骨格を持ちます。

アブルッツォとほかの産地

モンテプルチアーノ・ダブルッツォ

アブルッツォ州は、アペニン山脈とアドリア海にはさまれた州で、ほぼ全域でモンテプルチアーノ・ダブルッツォDOCが造られています。北部テーラモ県の丘陵地帯は、2003年に「モンテプルチアーノ・ダブルッツォ・コッリーネ・テラマーネ」としてDOCGに昇格しました。モンテプルチアーノを90%以上使い、一定期間の熟成を経てから出荷される上級のワインです。

チェラスオーロ・ダブルッツォ

同じモンテプルチアーノから造るロゼが「チェラスオーロ・ダブルッツォ」です。チェラスオーロは「さくらんぼ色」という意味で、色の濃いロゼになります。果実味がしっかりしていて、料理とも合わせやすいロゼです。ロゼワイン全般についてはロゼワインの記事で紹介しています。

マルケ州ほか

アブルッツォの北隣のマルケ州では、モンテプルチアーノを主体とした「ロッソ・コーネロ」や、その上位の「コーネロ」(DOCG)が造られています。ほかにモリーゼ州やプーリア州などでも栽培され、ブレンド用としても使われています。

合う料理と飲み方

果実味が豊かで渋みのなめらかなモンテプルチアーノ・ダブルッツォは、普段の家庭料理と合わせやすい赤ワインです。

  • ミートソース、ラザニア、ピッツァ
  • 羊肉の串焼き(アブルッツォ名物のアロスティチーニ)、ラムチョップ
  • ハンバーグ、焼き肉、ソーセージのグリル
  • ペコリーノなどの羊乳チーズ

16〜18度くらいが飲み頃の温度の目安です。手ごろなものは若いうちに果実味を楽しみ、コッリーネ・テラマーネなどの上級品は少し空気に触れさせてから飲むと香りが開きます。トマトと肉の料理に合わせるなら、ラグーの記事もどうぞ。

一方、ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノは、酸がしっかりした上品な赤ワインです。トスカーナのキャンティに近い性格を持ち、牛肉のグリルやジビエ、きのこの料理によく合います。

まとめ

モンテプルチアーノは、アブルッツォ州を中心に栽培される黒ブドウで、モンテプルチアーノ・ダブルッツォは色が濃く果実味豊かな、親しみやすい赤ワインです。トスカーナの町の名前を冠したヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノは、主にサンジョヴェーゼから造られる別のワイン。ラベルの「ダブルッツォ」か「ヴィーノ・ノビレ・ディ」かを見れば見分けられます。イタリアワイン全体についてはワインの基本もあわせてどうぞ。

※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。

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