ピノ・グリージョとは?ピノ・グリとの違いと白ワインの特徴

ピノ・グリージョとは?ピノ・グリとの違いと白ワインの特徴 ワイン

ピノ・グリージョとは、イタリア北東部を中心に造られる白ワイン用のブドウ品種で、フランスでは「ピノ・グリ」と呼ばれる品種と同じブドウです。イタリアのピノ・グリージョは、レモンや青りんごのような爽やかな香りの、軽やかで飲みやすい辛口白ワインが主流。気軽に楽しめる白ワインとして、世界中で人気があります。

ピノ・グリージョとピノ・グリの関係

ピノ・グリージョ(Pinot Grigio)はイタリア語、ピノ・グリ(Pinot Gris)はフランス語で、どちらも「灰色のピノ」という意味です。この品種は、赤ワイン用のピノ・ノワールの果皮の色が変わった変異種で、ブルゴーニュが発祥と考えられています。果皮は灰色がかったピンクから、赤紫がかった色をしていて、白ワイン用の品種でありながら、やや色づいたブドウです。

同じブドウでも、呼び名によって連想されるスタイルが違うのがおもしろいところです。一般に「ピノ・グリージョ」と書かれていれば軽やかでシャープな辛口、「ピノ・グリ」と書かれていればアルザス風のコクのあるタイプ、という傾向があり、ほかの国の造り手もこの使い分けを意識してラベルに名前をつけることがあります。ドイツでは「グラウブルグンダー」や「ルーレンダー」とも呼ばれます。

イタリアのピノ・グリージョ

イタリアのピノ・グリージョは、北東部のヴェネト、フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア、トレンティーノ・アルト・アディジェで主に造られています。この3州にまたがる「デッレ・ヴェネツィエDOC」は2017年に認定された原産地呼称で、イタリアのピノ・グリージョの大部分がこの呼称で造られています。

ピノ・グリージョが世界的に知られるきっかけになったのは、1960年代の動きです。イタリアの生産者サンタ・マルゲリータが、1961年にピノ・グリージョを果皮の色が移らないように白ワインとして単一品種で仕込み、淡い色の爽やかなスタイルを打ち出しました。これがのちにアメリカなどで人気となり、「軽やかで飲みやすいイタリアの白」というピノ・グリージョのイメージが広まりました。

地域による違い

  • ヴェネト: 量が多く、すっきり軽やかで手ごろなものが中心
  • フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア: 果実味と厚みがあり、質の高いものが多い
  • アルト・アディジェ(南チロル): 山あいの冷涼な産地。香りが澄んでいて、酸が引き締まっている

ラマート(オレンジ色のピノ・グリージョ)

フリウリやヴェネトには、果皮をしばらく果汁に漬けて仕込み、銅色やオレンジ色を帯びたピノ・グリージョを造る伝統もあり、「ラマート(ramato=銅色)」と呼ばれます。色づいた果皮の成分が溶け込み、ほのかな渋みと香ばしさを持つ、個性的なワインです。オレンジワインに興味がある人は自然派ワインの記事もあわせてどうぞ。

フランス・アルザスやほかの国のピノ・グリ

フランスのアルザスでは、ピノ・グリはグラン・クリュに認められた品種のひとつです。熟したブドウから造られるアルザスのピノ・グリは、黄桃や蜂蜜、スモーキーな香りがあり、ふくよかでコクのある味わいになります。遅摘みの甘口や、貴腐ブドウの極甘口も造られます。かつてアルザスでは「トケイ」の名でも呼ばれていましたが、ハンガリーの甘口ワイン「トカイ」との混同を避けるため、この呼び名は使われなくなりました。

アメリカ・オレゴン州も、ピノ・グリの産地として知られています。オレゴンでは1960年代にピノ・グリが植えられ、いまでは州を代表する白ワインのひとつです。そのほかドイツ、ニュージーランド、オーストラリアなどでも造られています。

呼び名・産地 味わいの傾向 合うシーン
ピノ・グリージョ(イタリア) 軽やか、レモンや青りんご、すっきり辛口 普段の食卓、昼飲み、前菜
ピノ・グリ(アルザス) ふくよか、黄桃や蜂蜜、スモーキー 肉料理やクリーム系の料理
ピノ・グリ(オレゴンなど) 果実味がはっきり、中程度のコク 魚介や鶏肉の料理
ラマート 銅色、ほのかな渋みと香ばしさ 和食、スパイスを使った料理

合う料理

軽やかなピノ・グリージョは、料理の味を邪魔しない万能型の白ワインです。とくに次のような料理と合わせやすいでしょう。

  • 魚介のサラダ、カルパッチョ、白身魚のフリット
  • ボンゴレ・ビアンコやペペロンチーノなどオイル系のパスタ
  • アクアパッツァ、エビのグリル
  • 天ぷら、塩焼きの魚、冷ややっこなど、あっさりした和食

オイル系のパスタはもちろん、アクアパッツァのような魚介の料理にもよく合います。コクのあるアルザスのピノ・グリなら、豚肉や鶏肉のクリーム煮、きのこの料理などがおすすめです。パスタ全般の話はパスタの記事にまとめています。

飲み方と選び方

イタリアのピノ・グリージョは、8〜10度くらいによく冷やすと、爽やかさが引き立ちます。ふくよかなピノ・グリは、10〜12度くらいとやや高めにすると香りが開きます。

選ぶときは、まずラベルの名前と産地を見ます。すっきり飲みたいならイタリアのピノ・グリージョ、とくにフリウリやアルト・アディジェのものは香りと味わいにメリハリがあります。食事の主役になるような白がほしいときはアルザスのピノ・グリを選ぶとよいでしょう。白ワイン全体の選び方は白ワインの記事も参考にしてください。

まとめ

ピノ・グリージョは、ピノ・ノワールの変異から生まれた灰色がかった果皮のブドウで、フランスのピノ・グリと同じ品種です。イタリアのピノ・グリージョは軽やかですっきりした辛口が主流で、アルザスのピノ・グリはふくよかでコクのあるスタイル。同じブドウでも名前と産地でスタイルが変わるので、好みや料理に合わせて選んでみてください。

※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。

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