カサーレ・ヴェッキオとは?アブルッツォの赤の造り手・品種・味わい

カサーレ・ヴェッキオとは?アブルッツォの赤の造り手・品種・味わい ワイン

カサーレ・ヴェッキオとは、イタリア中部のアブルッツォ州で造られている赤ワインの銘柄です。品種はアブルッツォを代表する黒ブドウのモンテプルチアーノで、正式には「カサーレ・ヴェッキオ モンテプルチアーノ・ダブルッツォ DOC」といいます。造り手は、かつてファルネーゼの名で知られ、現在はファンティーニの名で展開しているワイン会社です。

ラベルの印象が強く、名前を覚えている人も多い一本ですが、どこの誰が、どんなブドウで造っているのかは意外と知られていません。ここでは、造り手、産地、品種、造り方、味わいと料理の合わせ方を順に整理します。

カサーレ・ヴェッキオの基本

「カサーレ・ヴェッキオ(Casale Vecchio)」はイタリア語で、「カサーレ」は田園の農家や屋敷、「ヴェッキオ」は古いという意味です。日本語にすると「古い農家」といった響きの名前で、田舎の素朴さを感じさせる名前です。

項目 内容
正式名 カサーレ・ヴェッキオ モンテプルチアーノ・ダブルッツォ DOC
造り手 ファンティーニ(旧ファルネーゼ・ヴィーニ)
国・州 イタリア・アブルッツォ州
タイプ 赤ワイン
品種 モンテプルチアーノ
原産地呼称 モンテプルチアーノ・ダブルッツォ DOC
熟成 アメリカンオークの小樽で約6か月
提供温度の目安 16〜18℃

表の内容は、造り手ファンティーニの公式サイトに掲載されている情報にもとづいています。ヴィンテージや出荷先の国によって細かな点が変わることもあるので、気になるときは手元のボトルのラベルも確認してください。

造り手:ファルネーゼからファンティーニへ

カサーレ・ヴェッキオを造っているのは、アブルッツォ州の港町オルトーナに本拠を置くワイン会社です。長くファルネーゼ・ヴィーニ(Farnese Vini)の名で知られてきましたが、現在は社名とブランドを「ファンティーニ(Fantini)」に改めています。古いボトルや以前の紹介記事で「ファルネーゼのカサーレ・ヴェッキオ」と書かれているのは、同じ造り手のことです。

ファンティーニのグループは、アブルッツォのほか、プーリア、シチリア、カンパーニャ、バジリカータ、トスカーナ、サルデーニャ、さらにスペインにもワイナリーを持っています。その中でカサーレ・ヴェッキオは、地元アブルッツォの「ファンティーニ」ブランドの一本として紹介されています。公式サイトの醸造家の欄には、リーノ・サンテウザーニオとフランチェスコ・デ・サンティスの名前が挙げられています。

産地と品種:アブルッツォのモンテプルチアーノ

アブルッツォ州はイタリア半島の中部、アドリア海側にある州です。海岸のすぐ近くまで高い山が迫る地形で、造り手は自らの土地を「ヨーロッパの緑の州」と呼び、山と海にはさまれた独特の気候をワイン造りの強みとしています。

公式サイトによると、カサーレ・ヴェッキオのブドウ畑は、アドリア海沿岸の町ロゼート・デッリ・アブルッツィの周辺にあります。生産地域としては、コロンネッラ、アンカラーノ、コントログエッラ、ロゼートといった州北部の町の名前が挙げられています。畑は南東向きで、粘土と石灰が混じった土壌に、垣根仕立て(ギュイヨ)と棚仕立て(ペルゴラ)の両方でブドウが育てられています。

品種のモンテプルチアーノは、アブルッツォでもっとも多く栽培されている黒ブドウです。色が濃く、果実味が豊かで、渋みもしっかりしたワインになりやすいのが特徴です。トスカーナ州の町「モンテプルチアーノ」の名を冠したワインとは別物で、こちらはブドウの名前である点に注意が必要です。この違いはモンテプルチアーノの記事で詳しく説明しています。

造り方と味わい

公式サイトの説明では、仕込みの段階で果汁の約10%を抜き取る工程があります。一般に、果汁の一部を抜くと皮との比率が上がり、色や味わいが濃くなりやすいとされます。酵母は造り手が選んだものを使い、発酵の初めは低い温度で進めて色のもとになるポリフェノールを抽出し、その後は27℃前後に温度を管理します。マロラクティック発酵を経て、アメリカンオークの小樽(バリック)で約6か月熟成させます。

色は濃いルビー色で、ふちにガーネットのような色合いが見られます。香りについて造り手は、熟した赤い果実、アマレット、マジパン、スパイスを挙げています。渋みははっきりしていますが、温かみがあり、なめらかにまとまったタイプとされています。アメリカンオーク由来の甘い香りと、モンテプルチアーノの果実味が重なった、親しみやすい濃さの赤ワインといえます。

渋みのある赤ワインの基本的な特徴や楽しみ方は、赤ワインの記事でもまとめています。

合う料理と飲み方

造り手がすすめる料理は、じっくり焼いた仔羊の骨付きロース、豚肉のラグーで和えたパッパルデッレ、ロースト料理、牛ヒレ肉のステーキなどです。どれも肉のうまみがしっかりした料理で、ワインの果実味と渋みがよく釣り合います。

家庭なら、ミートソースやラグーのパスタ、ハンバーグ、豚の肩ロースのグリルなどが合わせやすいでしょう。トマトと肉を煮込んだソースとの相性は、とくに試しやすい組み合わせです。ラグーの作り方やボロネーゼとの違いはラグーソースの記事で紹介しています。

提供温度の目安は16〜18℃です。冷えすぎると渋みが目立ちやすく、温かすぎるとアルコール感が強く出やすいので、夏場は飲む前に少しだけ冷蔵庫に入れるなど、温度を調整すると味わいがまとまります。

評価と受賞歴

ファンティーニの公式サイトには、カサーレ・ヴェッキオが受けた評価として、2023年のベルリーナー・ワイン・トロフィー金賞、2022年のジャパン・ワイン・チャレンジ銅賞、2022年のコリア・ワイン・チャレンジ金賞などが掲載されています。イタリアのワイン評論家ルカ・マローニの評価や、イタリア・ツーリングクラブのガイド『ヴィーニ・ブオーニ・ディターリア』での評価も紹介されています。受賞はヴィンテージごとのものなので、ボトルを選ぶ際の参考程度に考えるとよいでしょう。

まとめ

カサーレ・ヴェッキオは、アブルッツォ州の造り手ファンティーニ(旧ファルネーゼ)が造る、モンテプルチアーノ種の赤ワインです。アドリア海沿岸のロゼート・デッリ・アブルッツィ周辺の畑で育ったブドウを使い、アメリカンオークの樽で約6か月熟成させています。

熟した果実とアマレットのような甘い香り、しっかりした渋みが特徴で、ラグーのパスタや肉料理と合わせやすい一本です。日本での輸入元は時期によって変わることがあるため、購入時は裏ラベルの表示も確認してください。

※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。

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