ロバート・モンダヴィ(Robert Mondavi)とは、アメリカ・カリフォルニア州ナパ・ヴァレーで1966年に自身の名を冠したワイナリーを開き、カリフォルニアワインを世界に通用するものへと押し上げた人物、そしてそのワイナリーの名前です。樽熟成させたソーヴィニヨン・ブラン「フュメ・ブラン」や、ボルドーのムートン・ロートシルトと組んだ「オーパス・ワン」など、ワインの世界に大きな足跡を残しました。現在、ロバート・モンダヴィ・ワイナリーはオークヴィルのト・カロン畑を拠点に、さまざまなワインを造っています。
ロバート・モンダヴィという人
ロバート・モンダヴィは1913年、イタリア系移民の家庭に生まれました。一家はナパ・ヴァレーで、チャールズ・クリュッグ・ワイナリーを営んでおり、ロバートも若いころから家業のワイン造りに携わります。
その後、ロバートは家族との経営方針の違いから家業を離れ、1966年に自らのワイナリーを立ち上げました。めざしたのは、ヨーロッパの銘醸ワインと肩を並べるワインをナパで造ることです。ステンレスタンクによる温度管理、フランス産の小樽での熟成など、新しい技術と伝統的な手法を積極的に取り入れ、カリフォルニアのワイン造りに大きな影響を与えました。
ロバートは2008年5月、94歳で亡くなっています。ワイン造りだけでなく、ワインを食事や芸術とともに楽しむ文化を広めることにも力を注いだ人物として、今も語り継がれています。
ロバート・モンダヴィ・ワイナリーの基本
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 創業 | 1966年 |
| 所在地 | アメリカ・カリフォルニア州ナパ・ヴァレー、オークヴィル |
| 中心となる畑 | ト・カロン畑 |
| 代表的なワイン | カベルネ・ソーヴィニヨン、フュメ・ブラン |
| 現在の所有 | 2004年にコンステレーション・ブランズが買収 |
ワイナリーは2004年に大手ワイン会社のコンステレーション・ブランズに買収され、現在は同社のもとで運営されています。
ト・カロン畑
ロバート・モンダヴィがワイナリーの拠点に選んだのが、オークヴィルにあるト・カロン畑です。「ト・カロン」は古代ギリシャ語で「美しいもの」といった意味を持つ言葉で、19世紀にこの土地でブドウ栽培を始めた人物が名付けたとされます。
ト・カロン畑は、ナパ・ヴァレーの中でもカベルネ・ソーヴィニヨンの銘醸畑として名高く、ロバート・モンダヴィの上級キュヴェのカベルネ・ソーヴィニヨンや、リザーヴのフュメ・ブランなどに、この畑のブドウが使われています。品種についてはカベルネ・ソーヴィニヨンの記事を参考にしてください。
フュメ・ブランとオーパス・ワン
ロバート・モンダヴィの功績としてよく挙げられるのが、「フュメ・ブラン」という名前のワインです。当時のカリフォルニアでは、ソーヴィニヨン・ブランは評価の低い品種と見られていました。そこでロバートは、樽で熟成させた辛口のソーヴィニヨン・ブランに、フランス・ロワール地方のプイィ・フュメを思わせる「フュメ・ブラン」という名前を付けて売り出し、この品種の評価を大きく変えました。
もうひとつの大きな仕事が、ボルドーのシャトー・ムートン・ロートシルトのフィリップ・ド・ロートシルト男爵と組んで生み出したオーパス・ワンです。1980年に合弁が発表され、1979年ヴィンテージが最初のワインになりました。ボルドーの名門とカリフォルニアの生産者が手を組んだこの試みは、カリフォルニアワインの評価を世界に印象づけるものとなりました(オーパス・ワンの記事)。
| 功績 | 内容 |
|---|---|
| ワイナリー創業 | 1966年、ナパ・ヴァレーのオークヴィルに |
| フュメ・ブラン | 樽熟成の辛口ソーヴィニヨン・ブランを広めた |
| オーパス・ワン | フィリップ・ド・ロートシルト男爵との合弁で誕生 |
| 技術の導入 | 温度管理した発酵やフランス産小樽での熟成などを積極的に取り入れた |
ワインの選び方
ロバート・モンダヴィの名前が付いたワインには、ナパ・ヴァレーのワイナリーで造る本格的なものから、日常向けの手ごろなシリーズまで、幅広いラインナップがあります。選ぶときは、ラベルの産地表示を確認するとわかりやすいでしょう。
- ナパ・ヴァレーやオークヴィル、ト・カロンの表示があるもの:ワイナリーの本拠地のブドウで造る本格派
- カリフォルニアなど、より広い産地の表示のもの:手ごろで日常的に楽しめるシリーズ
- 白なら、ロバート・モンダヴィの代名詞ともいえるフュメ・ブラン
- 赤なら、ナパ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨン
カベルネ・ソーヴィニヨンは、ステーキやハンバーグなどの肉料理と、フュメ・ブランは、鶏肉のソテーや白身魚、クリームソースのパスタ(クリームパスタの作り方)などと合わせやすいワインです。白ワイン全体については白ワインの記事もどうぞ。
モンダヴィ家とナパ・ヴァレー
モンダヴィ家とナパ・ヴァレーの関わりは、ロバートの父チェーザレ・モンダヴィが1943年にチャールズ・クリュッグ・ワイナリーを買い取ったことから深まりました。チャールズ・クリュッグは、19世紀に創業したナパでも古いワイナリーです。ロバートが独立したあとは、弟のピーター・モンダヴィがこのワイナリーを率い、101歳まで長生きしたことでも知られています。
兄弟がそれぞれ別のワイナリーでナパのワイン造りを支えたことで、モンダヴィの名前はナパ・ヴァレーの歴史と切り離せないものになりました。ロバートの子どもたちも、のちにそれぞれワイン造りの道に進んでいます。ナパ・ヴァレーの赤ワインの基本は赤ワインの記事も参考にしてください。
まとめ
ロバート・モンダヴィは、1966年にナパ・ヴァレーのオークヴィルでワイナリーを開き、カリフォルニアワインを世界水準へと導いた生産者です。ト・カロン畑のカベルネ・ソーヴィニヨン、樽熟成のフュメ・ブラン、ムートンと組んだオーパス・ワンなど、数々の功績を残しました。本格派のナパ・ヴァレーのものから日常向けのシリーズまで、目的に合わせて選んでみてください。
※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。



コメント