パン1斤とは、食パンの量をあらわす単位で、袋入りで売られる包装食パンでは「1斤は340g以上」と業界のルールで決められています。つまり、スーパーで「1斤」と書かれた食パンは、少なくとも340gあるということです。一方、尺貫法の「1斤」は約600gなので、パンの斤とは別のものと考えてください。
食パン1斤は340g以上という決まり
包装食パンの重さの表示は、パンの業界団体が定めた「包装食パンの表示に関する公正競争規約」によって決められています。この規約では、1斤を340gとして換算し、1個が340g以上の食パンは「1斤」と表示できるとしています。
この斤の表示は、もともと任意でしたが、2012年(平成24年)5月31日から必ず表示する項目に変わりました。あわせて「1斤は340g以上です。」のように、最低限の重さを保証する言葉を添えることになっています。袋の表や一括表示の近くを見ると、この一文が見つかるはずです。
1斤に満たない食パンや、1斤より大きい食パンも、340gを基準に換算して表示します。
| 1個あたりの重さ | 表示の例 |
|---|---|
| 510g以上 | 1.5斤 |
| 340g以上 | 1斤 |
| 306g以上 | 9/10斤(0.9斤) |
| 255g以上 | 3/4斤(0.75斤) |
| 170g以上 | 半斤(1/2斤、0.5斤) |
このルールは、主に袋に入れて販売される包装食パンについてのものです。街のパン屋さんが店頭で焼いて売る食パンは、型の大きさや配合が店ごとに違い、「1斤」でも重さはまちまちです。気になるときは、お店で聞いてみるのがいちばん確実です。
なぜパンだけ「斤」で数えるの?
斤は、もともと中国から伝わった重さの単位で、日本の尺貫法では1斤=160匁、約600gとされてきました。ところが食パンの1斤は340gと、ずいぶん軽くなっています。
これは、明治時代にイギリス式の食パンが広まった際、パンをポンド(約450g)単位で売っていたことに関係するといわれています。ポンドに近い重さを「斤」と呼ぶようになり、その呼び名が食パンの単位として残った、という説明が一般的です。その後、実際に売られる食パンの重さは時代とともに変わり、現在は規約で340g以上と定められています。
つまり、パンの「斤」は重さの単位というより、「食パン1本ぶんの目安」として受け継がれてきた言葉と考えるとわかりやすいでしょう。日本のパンの歩みについては、日本のパンの歴史で詳しく紹介しています。
1斤は何枚切り?スライスの目安
スーパーの食パンは、1斤を4枚、5枚、6枚、8枚などにスライスして売られています。1斤が340g以上なので、1枚あたりのおおよその重さは次のように計算できます。
| 枚数 | 1枚あたりの重さ(340gで計算) | 向いている食べ方 |
|---|---|---|
| 4枚切り | 約85g | 厚切りトースト、ピザトースト |
| 5枚切り | 約68g | トースト、フレンチトースト |
| 6枚切り | 約57g | トースト、ホットサンド |
| 8枚切り | 約43g | サンドイッチ |
| 10〜12枚切り | 約28〜34g | 薄いサンドイッチ、ロールサンド |
実際の食パンは340gより少し重く作られていることが多く、耳の部分の切り落としもあるので、表の数字は目安です。正確な量が必要なときは、パッケージの栄養成分表示(1枚あたり、または100gあたり)を確認してください。
1.5斤・2斤・3斤の食パン
パン屋さんやホームベーカリーでは、1斤より大きなサイズもよく見かけます。
- 1.5斤:ホームベーカリーの大きめのコースでよくあるサイズ。家族で食べる分に便利
- 2斤:パン屋さんで「2斤食パン」として売られることがある。必要な分だけ切ってもらうこともできる
- 3斤:長い型で焼いた「3斤棒」。パン屋さんで1斤ずつ切り分けて売るときの元の形
家庭でパンを焼くときの「1斤型」も、メーカーや製品によって寸法が少しずつ違います。レシピの「1斤分」は、手持ちの型の容量に合わせて調整するのが無難です。山型と角型(ふたをして焼く型)でも、同じ生地量で仕上がりの高さが変わります。
1斤を食べきれないときは
1斤の食パンを数日で食べきれない場合は、冷蔵庫ではなく冷凍がおすすめです。冷蔵庫の温度帯はパンのでんぷんが硬くなりやすく、かえってパサつきの原因になります。1枚ずつラップで包んで冷凍しておけば、凍ったままトーストできます。保存の詳しいやり方はパンの冷凍保存と食パンを冷蔵庫に入れてはいけない理由にまとめました。
少し硬くなった食パンは、パン粉にしたり、ラスクやフレンチトーストにしたりすると、最後までおいしく使えます。
パン1斤についてよくある疑問
半斤とは何グラム?
半斤は1斤の半分で、規約の換算では170g以上の食パンが「半斤(1/2斤、0.5斤)」と表示されます。少人数の家庭向けに、半斤サイズや、さらに少ない枚数で袋詰めした食パンも売られています。食べきれる量を選ぶことが、おいしく食べるいちばんの近道です。
パン屋さんの1斤はスーパーの1斤より大きい?
パン屋さんの食パンは、店ごとに型の大きさや生地の配合が違うため、同じ「1斤」でも重さや大きさは一定ではありません。生地をたっぷり使ってふんわり高く焼き上げる食パンもあれば、しっかり詰まった重めの食パンもあります。重さで比べたいときは、値札やお店の説明を確認するか、お店の人に尋ねてみてください。
1斤のカロリーや糖質はどれくらい?
食パンのエネルギーや糖質は、配合(砂糖やバター、牛乳の量)や製品によって変わります。包装食パンなら、袋の栄養成分表示に「1枚あたり」または「100gあたり」の数値が書かれているので、それを見るのが確実です。100gあたりの表示なら、1斤ぶんはおよそ3.4倍以上と考えると計算しやすくなります。
レシピの「食パン1斤分の生地」はどれくらい?
パン作りのレシピでいう「1斤分」は、1斤型で焼くのに合う生地量のことで、焼き上がりの重さとは別です。粉の量でいうと、200〜300g程度を使うレシピが多く見られますが、型の容量や山型か角型かで変わります。手持ちの型に合わせて、レシピの指定を確認してください。
まとめ
パン1斤は、包装食パンでは「340g以上」と公正競争規約で決められていて、2012年からは斤の表示と「1斤は340g以上です。」のような保証の表示が必須になっています。尺貫法の1斤(約600g)とは別もので、明治期にイギリス式のパンが広まったことに由来するといわれます。6枚切りなら1枚約57gが目安です。パン屋さんの食パンは店ごとに重さが違うので、必要なら確認してから買いましょう。



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