シャトー・ラグランジュ(Château Lagrange)とは、フランス・ボルドー地方メドック地区のサン・ジュリアン村にある、1855年格付け第3級のシャトーです。1983年に日本のサントリーが買い取り、畑と醸造所に大規模な投資を行って品質を立て直したことで知られています。日本企業がメドックの格付けシャトーを手がける例として、日本でもなじみの深いボルドーワインです。
シャトー・ラグランジュの基本
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | フランス・ボルドー、メドック地区サン・ジュリアン村 |
| 格付け | 1855年メドック格付け 第3級 |
| ブドウ畑 | 約118ヘクタール |
| 主な品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン主体、メルロなど |
| セカンドワイン | レ・フィエフ・ド・ラグランジュ |
| 白ワイン | レ・ザリュム・ド・ラグランジュ(1997年から) |
| 所有 | サントリー(1983年から) |
サン・ジュリアン村は、北のポイヤック村と南のマルゴー村の間にある村で、格付けシャトーの割合が高く、バランスのとれた上品なワインを生む村として知られています。メドック地区についてはメドックの記事にまとめています。
サントリーによる再生
ラグランジュは格付け第3級という名門でありながら、20世紀の半ばには畑や設備の手入れが行き届かず、評価を落としていた時期がありました。そうした中、1983年にサントリーが買い取り、同年11月にフランス政府の承認を得て、新しい歩みが始まります。
サントリーのもとでは、ブドウの植え替えをはじめとする畑の整備、醸造所や貯蔵庫の刷新など、長い時間をかけた投資が続けられました。ブドウの区画ごとの特徴を見極め、良いものだけをグラン・ヴァンに使うという考え方も取り入れられています。こうした取り組みによって、ラグランジュはふたたび格付けシャトーにふさわしい評価を取り戻していきました。
当時、日本企業がボルドーの格付けシャトーを手に入れることは大きな話題となり、日本のワインファンにとってもボルドーを身近に感じるきっかけのひとつになりました。日本のワイン造りについては日本ワインの記事もどうぞ。
ラグランジュの味わい
ラグランジュは、カベルネ・ソーヴィニヨンを主体に、メルロなどを加えて造られる赤ワインです。カシスやブラックベリーなどの黒い果実の香りに、杉やスパイス、ほのかな樽の香りが重なり、しっかりしたタンニンと上品な酸を持つ、サン・ジュリアンらしいバランスのよい味わいとして語られます。
若いうちは果実味と渋みがはっきりしていて、熟成とともにまろやかになり、腐葉土やたばこのような複雑な香りが出てきます。格付けシャトーの中では比較的手の届きやすい価格帯にあることが多く、本格的なメドックのワインを知る入り口としてもよく挙げられます。品種についてはカベルネ・ソーヴィニヨンの記事を参考にしてください。
セカンドワインと白ワイン
ラグランジュでは、グラン・ヴァンのほかに、セカンドワインと白ワインも造っています。
| ワイン | タイプ | 特徴 |
|---|---|---|
| シャトー・ラグランジュ | 赤 | グラン・ヴァン。サン・ジュリアンの格付け第3級 |
| レ・フィエフ・ド・ラグランジュ | 赤 | セカンドワイン。早くからやわらかく楽しめる |
| レ・ザリュム・ド・ラグランジュ | 白 | 1997年から。ソーヴィニヨン・ブラン主体に、セミヨン、ソーヴィニヨン・グリを使う。アペラシオンはボルドー |
レ・フィエフ・ド・ラグランジュは、グラン・ヴァンより手ごろで、日常の少し特別な食卓に合わせやすいワインです。白のレ・ザリュム・ド・ラグランジュは、樽で発酵させたふくよかな辛口で、柑橘や白桃、バニラを思わせる香りを持つと紹介されています。メドックの赤ワインの印象が強いシャトーですが、白ワインも見逃せません。
選び方と楽しみ方
ラグランジュを選ぶときの考え方をまとめると、次のようになります。
- 気軽に楽しむなら、セカンドワインのレ・フィエフ・ド・ラグランジュ
- 贈り物や記念日には、グラン・ヴァンのシャトー・ラグランジュ(ワインギフトの記事)
- 魚料理や前菜と合わせるなら、白のレ・ザリュム・ド・ラグランジュ
- 熟成した味わいを楽しみたいなら、10年以上たったヴィンテージを探す
赤は16〜18℃くらいで、牛肉のステーキや仔羊のロースト、ハンバーグなどの肉料理と合わせるのが定番です。日本の食卓なら、すき焼きや照り焼きのような、甘辛い味付けの肉料理とも合わせやすいでしょう。白は10℃前後に冷やして、鶏肉のクリーム煮や白身魚のムニエルなどと一緒にどうぞ。
まとめ
シャトー・ラグランジュは、メドック地区サン・ジュリアン村の格付け第3級シャトーで、1983年からサントリーが所有しています。長い時間をかけた畑と醸造所への投資によって評価を取り戻し、カベルネ・ソーヴィニヨン主体のバランスのよい赤を造っています。セカンドのレ・フィエフ・ド・ラグランジュや白のレ・ザリュム・ド・ラグランジュとあわせて、日本とゆかりの深いボルドーワインとして楽しんでみてください。
※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。



コメント