ワインボトルには、いかり肩のボルドー型、なで肩のブルゴーニュ型、細長いフルート型(ライン・モーゼル型)など、産地の伝統に根ざした形があります。容量は750mlが標準で、375mlのハーフボトル、1.5Lのマグナムなど、大きさごとに呼び名がついています。形や色、容量を知っておくと、ラベルを読む前にワインのおおよその素性が見えてきます。
ワインボトルの主な形
ワインボトルの形は、もともと各産地で使われてきた伝統的な瓶に由来します。いまでは世界中の産地がこれらの形を使っており、「この品種ならこの形」という慣習もある程度共有されています。
| 形 | 見た目の特徴 | 主に使われるワイン |
|---|---|---|
| ボルドー型 | 胴がまっすぐで、肩がはっきり張った「いかり肩」 | ボルドー、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ソーヴィニヨン・ブランなど |
| ブルゴーニュ型 | 胴がふっくらして、肩がなだらかな「なで肩」 | ブルゴーニュ、ピノ・ノワール、シャルドネ、ローヌのワインなど |
| フルート型(ライン・モーゼル型) | 細長く背が高い、すらりとした形 | ドイツ、アルザス、リースリング、ゲヴュルツトラミネールなど |
| シャンパーニュ型 | なで肩で、ガラスが厚く重い。底のくぼみが深い | シャンパーニュなどのスパークリングワイン |
| ボックスボイテル | 平たい円盤のような丸い形 | ドイツ・フランケン地方のワインなど |
ボルドー型
はっきりした肩は、グラスに注ぐときに瓶の底にたまった澱(おり)を引っかけ、グラスに入りにくくするためといわれています。長期熟成させる赤ワインが多いボルドーらしい形です。ボルドーだけでなく、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローなど、ボルドー系の品種を使ったワインに世界中で広く使われています。
ブルゴーニュ型
なだらかな肩と、ずんぐりした胴が特徴です。ブルゴーニュの主要品種であるピノ・ノワールやシャルドネのワインは、産地を問わずこの形の瓶に詰められることがよくあります。
フルート型
ドイツのライン川やモーゼル川流域で使われてきた細長い瓶で、アルザスでも使われます。ドイツでは伝統的に、ライン地方は茶色、モーゼル地方は緑色の瓶が使われてきました。
シャンパーニュ型
瓶内に炭酸ガスの強い圧力がかかるため、ガラスが厚く丈夫に作られています。底の大きなくぼみも、圧力に耐える強度を高める役割があります。泡のワインについてはスパークリングワインの記事を参照してください。
ボトルの色の意味
ワインボトルには、緑色や茶色の瓶が多く使われます。これは、ワインが光に弱く、紫外線などで香りや味わいが傷みやすいためです。色の濃い瓶は光をさえぎり、品質を守る役目を果たしています。
一方、ロゼワインや一部の白ワイン、甘口ワインなどは、美しい色を見せるために透明な瓶が使われることがあります。透明な瓶のワインは光の影響を受けやすいので、保存するときは特に日の当たらない場所に置くよう気をつけましょう。
ボトルの容量と呼び名
ワインボトルの標準的な容量は750mlで、グラスに注ぐとおよそ6杯分です。これより小さいものや大きいものには、それぞれ呼び名があります。大きなボトルの呼び名には、聖書などに登場する王や人物の名前が使われているものが多いのも特徴です。
| 容量 | 呼び名(シャンパーニュでの例) | 標準ボトルの何本分 |
|---|---|---|
| 187.5ml前後 | クォーター(ピッコロ) | 4分の1本 |
| 375ml | ハーフボトル(ドゥミ) | 2分の1本 |
| 750ml | フルボトル(ブテイユ) | 1本 |
| 1.5L | マグナム | 2本 |
| 3L | ジェロボアム | 4本 |
| 4.5L | レオボアム | 6本 |
| 6L | マチュザレム | 8本 |
| 9L | サルマナザール | 12本 |
| 12L | バルタザール | 16本 |
| 15L | ナビュコドノゾール | 20本 |
呼び名は産地によって異なることがあり、たとえばボルドーでは3Lのボトルを「ダブル・マグナム」、6Lのボトルを「アンペリアル」と呼びます。同じ名前でも産地によって容量が違う場合があるので、大きなボトルを買うときは容量の表示を確認すると確実です。
マグナムが好まれる理由
マグナムボトルは、ワインの量に対して瓶の中の空気に触れる割合が小さく、熟成がゆっくり穏やかに進むといわれます。そのため、長期熟成させたいワインや、大人数のパーティー、お祝いの席で好まれます。見た目にも華やかなので、贈り物にも選ばれます。
そのほかの容量
産地や種類によっては、独特の容量の瓶もあります。ハンガリーのトカイの甘口ワインには500mlの瓶がよく使われ、フランス・ジュラ地方の「ヴァン・ジョーヌ」には620mlの「クラヴラン」という専用の瓶が使われます。日本では、720mlや一升瓶(1.8L)に詰めたワインが造られることもあります。
瓶の底のくぼみと栓
ワインボトルの底にある円すい形のくぼみは「パント」と呼ばれます。瓶の強度を高める、澱をくぼみの周りにためる、瓶を立てたときに安定させるなどの役割があるとされ、その由来には諸説あります。くぼみが深いほど高級なワインという俗説もありますが、品質とは関係ありません。
栓には、天然コルク、合成コルク、スクリューキャップなどがあります。かつてはスクリューキャップは安価なワインのものというイメージがありましたが、現在ではオーストラリアやニュージーランドを中心に、高品質なワインにも広く使われています。コルク栓のワインは、コルクの乾燥を防ぐため横に寝かせて保存するのが基本です。
空き瓶の扱い
飲み終えたワインボトルは、各自治体の分別ルールに従ってリサイクルに出しましょう。中をすすぎ、キャップやコルクは外して分別するのが一般的です。デザインの美しい瓶は、一輪挿しやオイル・ドレッシングの容器として再利用する方もいます。ガラスが厚く重い瓶もあるので、割れないよう扱いには注意してください。
まとめ
ワインボトルには、ボルドー型、ブルゴーニュ型、フルート型、シャンパーニュ型など、産地の伝統に由来する形があり、品種や産地を推測する手がかりになります。容量は750mlが標準で、ハーフボトルやマグナムなど大きさごとに呼び名があり、大型ボトルの名前は産地によって異なることもあります。瓶の色や形、栓の種類にもそれぞれ理由があるので、ワインを選ぶときにボトルにも目を向けてみてください。ワインの種類はワインの基礎知識で紹介しています。
※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。



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