赤ワインとは?特徴と造り方、主な品種、合う料理とおいしい温度

赤ワインとは?特徴と造り方、主な品種、合う料理とおいしい温度 ワイン

赤ワインとは、黒ブドウを果皮や種ごと発酵させて造るワインです。果皮から溶け出す色素で赤や紫の色がつき、同時に渋みのもとになるタンニンも引き出されるため、白ワインにはない渋みとコクを持つのが特徴です。ここでは赤ワインの造り方、味わいの違い、代表的な品種、合う料理、おいしく飲める温度を順に紹介します。

赤ワインの特徴と造り方

赤ワインの原料は、果皮が黒や濃い紫色をした「黒ブドウ」です。黒ブドウの多くは果肉や果汁そのものはほぼ無色で、色はすべて果皮にあります。そのため赤ワインは、潰したブドウを果皮や種と一緒にタンクに入れたまま発酵させ、その間に色・渋み・香りを果汁へ移していきます。この工程を「醸し(マセラシオン)」と呼びます。

おおまかな流れは次のとおりです。

  1. 収穫したブドウの梗(房の軸)を取り除き、軽く潰す
  2. 果皮や種ごとタンクに入れてアルコール発酵させる。浮き上がった果皮を沈めたり、液体をかけ流したりして成分を引き出す
  3. 発酵後に搾って液体と固形分を分ける
  4. 多くの赤ワインは、乳酸菌の働きでリンゴ酸を穏やかな乳酸に変える「マロラクティック発酵」を経て、角の取れた酸味になる
  5. タンクや樽で熟成させ、瓶詰めする

醸しの期間を長くすると色が濃く渋みの強いワインに、短くすると軽やかなワインになります。樽で熟成させるとバニラやトーストのような香りが加わり、渋みもなめらかになります。

味わいの違いとボディ

赤ワインの味わいは、軽やかなものから重厚なものまで幅広く、よく「ライトボディ」「ミディアムボディ」「フルボディ」という言葉で表されます。ボディを決めるのは主にアルコール度数、渋み、果実のエキス分などです。

一般に、日照に恵まれた暖かい産地のワインは果実が完熟しやすく、色が濃くアルコールも高めで力強い味わいになります。冷涼な産地のワインは酸がいきいきとして、色も淡く繊細な味わいになる傾向があります。同じ品種でも産地が変わると印象が大きく変わるのは、このためです。

赤ワインの主なブドウ品種

赤ワインの個性をつかむには、品種を知るのが近道です。よく見かける品種を、味わいの傾向とあわせてまとめます。

品種 主な産地 味わいの傾向
カベルネ・ソーヴィニヨン ボルドー、カリフォルニア、チリ 色が濃く渋みしっかり。カシスや杉のような香り
メルロー ボルドー右岸、日本(長野) まろやかで果実味豊か。渋みは穏やか
ピノ・ノワール ブルゴーニュ、ニュージーランド、オレゴン 淡い色で酸がきれい。赤い果実や花の香り
シラー(シラーズ) 北ローヌ、オーストラリア 黒胡椒のようなスパイス感と力強さ
サンジョヴェーゼ イタリア・トスカーナ 酸がしっかりしてトマト料理と好相性
テンプラニーリョ スペイン(リオハなど) 熟成向きで、樽由来の香りとよくなじむ
マルベック アルゼンチン、フランス南西部 濃い色と豊かな果実味

それぞれの品種はカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ピノ・ノワール、シラーの記事で詳しく紹介しています。ボルドーのように複数の品種をブレンドして造る産地も多く、ブレンドによって味わいのバランスが整えられます。

日本生まれの赤ワイン用品種

日本の赤ワインで広く使われているのが、マスカット・ベーリーAです。新潟県の岩の原葡萄園を開いた川上善兵衛が、アメリカ系のベーリーとヨーロッパ系のマスカット・ハンブルグを交配して生み出した品種で、イチゴキャンディーのような甘い香りと穏やかな渋みが特徴です。軽やかな味わいのものが多く、醤油やみりんを使った和食とも合わせやすい赤ワインになります。日本の気候に合わせて育てられてきた品種なので、国産の赤ワインを試すときの入口としてもおすすめです。

赤ワインに合う料理

赤ワインの渋みは、肉の脂やたんぱく質と合わさると和らぎ、口の中をさっぱりさせてくれます。そのため、赤身の肉料理と合わせるのが定番です。とはいえ重さを合わせることが大切で、軽い赤には軽い料理、重い赤にはしっかりした料理を組み合わせると失敗しにくくなります。

  • ライトボディ(ピノ・ノワール、ガメイなど):鶏肉や豚肉のソテー、生ハム、鮪や鰹など赤身の魚、きのこ料理
  • ミディアムボディ(メルロー、サンジョヴェーゼなど):ハンバーグ、トマトソースのパスタ、ミートソース、焼き鳥のたれ
  • フルボディ(カベルネ・ソーヴィニヨン、シラーなど):ステーキ、ローストビーフ、牛肉の煮込み、熟成したハードチーズ

和食では、すき焼きや肉じゃがのように甘辛い味付けの料理が、果実味のある赤とよく合います。一方、生の白身魚や魚卵と渋みの強い赤を合わせると、生臭さが強調されることがあるので注意が必要です。トマトを使った料理なら、トマトソースパスタにイタリアの赤を合わせると、酸味同士がなじみます。

おいしく飲める温度

赤ワインは「常温で飲む」と言われますが、ここでいう常温はヨーロッパの涼しい室温のことで、日本の夏の室温では高すぎます。温度が高すぎるとアルコール感が目立ち、低すぎると渋みが強く香りが閉じてしまいます。目安は次のとおりです。

タイプ 温度の目安
ライトボディ 12〜14℃前後
ミディアムボディ 14〜16℃前後
フルボディ 16〜18℃前後

家庭では、夏なら飲む30分ほど前に冷蔵庫へ入れる、冬なら室温に置いておくくらいで十分です。グラスに注いでから少しずつ温度が上がり、香りが開いていく変化も赤ワインの楽しみのひとつです。

赤ワインの保存

未開封の赤ワインは、直射日光が当たらず温度変化の少ない場所で、コルク栓のものは横に寝かせて保存します。開封後は栓をし直して冷蔵庫に入れれば、数日は楽しめるものが多いです。ただし空気に触れると少しずつ酸化が進むため、果実の香りが薄れてきたら煮込み料理やソースに使うのもよい方法です。

開けてから時間がたったワインは、牛すじや鶏もも肉の赤ワイン煮、ハヤシライス、ミートソースなどに使えば最後までおいしく使い切れます。煮詰めるとアルコールが飛び、果実の風味とコクが料理に移ります。

まとめ

赤ワインは黒ブドウを果皮ごと発酵させて造り、色と渋みとコクを持つワインです。品種と産地で味わいの重さが変わるので、料理の重さに合わせて選ぶのが基本になります。温度は日本の室温より少し低め、夏場は軽く冷やしてから楽しむと、香りと味わいのバランスがよくなります。ワイン全体の基本はワインの基礎知識にまとめています。

※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。

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