エーデルワインとは、岩手県花巻市大迫町(おおはさままち)にあるワインメーカー「株式会社エーデルワイン」と、そのワインのことです。1962年に地元の町と農協が出資して始めたワイン造りがもとになっており、大迫を中心とした岩手県産のブドウでワインを造っています。名前は、早池峰山(はやちねさん)に咲く高山植物と、アルプスのエーデルワイスにちなんだものです。
エーデルワインの成り立ち
大迫町は、岩手県のほぼ中央、早池峰山のふもとにある町です。冷涼な山あいの土地で、ブドウの栽培が行われています。
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1962年 | 大迫町と大迫農協の出資で「岩手ぶどう酒醸造合資会社」を設立し、醸造を始める |
| 1963年 | 商品名を「エーデルワイン」とし、赤ワインの販売を始める |
| 1974年 | 株式会社エーデルワインを設立 |
| 1975年 | 岩手ぶどう酒醸造合資会社を吸収合併し、新工場が完成 |
| 1981年 | 職員をオーストリアへ留学させる |
| 1988年 | ホットワインの製造・販売を始める |
| 1990年 | オーストリアワインの直輸入販売を始める |
| 2016年 | 「ワインシャトー大迫」にテイスティングルームを開設 |
現在も、花巻市や農協などが主な株主となっており、地域とともに歩んできたワインメーカーです。
名前の由来とオーストリアとの縁
早池峰山には、ハヤチネウスユキソウという高山植物が咲きます。この花は、アルプスに咲くエーデルワイス(セイヨウウスユキソウ)と「姉妹花」とされていることから、ワインの名前を「エーデルワイン」としました。
この花の縁をきっかけに、大迫町は1965年にエーデルワイスの国、オーストリアのベルンドルフ市と姉妹都市になりました。エーデルワインは職員をオーストリアに留学させ、ワイン造りを学ばせたほか、オーストリアワインの輸入販売も行っています。オーストリアで多く育てられている黒ブドウのツヴァイゲルトレーベをはじめ、ワイン造りにはオーストリアとのつながりが息づいています。
代表的なワイン
エーデルワインは、大迫を中心とした岩手県産のブドウだけでワインを造る「産地主義」を大切にしています。代表的な銘柄には次のようなものがあります。
- 五月長根葡萄園(さつきながねぶどうえん):畑の名を冠したワイン。
- ハヤチネゼーレ:早池峰山の名を冠したシリーズ。「ゼーレ」はドイツ語で「魂」を意味します。
- シルバーラベル:定番のシリーズのひとつ。2012年には「シルバー ツヴァイゲルトレーベ 2009」が国産ワインコンクールで金賞を受賞しました。
- 月のセレナーデ:1996年に発売された甘口の赤ワイン。
このほか、スパークリングワインやロゼワイン、りんごを使った発泡性のお酒なども造っています。最初の赤ワインはキャンベル・アーリーという品種で造られたもので、ヨーロッパ系品種と日本で親しまれてきたブドウの両方を使い分けているのも特徴です。
国内ではめずらしいホットワイン
エーデルワインは、1988年からホットワインを製造・販売しています。冬の寒さが厳しい岩手らしい商品で、温めて飲むことを前提に造られたワインは、国内ではあまり多くありません。
ヨーロッパの冬に飲まれるグリューワインと同じように、温めることでスパイスや果実の香りが立ち、体が温まる飲みものです。グリューワインの文化や家庭での作り方はグリューワインとはで紹介しています。温めるときは沸騰させないのがおいしく飲むコツです。
大迫を訪ねるなら
大迫町には、ワインの試飲ができる施設や、ワイナリーの直売所があります。早池峰山の自然や、ブドウ畑の広がる景色とあわせて楽しむことができます。施設の営業日や時間、試飲の内容は変わることがあるので、訪れる前に公式サイトで確かめてください。
岩手のワインは、冷涼な気候を生かした、酸のきれいな味わいのものが多いといわれます。岩手の郷土料理や、魚介、きのこの料理と合わせてみるのもおすすめです(ワインのマリアージュ)。
大迫町は花巻市の中心部から車で向かう山あいにあります。東北新幹線の新花巻駅や、花巻空港を起点に、温泉地の花巻とあわせて訪ねる人もいます。試飲をする場合は、運転をしない計画を立てておきましょう。
まとめ
エーデルワインは、1962年に大迫町と農協が始めた醸造から続く、岩手県花巻市大迫町のワインメーカーです。早池峰山のハヤチネウスユキソウとエーデルワイスの縁から生まれた名前のとおり、オーストリアとの交流を大切にし、岩手県産のブドウでワインを造っています。五月長根葡萄園やハヤチネゼーレ、冬のホットワインなど、土地の個性を感じるワインを味わってみてください。日本各地のワイン産地については日本ワインとはもどうぞ。
※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。



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