シャトー・メルシャンとは?メルシャンのワインの歴史と3つのワイナリー

シャトー・メルシャンとは?メルシャンのワインの歴史と3つのワイナリー 食文化

シャトー・メルシャンとは、キリンホールディングス傘下のワインメーカー、メルシャン株式会社が手がける日本ワインのブランドです。日本で育てたブドウだけを使い、山梨県の勝沼、長野県の桔梗ヶ原と椀子(まりこ)の3つのワイナリーを拠点にワインを造っています。そのルーツは、1877年(明治10年)に山梨県に生まれた日本初の民間ワイン会社にまでさかのぼります。

メルシャンとシャトー・メルシャンの違い

「メルシャン ワイン」と検索すると、スーパーなどで見かける手ごろなワインから、ワイン専門店に並ぶ日本ワインまで、さまざまな商品が出てきます。メルシャンは日本の大手ワインメーカーで、輸入ワインの販売や、輸入原料を使った国内製造のデイリーワインなど幅広い商品を扱っています。

その中で、日本のブドウだけを使った上級の日本ワインのブランドが「シャトー・メルシャン」です。同じメルシャンの商品でも、シャトー・メルシャンは産地や畑にこだわったワインのシリーズ、と考えるとわかりやすいでしょう。日本ワインと国内製造ワインの違いは日本ワインとはで説明しています。

シャトー・メルシャンの歴史

年 できごと
1877年 山梨県に「大日本山梨葡萄酒会社」が設立される。高野正誠と土屋龍憲がフランスへ派遣され、ブドウ栽培とワイン醸造を学ぶ
1879年 2人が帰国し、本格的なワイン造りが始まる
1949年 「メルシャン(当時の表記はメルシヤン)」のブランドが誕生
1970年 「シャトー・メルシャン」シリーズが誕生
1976年 長野県塩尻市の桔梗ヶ原で、メルロへの植え替えが始まる
1989年 「信州桔梗ヶ原メルロー 1985」が国際ワインコンクールで大金賞を受賞
2003年 長野県上田市に椀子ヴィンヤードを開く
2018年 桔梗ヶ原ワイナリーが開設
2019年 椀子ワイナリーが開設

大日本山梨葡萄酒会社は、当時の山梨県令(知事)藤村紫朗の後押しと地元の有力者の出資によって設立された会社でした。会社は数年で解散しますが、その技術と志は受け継がれ、のちのメルシャンへとつながっていきます。フランスで学んだ土屋龍憲は、のちに勝沼で自らワイナリーを興しており、その流れをくむのがまるき葡萄酒です。

メルシャンという名前は、フランス語の「Merci(メルシー、ありがとう)」に人を表す「an」を組み合わせたもので、ワインの原料を育む自然への感謝の思いが込められているといいます。会社としてのメルシャンは、2006年にキリンの傘下に入りました。

3つのワイナリー

勝沼ワイナリー(山梨県甲州市)

日本のワイン造りの発祥の地ともいえる勝沼にあるワイナリーです。甲州やマスカット・ベーリーAなど、山梨のブドウを使ったワインを中心に造っています。1980年代には、甲州を澱とともに寝かせる「シュール・リー」の手法を取り入れ、すっきりした辛口の甲州ワインを広める役割を担いました。敷地内には、明治時代のワイン造りの道具などを展示する資料館もあります。甲州については甲州ワインの記事もどうぞ。

桔梗ヶ原ワイナリー(長野県塩尻市)

桔梗ヶ原は、もともと生食用やジュース用のアメリカ系品種の産地でした。1976年、のちに「現代日本ワインの父」と呼ばれる浅井昭吾(ペンネームは麻井宇介)の指導のもと、地元の農家とともにメルロへの植え替えが進められました。こうして生まれた「信州桔梗ヶ原メルロー 1985」が、1989年にスロベニアのリュブリアナ国際ワインコンクールで大金賞を受賞し、日本でも欧州系品種で世界に通じるワインが造れることを示しました。メルロについてはメルロの記事にまとめています。

椀子ワイナリー(長野県上田市)

2003年に植え付けを始めた自社畑「椀子ヴィンヤード」に、2019年9月にワイナリーが開かれました。もとは桑畑だった遊休地を、地元の人たちの協力を得てブドウ畑に変えた場所です。広い自社畑で、メルロ、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランなどの欧州系品種を育てています。自社の畑だからこそできる、さまざまな試みが続けられています。

代表的なワインのシリーズ

シャトー・メルシャンのワインには、産地の個性を表現するシリーズから、特定の畑のブドウだけで造る上級のワインまで、いくつかの階層があります。

  • 甲州のワイン:勝沼などのブドウで造る、すっきりした辛口の白。
  • 桔梗ヶ原メルロー:ブランドの名声を築いた、長野の代表的な赤ワイン。
  • 北信シャルドネ:長野県北部のシャルドネで造る白ワイン。
  • 椀子のワイン:自社畑・椀子ヴィンヤードのブドウで造る赤や白。

シリーズの名前や構成は時期によって見直されることがあるので、購入時は公式サイトや販売店の説明で確かめてください。勝沼ワイナリーは見学ツアーやショップも設けており、ワイナリーならではのワインに出会うこともできます。

まとめ

シャトー・メルシャンは、1877年の大日本山梨葡萄酒会社にルーツを持つ、メルシャンの日本ワインのブランドです。山梨の勝沼、長野の桔梗ヶ原と椀子の3つのワイナリーを拠点に、甲州の白や桔梗ヶ原メルローなど、日本ワインの歩みを形づくってきたワインを造り続けています。日本のワイン造りの流れをもっと知りたい方は日本ワインの歴史もどうぞ。

※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。

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