ブリュットとは?シャンパンの甘辛度7段階を残糖量で一覧に

ブリュットとは?シャンパンの甘辛度7段階を残糖量で一覧に シャンパン・スパークリング

ブリュット(Brut)とは、シャンパンなどのスパークリングワインの甘辛度を示す表示のひとつで、「辛口」を意味します。シャンパンの場合、ブリュットと表示できるのは残糖量が1リットルあたり12g未満のものです。シャンパンでもっとも多く造られているのがこのブリュットで、甘辛度の区分は全部で7段階あります。

甘辛度は「ドサージュ」で決まる

シャンパンをはじめとする瓶内二次発酵のスパークリングワインは、熟成のあとに瓶の中の澱(発酵を終えた酵母)を取り除きます。このとき減った分を補うために加えるのが、ワインに糖分を溶かした「リキュール・ド・ドサージュ」です。シャンパーニュ委員会によると、ブリュットの場合は75clの瓶に約1clほど加えるのが目安とされています。

加える糖分の量によって、できあがりの残糖量が変わり、その量に応じてラベルに表示する言葉が決まります。シャンパンはもともと酸がしっかりしたワインなので、少量の糖分は甘さとして感じるよりも、酸の角をやわらげて味のバランスを整える役割を果たします。生産者は自分たちのスタイルに合わせて、加える量や、加えるリキュールに使うワインを選んでいます。

甘さの感じ方は、残糖量の数字だけでは決まりません。同じ量の糖分でも、酸がしっかりしたワインや泡の勢いが強いワインでは甘さが目立ちにくく、熟成が長く香ばしさの強いワインでは、まろやかさとして感じられることもあります。表示はあくまで目安として、造り手や産地の個性とあわせて考えるのがよいでしょう。

甘辛度の表示一覧

シャンパンの甘辛度表示と残糖量の区分は次のとおりです。数値は1リットルあたりの糖分の量です。

表示 読み方 残糖量 味わいの目安
Brut Nature ブリュット・ナチュール 3g未満(糖分を加えない) 極辛口
Extra Brut エクストラ・ブリュット 0〜6g 極辛口
Brut ブリュット 12g未満 辛口
Extra Dry エクストラ・ドライ 12〜17g やや辛口
Sec セック 17〜32g やや甘口
Demi-Sec ドゥミ・セック 32〜50g 甘口
Doux ドゥー 50g超 極甘口

ブリュット・ナチュール、エクストラ・ブリュット、ブリュットは残糖量の範囲が一部重なっています。たとえば残糖量が少ないワインは、条件を満たしていればどの表示も選べるので、どれを名乗るかは生産者の判断になります。糖分をまったく加えないことを強調したいときは、ブリュット・ナチュールのほかに「パ・ドゼ」「ドサージュ・ゼロ」といった言葉が使われることもあります。

まぎらわしい「ドライ」と「セック」

一覧を見て意外に感じるのが、「エクストラ・ドライ」や「セック」がブリュットより甘いという点です。「ドライ(Dry)」は英語で、「セック(Sec)」はフランス語で、どちらも「辛口」を意味する言葉ですが、甘辛度表示の中ではブリュットよりも上、つまり甘い側に位置づけられています。

言葉の意味だけで判断して「ドライだから一番辛いはず」と考えて選ぶと、思ったより甘く感じることがあります。辛口を求めるなら、ブリュット、エクストラ・ブリュット、ブリュット・ナチュールの3つを目安にするのが確実です。逆に、ほんのり甘さのあるものを探しているときは、エクストラ・ドライやセックが候補になります。

シャンパン以外のスパークリングワインでは

ブリュットやドゥミ・セックといった表示は、シャンパンだけのものではありません。同じ区分はEUのスパークリングワインに共通する決まりになっていて、フランスのクレマン、スペインのカヴァ、イタリアのスプマンテなどでも同じ言葉が使われています。イタリアでは「ドルチェ(甘口)」、スペインでは「ドゥルセ(甘口)」のように、それぞれの国の言葉で書かれることもあります。

そのため、ブリュットの表示があれば、産地が違っても辛口の目安として同じように読むことができます。泡のワイン全般の種類や呼び名は「スパークリングワインとは」の記事で、イタリアの発泡ワインは「スプマンテ」の記事で紹介しています。

表示ごとの味わいと料理の合わせ方

ブリュット・ナチュール、エクストラ・ブリュット

糖分がほとんど、あるいはまったく加えられていないため、ぶどうと熟成そのものの味がまっすぐに表れます。酸やミネラル感がはっきりしていて、生がきや白身魚のお刺身、カルパッチョなど、素材の味を生かした料理と合わせやすいタイプです。ワインの個性がそのまま出るので、造り手の考え方がよくわかるスタイルともいえます。

ブリュット

もっとも一般的で、乾杯から食事の最後まで幅広く合わせられる辛口です。少量の糖分が酸をやわらげ、果実味と香ばしさのバランスがとれています。天ぷらや唐揚げなどの揚げ物、塩味の前菜、魚介のパスタ、鶏肉料理など、和洋を問わずなじみます。迷ったときはブリュットを選んでおけば、料理を選ばずに楽しめます。

エクストラ・ドライ、セック

ほんのりとした甘さが感じられ、口当たりがやわらかになります。生ハムとメロン、フルーツを使った前菜、少し甘みのある味付けの料理などと合わせやすいタイプです。

ドゥミ・セック、ドゥー

はっきりとした甘口で、デザートと一緒に楽しむのに向いています。シャンパーニュ委員会も、ドゥミ・セックやドゥーをフルーツタルトや焼き菓子と合わせる楽しみ方を紹介しています。甘酸っぱい料理や、ブルーチーズなど塩気の強いチーズと合わせる人もいます。甘口のシャンパンについては「シャンパンとは」の記事でも触れています。

ラベルで表示を見つけるには

甘辛度の表示は、多くの場合、正面のラベルの銘柄名や生産者名の近くに書かれています。小さめの文字で書かれていることもあるので、「Brut」「Demi-Sec」などの綴りを覚えておくと探しやすくなります。表示が見つからないときは、裏ラベルや生産者の説明を確かめてみてください。

贈り物や持ち寄りの場で相手の好みがわからないときは、料理を選ばないブリュットが無難です。食後に甘いものと一緒に楽しむ席なら、ドゥミ・セックを用意しておくと喜ばれることもあります。

まとめ

ブリュットは、シャンパンやスパークリングワインの「辛口」を示す表示で、シャンパンでは残糖量1リットルあたり12g未満のものを指します。甘辛度はブリュット・ナチュールからドゥーまでの7段階で、「エクストラ・ドライ」「セック」がブリュットより甘いという逆転には注意が必要です。辛口なら食事に、甘口ならデザートにと、表示を手がかりにすると場面に合った一本を選びやすくなります。

※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。

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