ワインのマリアージュ入門|料理との合わせ方の基本と和食・家庭料理の例

ワインのマリアージュ入門|料理との合わせ方の基本と和食・家庭料理の例 食文化

ワインのマリアージュとは、ワインと料理を組み合わせて、どちらか一方だけで味わうよりもおいしく感じられる状態をいいます。フランス語で「結婚」を意味する言葉で、日本では「ペアリング」とほぼ同じ意味で使われています。基本は、料理とワインの「重さ」をそろえること、そして色や香り、味の要素を似せるか、反対の要素で補い合うかを考えることです。

マリアージュの考え方

ワインと料理の相性には、大きく分けて2つの考え方があります。

  • 似たもの同士を合わせる(同調):ハーブの香る料理にハーブのような香りのワイン、きのこ料理に土やきのこを思わせる熟成した赤、というように共通点でつなぐ方法です。
  • 違うもの同士で補い合う(補完):脂の多い料理に酸のしっかりしたワインで口をさっぱりさせる、塩気の強いチーズに甘口ワインを合わせる、というように反対の要素でバランスをとる方法です。

どちらにも正解があり、実際にはこの2つを組み合わせて考えることがほとんどです。むずかしく考えすぎず、「この料理を食べたあとに、どんな味が口に欲しくなるか」を想像するとわかりやすくなります。

失敗しにくい3つの基本

1. 重さをそろえる

いちばん大事なのは、料理とワインの「重さ」のバランスです。あっさりした白身魚の塩焼きに重厚な赤ワインを合わせると、ワインが料理を覆い隠してしまいます。反対に、こってりした煮込み料理に軽い白ワインでは、ワインの味が負けてしまいます。軽い料理には軽いワイン、濃い料理にはしっかりしたワイン、と覚えておきましょう。ワインの重さについてはフルボディの記事でも説明しています。

2. 色を合わせる

「肉には赤、魚には白」とよくいわれますが、より正確には「料理の色とワインの色を合わせる」と考えると応用がききます。トマトソースやデミグラスソースなど色の濃い料理には赤、クリームソースやバター、レモンを使った明るい色の料理には白が合いやすくなります。鶏肉や豚肉でも、塩とレモンなら白、甘辛いたれなら赤、というように味付けで選ぶのがコツです。

3. 産地を合わせる

その土地の料理には、同じ土地のワインが合いやすいといわれます。イタリアのトマト料理にイタリアの赤ワイン、ブルゴーニュの牛肉の赤ワイン煮込みにブルゴーニュの赤ワイン、という組み合わせは、長い時間をかけて土地の食卓で育ってきたものです。和食に日本の甲州ワインを合わせるのも、この考え方の延長にあります。

料理別の合わせ方の例

料理 合わせやすいワイン 理由
牛肉のステーキ・ローストビーフ カベルネ・ソーヴィニヨン、シラーなどしっかりした赤 肉の脂とうまみに、渋みとコクが負けない
豚肉のソテー・しょうが焼き メルロなど中くらいの赤、コクのある白 脂の甘みにやわらかな果実味が合う
鶏肉のハーブ焼き シャルドネ、軽めの赤 ハーブの香りと、ほどよい厚みが合う
白身魚のカルパッチョ・刺身 甲州、ミュスカデなどすっきりした白 繊細な味を邪魔せず、酸が後味を引き締める
サーモンやまぐろ ロゼ、軽めのピノ・ノワール 魚の脂と色の濃さに、軽い赤やロゼが寄り添う
トマトソースのパスタ・ピザ キャンティなどイタリアの赤 トマトの酸と、ワインの酸がなじむ
クリームソースのパスタ 樽熟成のシャルドネ クリームのコクとまろやかさがそろう
揚げもの・天ぷら スパークリングワイン 泡と酸が油をさっぱりさせる
ブルーチーズ 貴腐ワインなどの甘口 塩気と甘みが引き立て合う

パスタとの組み合わせは、トマトソースパスタやクリームパスタのレシピで試してみるのもおすすめです。魚介の料理なら、白ワインを使って蒸し煮にするアクアパッツァに、同じ白ワインを合わせるのも定番の楽しみ方です。

和食・家庭料理と合わせるコツ

和食はだしのうまみや、しょうゆ・みそなどの発酵調味料が味の中心になります。繊細な味わいの料理が多いので、渋みの強い赤ワインよりも、すっきりした白や軽めの赤、ロゼのほうが合わせやすい傾向があります。

  • 刺身・寿司:甲州やすっきりした辛口の白、辛口のスパークリングワイン。
  • 焼き鳥(塩):シャルドネや軽めの白。たれならマスカット・ベーリーAや軽めの赤。
  • すき焼き・肉じゃが:甘辛い味に、果実味のやわらかな赤。
  • 餃子・唐揚げ:スパークリングワインやロゼが油をすっきりさせてくれます。
  • 鍋料理:寄せ鍋や水炊きにはすっきりした白、キムチ鍋のように辛いものには果実味のあるロゼや軽い赤。

日本のブドウで造られたワインは、和食との相性を意識して造られているものも多くあります。甲州ワインや日本ワインの記事もあわせてどうぞ。

合わせにくい食材と注意点

ワインと合わせにくいといわれる食材もあります。

  • 魚卵や青魚:いくら、たらこ、さばなどは、赤ワインと合わせると生臭さを強く感じることがあるといわれます。すっきりした白や泡のほうが無難です。
  • 酢を多く使った料理:酢の酸がワインの味を薄く感じさせることがあります。酢を控えめにするか、酸のしっかりした白を選びます。
  • とても辛い料理:唐辛子の辛さはアルコールで強まりやすいので、アルコール度数が控えめで、ほんのり甘みのあるワインが合わせやすくなります。
  • 甘いデザート:辛口のワインはデザートの甘さで酸っぱく感じやすくなります。デザートには、それと同じくらいか、より甘いワインを選びます。

チーズとワインの組み合わせ

チーズは、ワインと合わせやすい食材の代表です。チーズのタイプごとに、次のような組み合わせがよく知られています。

  • フレッシュチーズ(モッツァレラ、リコッタなど):すっきりした白ワインやロゼ。
  • 白カビのチーズ(カマンベール、ブリーなど):コクのある白ワイン、軽めの赤ワイン、シャンパーニュ。
  • ハードチーズ(コンテ、パルミジャーノなど):熟成した白ワインや、しっかりした赤ワイン。
  • 青カビのチーズ(ゴルゴンゾーラ、ロックフォールなど):貴腐ワインなどの甘口ワイン。

産地を合わせる考え方はチーズにも使えます。迷ったら、同じ国や地方のチーズとワインを組み合わせてみてください。

まとめ

ワインのマリアージュは、料理とワインの重さをそろえ、色や香りで似たもの同士を合わせるか、酸や甘みで補い合うかを考えるのが基本です。肉には赤、魚には白という決まりにとらわれず、ソースや味付けに目を向けると選びやすくなります。最後は好みがいちばんなので、家庭の食卓でいろいろな組み合わせを試してみてください。ワインの種類から知りたい方はワインの基本からどうぞ。

※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。

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