おすすめのシャンパンを選ぶには、まず「どのタイプか」と「甘辛の表示」を確かめ、次に「どんな造り手か」を見るのが近道です。初めてなら、大手メゾンの辛口ノン・ヴィンテージ(ブリュット)が、味が安定していて失敗しにくい定番です。慣れてきたら、シャルドネだけのブラン・ド・ブランや、生産者が自分の畑で造るシャンパンなど、個性の違いを楽しむ選び方に広げていけます。
美味しいシャンパンの条件とは
シャンパンは、フランスのシャンパーニュ地方で、決められたぶどうを使い、瓶内二次発酵で造られた発泡ワインです。どのシャンパンもこのルールを守って造られているため、一定以上の品質は保証されているといえます。そのうえで「美味しい」と感じるかどうかを左右するのは、主に次の点です。
- 熟成期間:澱と一緒に瓶の中で長く寝かせるほど、泡がきめ細かくなり、パンやナッツのような香りが出る。ルールではノン・ヴィンテージで最低15か月、ヴィンテージで最低3年の熟成が必要で、多くの造り手はそれより長く寝かせている
- ぶどうの産地:シャンパーニュの中でも、グラン・クリュ、プルミエ・クリュと格付けされた村のぶどうは評価が高い
- ブレンドの技術:複数の村や年のワインを組み合わせ、毎年同じ味わいに仕上げるのが大手メゾンの腕の見せどころ
- 保存状態:光や高温にさらされたシャンパンは風味が落ちる。信頼できる店で買うことも大切
シャンパンの定義や造り方はシャンパンの記事で詳しく紹介しています。
タイプ別の特徴
シャンパンにはいくつかのタイプがあります。ラベルの表示から、どんな味わいかを想像できるようになると選ぶのが楽しくなります。
| タイプ | 内容 | 味わいの傾向 |
|---|---|---|
| ノン・ヴィンテージ(NV) | 複数年のワインをブレンド。各メゾンの基本の味 | バランスが良く、毎年安定している |
| ヴィンテージ(ミレジム) | 良い年のぶどうだけで造り、収穫年を表示 | その年の個性が出る。熟成感があり複雑 |
| ブラン・ド・ブラン | 白ぶどうのシャルドネだけで造る | 繊細でキレがあり、酸がきれい |
| ブラン・ド・ノワール | 黒ぶどう(ピノ・ノワール、ムニエ)だけで造る | コクがあり、果実味が豊か |
| ロゼ | 赤ワインを混ぜる、または皮から色を移して造る | 赤い果実の香り。料理と合わせやすい |
| プレステージ・キュヴェ | 各メゾンの最高級品 | 熟成の長い、格別に複雑な味わい |
甘辛の表示を確かめる
シャンパンの多くは辛口の「ブリュット」ですが、もっと辛い「エクストラ・ブリュット」「ブリュット・ナチュール」や、甘口の「ドゥミ・セック」もあります。注意したいのは、「セック(ドライ)」という言葉が付いていても、実際にはブリュットより甘いことです。
食事と合わせるなら辛口のブリュットかエクストラ・ブリュット、デザートと合わせたり、甘めが好きだったりするならドゥミ・セックを選ぶとよいでしょう。表示の一覧はブリュットの記事にまとめています。
造り手の種類で選ぶ
シャンパンの造り手は、大きく「大手メゾン」と「生産者(グロワー)」に分けられます。ラベルの小さな文字で書かれた略号で見分けることができます。
- NM(ネゴシアン・マニピュラン):ぶどうを買い入れて造る造り手。大手メゾンの多くがこれにあたる。品質が安定していて手に入れやすい
- RM(レコルタン・マニピュラン):自分の畑のぶどうで自ら造る生産者。畑や村の個性がはっきり出る
- CM(コーペラティヴ・ド・マニピュラシオン):協同組合が造るもの。手頃な価格のものが多い
初めてなら、どこでも手に入る大手メゾンのNVで「基準の味」を知り、そのうえでRMのシャンパンを試すと違いがよくわかります。
定番の大手メゾン
日本でも手に入りやすい、定番の大手メゾンを紹介します。いずれもNVのブリュットが入門に向いています。
| メゾン | 特徴 |
|---|---|
| モエ・エ・シャンドン | 世界的に知られる大手。果実味豊かで華やか |
| ヴーヴ・クリコ | 黄色いラベルが目印。ピノ・ノワール主体のしっかりした味わい |
| G.H.マム | 赤いリボンで知られる。すっきりした辛口 |
| テタンジェ | シャルドネの比率が高めで、エレガントな味わい |
| ローラン・ペリエ | 軽やかで洗練された味わい。ロゼでも知られる |
| ボランジェ | ピノ・ノワール主体で、コクのある力強い味わい |
メゾンごとの詳しい紹介は、モエ・エ・シャンドンやマムの記事をご覧ください。
シーン別の選び方
- 乾杯・パーティー:大手メゾンのNVブリュット。誰にでも親しまれやすい
- 食事と一緒に:ロゼやブラン・ド・ノワール。肉料理にも合わせやすい
- 魚介や寿司と:ブラン・ド・ブラン。繊細な味わいを邪魔しない
- 記念日:ヴィンテージやプレステージ・キュヴェ
- 贈り物:知名度のある大手メゾン。箱入りやギフト仕様のものも
料理との合わせ方
シャンパンは乾杯のお酒というイメージが強いものの、実は食事と合わせやすいお酒です。きりっとした酸と細かな泡が口の中をさっぱりさせてくれるので、揚げ物や塩気のある料理と特によく合います。
- 生牡蠣、カルパッチョ、寿司:ブラン・ド・ブランやエクストラ・ブリュット
- 天ぷら、フライドチキン、ポテトチップス:NVのブリュット
- 生ハム、サーモン、鴨肉:ロゼ
- きのこ料理、クリーム煮、熟成したチーズ:熟成感のあるヴィンテージ
- フルーツやケーキ:ドゥミ・セック
和食では、塩で食べる天ぷらや焼き鳥、だしの効いた料理とも好相性です。高価なシャンパンほど特別な料理を用意しなければと思いがちですが、身近な料理と気軽に合わせても十分に楽しめます。
シャンパンは6〜8℃くらいによく冷やし、香りを楽しみたいならフルートより少しふくらみのあるグラスで飲むのがおすすめです。予算に合わせた選び方はシャンパンの値段の記事で紹介しています。
なお、シャンパンは長く置いておけばよくなるとは限りません。ノン・ヴィンテージは出荷された時点で飲みごろになるよう造られているので、買ってから早めに楽しむのがおすすめです。
まとめ
美味しいシャンパンを選ぶには、タイプと甘辛の表示、造り手の種類を確かめるのが近道です。初めてなら大手メゾンの辛口ノン・ヴィンテージで基準の味を知り、慣れてきたらブラン・ド・ブランやロゼ、生産者のシャンパンなど、個性の違いに広げていくと楽しみが増えます。シーンに合わせてタイプを選び、よく冷やして楽しんでください。
※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。



コメント