ブラッドソーセージとは、豚などの血液を主な材料に、脂身や玉ねぎ、穀物などを混ぜて腸に詰め、加熱して作るソーセージのことです。断面が黒っぽく、ねっとりとした食感と、レバーにも似た濃厚なコクが特徴です。フランスのブーダン・ノワール、ドイツのブルートヴルスト、スペインのモルシージャ、イギリスのブラックプディングなど、ヨーロッパを中心に世界各地で古くから食べられてきました。
ブラッドソーセージの特徴
ブラッドソーセージの主役は、家畜の血液です。血液は加熱すると固まる性質があり、これを利用して、ひき肉の代わりに血を固めてソーセージの形にしています。そこに豚の脂身を加えてなめらかさとコクを、玉ねぎやりんごで甘みを、米や麦、オートミールなどの穀物で食感とボリュームを加えます。
色は黒に近い濃い赤茶色で、切ると黒い断面に白い脂の粒が点々と見えるものもあります。味わいは、鉄分を思わせる独特の風味と、脂のコク、香辛料の香りが合わさった、濃厚なものです。ふつうのソーセージとは見た目も味もかなり違うので、初めての人は少しずつ試してみるとよいでしょう。ソーセージ全体の分類はソーセージとウインナーの違いで紹介しています。
ブラッドソーセージの歴史
ブラッドソーセージは、ソーセージの中でもとくに古い歴史をもつといわれます。古代ギリシャの叙事詩『オデュッセイア』には、山羊の胃袋に脂と血を詰めて焼いた食べものが登場し、ブラッドソーセージの原型を思わせるものとしてよく紹介されます。
家畜をつぶしたとき、肉だけでなく血や内臓、脂までむだなく使うことは、かつての暮らしでは当たり前の知恵でした。とくにヨーロッパの農村では、冬を前に豚を処理する行事があり、その日に新鮮な血を使ってブラッドソーセージを作る習慣が各地にあったといわれます。こうして、それぞれの土地の食材や好みを反映した、さまざまなブラッドソーセージが生まれました。ソーセージ全体の歩みはソーセージの歴史で詳しく紹介しています。
世界のブラッドソーセージ
| 名前 | 国・地域 | 特徴 |
|---|---|---|
| ブーダン・ノワール | フランス | なめらかな食感。玉ねぎを加え、焼いたりんごやじゃがいものピュレを添えることが多い |
| ブルートヴルスト | ドイツ | 脂身の粒や角切りの肉を混ぜたものも多い。薄く切って冷たいまま食べるタイプもある |
| モルシージャ | スペイン | 米を加えたブルゴス風が有名。玉ねぎやスパイスの香りが豊か |
| ブラックプディング | イギリス・アイルランド | オートミールや大麦を加える。朝食の一皿として焼いて出される |
| スンデ | 韓国 | 豚の腸に、豚の血と春雨(タンミョン)などを詰めて蒸したもの。屋台の定番 |
| ムスタマッカラ | フィンランド | ライ麦などを加えた黒いソーセージ。タンペレの名物で、こけももジャムを添える |
同じブラッドソーセージでも、穀物の種類や量、香辛料の使い方で、食感や香りは大きく変わります。旅先で見かけたら、その土地の食べ方で味わってみるのも楽しいものです。
おいしい食べ方
市販のブラッドソーセージは、製造の段階で加熱されたものが多く、家庭では温め直して食べるのが一般的です。表示に「加熱してお召し上がりください」などとある場合は、その指示に従って中心まで十分に温めてください。
- 輪切りにして焼く:1〜2cmの厚さに切り、フライパンで両面を焼く。表面がカリッとし、中はとろりとやわらかくなる
- 皮ごと焼く:切らずに弱火でじっくり焼くと、皮が破れにくい。強火にすると破裂しやすいので注意
- 甘いものと合わせる:焼いたりんご、玉ねぎのコンフィ、こけももなどのジャムと合わせると、濃厚な味わいが引き立つ
- じゃがいもと合わせる:マッシュポテトや粉ふきいもを添えると、食べやすくなる
焼いたブラッドソーセージは、パンにのせても、サラダのアクセントにしても楽しめます。スペイン風に、炒めたモルシージャを卵料理や豆の煮込みに加えるのもおすすめです。濃厚な味わいには、しっかりした赤ワインや、香ばしいビールがよく合います。
日本での手に入れ方と注意点
日本でブラッドソーセージを見かける機会は多くありませんが、輸入食材店や通販、ヨーロッパの伝統的な製法を取り入れた国内の肉加工品の工房などで扱われていることがあります。フランス料理やスペイン料理のレストランでは、前菜やタパスとして出されることもあります。
- 保存方法や消費期限は商品の表示に従う。開封後は早めに食べきる
- 冷凍で売られているものは、冷蔵庫でゆっくり解凍してから調理する
- 血液を使う食品なので、鮮度と温度の管理にはとくに気をつける
- 脂質や塩分が多めのものもあるので、ほかの料理とのバランスを考えて取り入れる
なお、ブラッドソーセージは鉄分を含む食品として紹介されることもありますが、含まれる量は製品によって違います。栄養面を目的に食べる場合は、表示を確認するようにしましょう。
まとめ
ブラッドソーセージは、豚などの血液に脂身や玉ねぎ、穀物を混ぜて腸に詰め、加熱して作るソーセージです。黒っぽい見た目と濃厚なコクが特徴で、フランスのブーダン・ノワール、スペインのモルシージャ、イギリスのブラックプディング、韓国のスンデなど、世界中にさまざまな種類があります。家庭では輪切りにして焼き、りんごやじゃがいもと合わせると食べやすくなります。
※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。



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