パスタをゆでるときの塩は、湯1Lに対して10g前後、つまり塩分1%ほどが一般的な目安です。塩はパスタそのものに下味をつけるために入れるもので、ゆで汁をソースに加えたときの味の調整にもかかわってきます。
塩の量の目安は「湯の1%」
イタリアには、パスタ100gに対して湯1L、塩10gという覚え方があります。日本の料理書やパスタメーカーの説明でも、湯の量の1%前後を目安にしているものが多く見られます。
| 乾麺の量 | 湯の量 | 塩(1%) | 塩の量の感覚 |
|---|---|---|---|
| 100g(1人分) | 1L | 10g | 小さじ2弱 |
| 200g(2人分) | 2L | 20g | 大さじ1強 |
| 300g(3人分) | 3L | 30g | 大さじ2弱 |
小さじ・大さじでの換算は、塩の粒の大きさで変わります。さらさらした精製塩は小さじ1がおよそ6g、粒の粗い塩やしっとりした塩は同じ小さじ1でも軽くなります。はじめは一度はかりで量り、自分の家の塩で何杯になるかを確かめておくと、次からは目分量でも安定します。
湯をなめてみて「少ししょっぱい」と感じるくらいが1%前後です。よく「海水くらいの塩辛さ」といわれることがありますが、海水の塩分は3%を少し超える程度なので、それよりはずっと薄い味です。
塩を入れる理由
パスタをゆでるときに塩を入れるいちばんの理由は、麺に下味をつけることです。パスタの生地には塩が入っていないので、塩を入れない湯でゆでると麺そのものの味がぼやけ、ソースだけが浮いたような仕上がりになります。ゆでている間に麺が適度に塩を吸うことで、ソースと麺の味がひとつにまとまります。
文部科学省の日本食品標準成分表(八訂)増補2023年では、マカロニ・スパゲッティの「乾」の食塩相当量は0gですが、「ゆで」は100gあたり1.2gになっています。ゆで汁の塩分が麺に入っていることがわかる数字です。
このほか、「塩を入れると沸点が上がる」「麺にコシが出る」という説明を見かけることがあります。ただ、1%程度の塩で上がる沸点はごくわずかで、コシへの影響も料理の仕上がりを大きく変えるほどではないと考えられています。塩は味のために入れるもの、と考えておくのがわかりやすいでしょう。
ソースに合わせた塩の加減
1%はあくまで目安で、合わせるソースや具によって加減すると、仕上がりの塩辛さを防げます。
- ペペロンチーノなどオイル系:ゆで汁でソースの味を決めるので、1%前後をしっかり守る
- トマトソース・クリームソース:ソースにも塩を入れるので、1%か少し控えめに
- カルボナーラ・ボンゴレ:ベーコンやチーズ、あさりの塩気が強いので、0.7〜0.8%ほどに控える
- たらこ・めんたいこ・アンチョビ:具の塩分が強いので控えめにし、最後に味見して調整する
- 冷製パスタ:冷水でしめると表面の塩が流れるので、ゆで湯をやや濃いめにするか、ソースで調整する
ソースと合わせてフライパンで煮詰める場合は、ゆで汁の塩分も一緒に濃くなります。ゆで汁を加えるときは少しずつ入れ、そのたびに味見をするのが失敗しないコツです。あさりを使うボンゴレは、下ごしらえのあさりの塩抜きも忘れずに。
塩の種類と入れるタイミング
ゆでる湯に使う塩は、ふだん料理に使っている塩で問題ありません。精製塩でも、粗塩や海塩でもかまいませんが、粒の大きさで同じ「小さじ1」でも重さが変わるので、量は重さで考えるのが確実です。値段の高い塩を使っても、ゆで湯に溶かすと違いは感じにくいので、ゆで用には手ごろな塩を使い、仕上げの味つけに好みの塩を使うという分け方もあります。
塩を入れるタイミングは、湯が沸いてから、麺を入れる前がよいとされています。冷たい水のうちに入れても味は変わりませんが、沸騰した湯に塩を入れると一気に泡が立つことがあるので、少しずつ入れるようにします。塩が溶けたのを確認してから麺を入れます。
ゆで湯の量が少ないときは
フライパンで少なめの湯でゆでる場合も、塩の割合は湯の量の1%前後が目安です。ただし、ゆでている間に水分が蒸発して湯が減ると、ゆで汁の塩分は濃くなっていきます。そのゆで汁をソースに加えると、思ったより塩辛くなることがあるので、湯が減ったら水を足し、ソースに使う前に味見をしておくと安心です。複数人分を大きな鍋でゆでる場合も、湯の量に合わせて塩を増やすのを忘れないようにします。
ゆで汁の使い方と塩分が気になるとき
塩を入れたゆで汁は、ソース作りに役立ちます。ゆで汁にはパスタから溶け出したでんぷんが含まれていて、オイルとよく混ぜると白っぽく乳化し、ソースが麺にからみやすくなります。ソースが煮詰まりすぎたときに加えてのばすのにも使えます。ゆで汁は塩分を含んでいるので、加えるたびにソースの塩気も上がります。少しずつ加えて、濃度と味を見ながら調整してください。
塩分を控えたいときは、ゆで湯の塩を減らすより、ソースの塩を控えるほうが味のまとまりを保ちやすいことがあります。また、塩気の強い具(ベーコン、チーズ、たらこなど)を減らしたり、レモンやハーブ、こしょうで香りを足したりすると、塩を控えても物足りなさを感じにくくなります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、成人の食塩摂取の目標量が示されていますが、必要な量は体の状態によって違うので、気になるときは医師や管理栄養士に相談してください。
まとめ
パスタをゆでる塩は、湯1Lに10g前後、塩分1%ほどが目安です。塩は麺に下味をつけるために入れるもので、ソースや具の塩気に合わせて加減します。湯の量やゆで時間を含めた手順はパスタのゆで方で、1人分の量はパスタ1人前は何グラムかで紹介しています。パスタの種類と合うソースはパスタの種類一覧、オイル系のパスタに使う油についてはオリーブオイルの記事も参考にしてください。



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