ノンアルコールワインとは、ワインのような香りや味わいを持ちながら、アルコールをほとんど、またはまったく含まない飲み物です。大きく分けると、いったん造ったワインからアルコールを取り除く「脱アルコールワイン」と、ぶどう果汁などをもとにワインらしく仕立てる「ワインテイスト飲料」の2種類があります。選ぶときは、製法とアルコール度数の表示を確かめるのがいちばんの近道です。
ノンアルコールワインの2つのタイプ
同じ「ノンアルコールワイン」という名前で売られていても、中身の成り立ちはかなり違います。まずは2つのタイプの違いを押さえておきましょう。
| 項目 | 脱アルコールワイン | ワインテイスト飲料 |
|---|---|---|
| 造り方 | ぶどうを発酵させてワインを造り、そこからアルコールを取り除く | 発酵させず、ぶどう果汁に酸味料や香料などを加えて味を整える |
| 味わい | 発酵由来の複雑さがあり、ワインに近い | 果汁感が強く、甘めのものが多い |
| アルコール | ごくわずかに残るものがある(0.5%未満など) | 0.00%のものが多い |
| 原材料表示の例 | ワイン(またはぶどう酒)、ぶどう果汁など | ぶどう果汁、酸味料、香料、甘味料など |
どちらが良い悪いではなく、目的によって向き不向きがあります。ワインらしい渋みや香りの複雑さを求めるなら脱アルコールタイプ、ジュースのような飲みやすさや確実に0.00%であることを重視するならワインテイスト飲料が候補になります。
アルコールを抜く方法
脱アルコールワインは、ワインの香りを残しながらアルコールだけを取り除く工夫が必要です。アルコールは熱で飛ばせますが、ふつうに加熱すると香りも一緒に失われてしまいます。そこで、主に次のような方法が使われています。
- 減圧蒸留:気圧を下げることで、低い温度でアルコールを蒸発させる。熱による風味の劣化を抑えられる
- スピニングコーン:回転する円すい形の装置で、ワインを薄い膜状にして香りとアルコールを段階的に分ける。先に香りを取り出し、あとで戻すことができる
- 逆浸透膜(膜ろ過):とても細かい膜でワインをろ過し、アルコールと水を分ける
アルコールはワインのボディ感や香りの広がりを支えているため、抜いたあとはどうしても軽く、物足りなく感じやすくなります。そのため、ぶどう果汁を加えて味のバランスを整えている商品もあります。
度数表示の見方と注意点
日本の酒税法では、アルコール分1度(1%)以上の飲料が「酒類」と定められています。つまり、アルコール分1%未満の飲み物は法律上お酒にはあたりません。ただし、「ノンアルコール」と書かれた商品でも、0.00%のものと、0.5%未満などごく少量のアルコールを含むものがあります。
車を運転する予定があるとき、妊娠中や授乳中のとき、体質的にアルコールをまったく受けつけないときは、ラベルの度数が「0.00%」かどうかを必ず確かめましょう。気になることがある場合は、医師に相談すると安心です。また、ノンアルコールワインは大人がワインの雰囲気を楽しむための飲み物として造られています。20歳未満の人が飲むことは想定されていない点も覚えておきたいところです。
なお、脱アルコールワインの原材料表示には「ワイン」と書かれていることがあります。これはお酒のワインを原料に使ったという意味で、できあがった飲み物の度数は別に表示されています。原材料名と度数の両方を見ておくと、中身を取り違えずにすみます。
糖分にも目を向ける
アルコールを抜くと味が薄く感じられるため、飲みやすくするために糖分を加えた商品もあります。甘さが気になる人や、糖質を控えたい人は、栄養成分表示の「炭水化物」や「糖質」の欄を見て比べるとよいでしょう。
スパークリングとシャンパン風の選び方
ノンアルコールワインのなかでも人気なのが、泡のあるスパークリングタイプです。乾杯の雰囲気が出せるので、お祝いの席やパーティーでお酒を飲まない人がいるときに重宝します。
「ノンアルコール シャンパン」と呼ばれることもありますが、シャンパンはフランスのシャンパーニュ地方で決まりに沿って造られた発泡ワインだけの名前です。ノンアルコールの泡は、シャンパーニュ地方のぶどうを使ったものや、シャンパーニュの造り手が手がけたものであっても、「シャンパン」とは名乗れません。シャンパンそのものについてはシャンパンの記事で紹介しています。
スパークリングタイプを選ぶときのポイントは次のとおりです。
- 白かロゼか:白はすっきり、ロゼは果実味があり華やか
- 甘さ:辛口と書かれていても、通常のワインよりは甘く感じるものが多い
- 泡の入れ方:炭酸ガスを後から加えたものが中心。泡の細かさは商品によって違う
- 容量:飲み切りやすいハーフボトルや缶もある
お酒のスパークリングワインの選び方はスパークリングワインの選び方の記事にまとめています。
料理との合わせ方と楽しみ方
ノンアルコールワインも、普通のワインと同じように料理と合わせて楽しめます。白やスパークリングは魚介のマリネやサラダ、天ぷらなどの揚げ物に、赤は肉料理やトマトソースのパスタに合わせやすいでしょう。トマトソースパスタのような家庭の定番料理とも気軽に合わせられます。
おいしく飲むコツは、しっかり冷やすことです。アルコールがないぶん甘さが目立ちやすいので、冷やすと味が引き締まります。赤も少し冷やしぎみにすると飲みやすくなります。ワイングラスに注ぐと香りが立ち、気分もぐっとワインらしくなります。開けたあとは栓をして冷蔵庫に入れ、早めに飲み切りましょう。保存のしかたはワインの保存の記事も参考になります。
家でのワイン会や持ち寄りパーティーでは、お酒を飲まない人のためにノンアルコールを1本用意しておくと、みんなで同じように乾杯できます。段取りはワインパーティーの記事で紹介しています。
まとめ
ノンアルコールワインには、ワインからアルコールを抜いた脱アルコールワインと、ぶどう果汁から造るワインテイスト飲料があります。ワインらしさを求めるなら脱アルコール、確実な0.00%や飲みやすさを求めるならワインテイスト飲料が向いています。運転や妊娠中などで少しのアルコールも避けたいときは、ラベルの度数を必ず確かめましょう。泡のタイプは乾杯に便利ですが、シャンパンとは名乗れない点も知っておくと選ぶときに迷いません。



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