おすすめのワインを見つけるいちばんの近道は、銘柄名から探すのではなく、自分の好きな味から「品種」と「産地」を選ぶことです。たとえば、軽い赤が好きならピノ・ノワール、しっかりした赤が好きならカベルネ・ソーヴィニヨン、すっきりした白が好きならソーヴィニヨン・ブランやリースリング、というように、品種がわかれば味の見当がつきます。この記事では、好み別の選び方と、どこでも手に入りやすい定番銘柄を紹介します。
まずは好みの味を言葉にする
ワイン選びで迷うのは、どんな味が好きかを言葉にしにくいからです。次の3つの軸で考えると、好みが整理しやすくなります。
- 色と泡:赤、白、ロゼ、スパークリングのどれが飲みたいか
- 重さ(ボディ):さらっと軽いものか、どっしり濃いものか
- 甘さ:辛口か、ほんのり甘いものか、はっきり甘いものか
お店で相談するときも「軽めの赤で、渋みは控えめ」「すっきりした辛口の白」のように伝えると、ぴったりの1本を出してもらいやすくなります。ワインの基本的な分類はワインの基本の記事で紹介しています。
ふだん飲んでいる飲み物から好みを考えるのも一つの方法です。コーヒーをブラックで飲む人や濃いお茶が好きな人は渋みのある赤を楽しみやすく、柑橘のジュースや炭酸水が好きな人は酸味のある白や泡と相性が良いことが多いといわれます。甘いカクテルが好きなら、まずは甘口やロゼから始めると無理がありません。
好み別のおすすめ品種と産地
好みのタイプごとに、選ぶとよい品種と産地をまとめました。ラベルに品種名が書かれているワインも多いので、売り場で探すときの手がかりになります。
| 好み | おすすめの品種 | 代表的な産地 |
|---|---|---|
| 軽くて渋みの少ない赤 | ピノ・ノワール、ガメイ | ブルゴーニュ、ボージョレ、ニュージーランド |
| 果実味たっぷりの赤 | メルロ、マルベック、シラーズ | チリ、アルゼンチン、オーストラリア |
| 濃くて渋みのある赤 | カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー | ボルドー、カリフォルニア、チリ |
| すっきり酸味のある白 | ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、甲州 | ロワール、ニュージーランド、ドイツ、日本 |
| コクのある白 | シャルドネ(樽熟成) | ブルゴーニュ、カリフォルニア、オーストラリア |
| 甘口 | モスカート、リースリング(甘口) | イタリア、ドイツ |
| 泡 | シャルドネ、ピノ・ノワール、グレーラなど | シャンパーニュ、スペイン(カヴァ)、イタリア |
国ごとの味の傾向
同じ品種でも、育つ土地の気候によって味が変わります。大まかには、涼しい産地のワインは酸味がはっきりして軽やかに、暖かい産地のワインは果実味が豊かでまろやかになる傾向があります。
- フランス:産地ごとの個性がはっきりしている。ラベルに品種ではなく産地名が書かれることが多い
- イタリア:土着品種が多く、食事に合わせやすい酸味のあるワインが多い
- スペイン:テンプラニーリョの赤やカヴァが代表的。価格のわりに満足度が高いものが多い
- チリ・アルゼンチン:日照に恵まれ、果実味がはっきりした飲みやすいワインが手頃な価格でそろう
- オーストラリア・アメリカ:果実味豊かでわかりやすい味わい。品種名を大きく書いたラベルが多い
- 日本:甲州やマスカット・ベーリーAなど、和食に合わせやすい繊細なワインが多い
日本のワインについては日本ワインの記事で詳しく紹介しています。
手に入りやすい定番銘柄
はじめのうちは、スーパーや酒販店で長く売られている定番銘柄から試すのも良い方法です。味が安定していて、品種ごとの違いを知る物差しになります。
| 銘柄 | 国 | 特徴 |
|---|---|---|
| カッシェロ・デル・ディアブロ | チリ | コンチャ・イ・トロのシリーズ。品種ごとの味がわかりやすい |
| コノスル | チリ | 自転車のラベルで知られる。手頃な価格帯から上級品まで幅広い |
| ジェイコブス・クリーク | オーストラリア | 果実味豊かで飲みやすい定番 |
| ムートン・カデ | フランス | ボルドーの定番ブランド。ボルドーらしさに気軽に触れられる |
| ルイ・ジャド | フランス | ブルゴーニュの大手。ピノ・ノワールやシャルドネの基準になる |
料理やシーンから選ぶ
好みと並んで大切なのが、何と一緒に、どんな場面で飲むかです。料理と合わせるときは「料理の色や重さとワインの色や重さをそろえる」と考えると、大きく外すことはありません。
| 料理・シーン | 合わせやすいワイン |
|---|---|
| 刺身、白身魚、サラダ | すっきりした白、軽いスパークリング |
| 天ぷら、唐揚げ、フライ | 辛口のスパークリング、酸味のある白 |
| クリームパスタ、鶏肉のソテー | コクのある白、軽い赤 |
| トマトソースのパスタ、ピザ | イタリアの赤、果実味のある赤 |
| ステーキ、ハンバーグ、すき焼き | 濃くて渋みのある赤 |
| 食後、デザート | 甘口の白、甘口のスパークリング |
| 乾杯、パーティー | スパークリング、ロゼ |
何を合わせるか迷ったときは、どんな料理にも寄り添いやすい辛口のスパークリングかロゼを選ぶと安心です。人数が多い集まりでは、赤・白・泡を1本ずつ用意すると、好みの違う人がいても楽しめます。
ラベルの見方と失敗しにくい買い方
ラベルには、選ぶためのヒントがたくさん書かれています。最低限、次の点を見ておくと失敗が減ります。
- 品種名:味の見当をつけるいちばんの手がかり
- 産地名:国だけでなく地域名まで書かれていれば、その土地らしい味が期待できる
- ヴィンテージ(収穫年):手頃なワインは新しい年のもののほうがフレッシュ
- アルコール度数:高めのものは濃厚、低めのものは軽やかな傾向がある
また、気に入ったワインはラベルを写真に撮っておくと、次に選ぶときの基準になります。「この品種のこの国のものが好き」とわかってくると、初めての銘柄でも外しにくくなります。予算を抑えたい人は安くて美味しいワインの記事、色別に選びたい人は赤ワインの選び方と白ワインの選び方の記事も参考にしてください。
まとめ
おすすめのワインは、好きな味から品種と産地を選ぶと見つけやすくなります。軽い赤ならピノ・ノワール、濃い赤ならカベルネ・ソーヴィニヨン、すっきりした白ならソーヴィニヨン・ブランやリースリング、コクのある白なら樽熟成のシャルドネが目安です。最初は手に入りやすい定番銘柄で品種の違いを知り、気に入ったものをラベルで記録していくと、自分の好みがはっきりしていきます。
※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。



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