ワインの開け方は、栓の種類で決まります。コルク栓ならソムリエナイフなどのオープナーでコルクを引き抜き、スクリューキャップなら手でひねるだけ、スパークリングワインは針金をゆるめてから瓶を回して静かに栓を外します。どの栓でも、あわてず「ゆっくり、まっすぐ」が失敗しないいちばんのコツです。
まずは栓の種類を確かめる
開ける前に、瓶の口を見て栓の種類を確かめましょう。家庭で出会う栓は、おおむね次の3つです。
| 栓の種類 | 見分け方 | 必要な道具 |
|---|---|---|
| コルク栓(天然・合成) | キャップシールの下にコルクや樹脂の栓が詰まっている | ソムリエナイフ、T字型、ウイング型などのオープナー |
| スクリューキャップ | 金属のキャップで、首の部分にミシン目のような切れ込みがある | 道具は不要 |
| スパークリングワインの栓 | 太いきのこ形のコルクに針金(ミュズレ)がかかっている | 道具は不要(布巾があると安心) |
合成コルクは天然コルクより硬く、スクリューが入りにくいことがあります。また、古いワインの天然コルクはもろくなっていることが多いので、ふだんより慎重に扱います。ワインの種類そのものについてはワインの基本にまとめています。
ソムリエナイフでの開け方
ソムリエナイフは、小さなナイフ、らせん状のスクリュー、瓶の口に掛けるフックが一体になった折りたたみ式のオープナーです。てこの原理でコルクを持ち上げるので、慣れると少ない力できれいに抜けます。フックが1段のものをシングルアクション、2段のものをダブルアクションと呼び、初めての人にはコルクを2段階で抜けるダブルアクションが扱いやすいでしょう。
- 瓶の口の出っ張りのすぐ下に、ナイフでぐるりと切れ目を入れ、縦にも1本切れ目を入れてキャップシールの上部をはがします。
- コルクの表面が汚れていたら、布巾で軽く拭きます。
- スクリューの先をコルクの中心より少し外側に当て、最初は少し斜めに、刺さったら垂直に起こして回し入れます。
- スクリューを1巻き分ほど残すところまで回し入れます。最後まで入れるとコルクの底を突き抜け、かすが落ちる原因になります。
- フックを瓶の口の縁に掛け、ハンドルを持ち上げてコルクを引き上げます。ダブルアクションなら、1段目で半分ほど、2段目に掛け替えて残りを持ち上げます。
- 最後の数ミリは手でコルクを持ち、軽く揺らしながら抜くと「ポン」という音を立てずに開けられます。
コルクがまっすぐ上がらないときは、スクリューが斜めに入っていることがほとんどです。無理に引かず、いったん戻して入れ直すほうが結果的に早く済みます。
T字型・ウイング型・電動オープナー
ソムリエナイフ以外にも、家庭向けのオープナーはいろいろあります。
- T字型:スクリューに取っ手がついただけの、いちばん単純な形です。引き抜くのに力が要り、瓶が揺れやすいので、瓶を膝などでしっかり固定して使います。
- ウイング型:スクリューを回し入れると左右の羽根(レバー)が上がり、羽根を下ろすとコルクが持ち上がる仕組みです。力が要らず、家庭ではいちばん失敗が少ないタイプといえます。
- スクリュープル型(回し続けるタイプ):本体を瓶にかぶせてハンドルを回し続けると、そのままコルクが上がってくるタイプです。
- 電動オープナー:ボタンひとつでスクリューの挿入と引き抜きをしてくれます。握力に自信がない人や、たくさん開ける集まりに便利です。
どのタイプも、スクリューを中心からまっすぐ入れることが大切なのは同じです。キャップシールを切るための小さなカッター(フォイルカッター)を別に用意しておくと、作業がぐっと楽になります。
スクリューキャップとスパークリングワインの開け方
スクリューキャップ
スクリューキャップは、片手でキャップの下側(首の切れ込みより下)をしっかり握り、もう一方の手で瓶の底側を回すと、少ない力で「パキッ」と開きます。キャップそのものを回すより、瓶を回すほうが力が伝わりやすいのがポイントです。スクリューキャップは安いワインの印というわけではなく、ニュージーランドやオーストラリアなどでは高品質なワインにも広く使われています。開けたあとはキャップを閉め直せるので、飲み残しの保存にも便利です。
スパークリングワイン
スパークリングワインやシャンパーニュは瓶の中に強い圧力がかかっているため、栓が飛ばないよう注意が必要です。よく冷やしてから開けると泡があふれにくくなります。
- キャップシールをはがし、針金(ミュズレ)のねじり部分をゆるめます。このときから親指で栓を押さえておきます。
- 瓶を人のいない方向へ斜め45度ほどに傾け、栓を布巾ごと握ります。
- 栓は動かさず、瓶の底のほうを少しずつ回します。
- 栓が浮いてきたら押さえる力を少しずつゆるめ、ガスを逃がすように「シュッ」と静かに抜きます。
勢いよく「ポン」と鳴らすと、泡が一気に吹き出して香りも逃げてしまいます。泡のワインについてはスパークリングワインやシャンパンの記事もどうぞ。
コルクが折れた・沈んだときの対処
コルクが途中で折れてしまったら、残ったコルクにもう一度スクリューを斜めに入れ直し、ゆっくり引き上げます。もろくなったコルクは、スクリューを深めに入れると崩れにくくなります。
コルクが瓶の中に落ちてしまっても、ワインそのものが傷むわけではありません。コルクのかけらが浮いている場合は、茶こしやコーヒーフィルターを通してデキャンタや別の容器に移せば、ふつうに楽しめます。コルクを押し込んで開けるという方法もありますが、中身が飛び散りやすいので、どうしても道具がないときの最後の手段と考えてください。
なお、コルクから湿った段ボールやカビのような強いにおいがする場合は、ブショネ(コルク臭)と呼ばれる劣化の可能性があります。開け方の問題ではないので、購入した店に相談してみましょう。
開けたあとに気をつけたいこと
開けたら、瓶の口の内側に残ったコルクのかすを布巾で拭いてから注ぎます。赤ワインは開けてしばらく置くと香りが開くものもありますが、注ぐ温度も味わいを大きく左右します。ワインの温度の目安と、グラスの選び方もあわせて確認しておくと安心です。
飲みきれなかったワインは、コルクを差し直すかワインストッパーで栓をして冷蔵庫へ。開栓後の保存期間の目安はワインの保存方法で詳しく紹介しています。
まとめ
ワインの開け方は、コルク栓ならオープナーでまっすぐ引き抜く、スクリューキャップなら瓶を回して開ける、スパークリングワインなら栓を押さえたまま瓶を回して静かに抜く、が基本です。家庭で使うなら、力の要らないウイング型や、慣れると手早いダブルアクションのソムリエナイフが扱いやすいでしょう。コルクが折れても沈んでも、落ち着いて対処すればワインはおいしく飲めます。
※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。



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