トロフィエ(trofie)とは、イタリア北西部のリグーリア州で生まれた、長さ数センチの細くねじれたショートパスタです。いちばん知られている食べ方はバジルのソース「ペスト・ジェノヴェーゼ」とあえる一皿で、ねじれた形がソースをよくからめます。
トロフィエはどんなパスタか
トロフィエは、生地を小さくちぎり、手のひらや台の上でこすって細長くよじった形のパスタです。両端が細く、真ん中が少しふくらんだ紡錘形で、らせん状のねじれが入っています。長さは2〜5cmほど、太さは鉛筆の芯より少し太いくらいのものが多く、ショートパスタの中でも小ぶりな部類です。
もともとは家庭や食堂で手作りされてきたパスタで、卵を使わず、小麦粉と水だけで作るのが基本です。いまでは機械で成形した乾麺も広く出回っていて、日本でも輸入食材店や通販で手に入ります。名前の綴りは「trofie」で、日本語では「トロフィエ」と書かれることがほとんどです。
食感は、太さのわりにしっかりした弾力があり、噛むともちっとした歯ごたえが続きます。表面がなめらかな乾麺もありますが、ブロンズダイス(青銅の型)で押し出したざらついた乾麺は、ソースがよりからみやすくなります。
リグーリア州とトロフィエ
リグーリア州は、フランスと国境を接し、地中海に沿って細長く延びる州です。州都はジェノヴァで、海と山が近く、バジルやオリーブがよく育つ土地として知られています。バジルとにんにく、松の実、チーズ、オリーブオイルをすりつぶした「ペスト・ジェノヴェーゼ」はこの地域を代表するソースで、日本では「ジェノベーゼ」の名で親しまれています。
トロフィエは、そのジェノヴァの東側、海沿いの町々で食べられてきたパスタといわれています。リグーリアにはほかにも、薄い板状の「トレネッテ」や、平たいロングパスタのリングイネなど、ペストと合わせるパスタがいくつもあります。その中でもトロフィエは、手でよじった小さな形が特徴の、素朴な家庭の味です。
定番は「トロフィエ・アル・ペスト」
リグーリアらしい食べ方として知られているのが、トロフィエをじゃがいも、さやいんげんと一緒にゆで、ペスト・ジェノヴェーゼであえる一皿です。じゃがいもは角切りにしてパスタより先に鍋へ入れ、途中でパスタといんげんを加えて、すべてがちょうど同じころにゆで上がるようにします。
じゃがいもの角が少し崩れると、そのでんぷんがソースにとろみを与え、バジルの香りとオイルがパスタにまとまってからみます。いんげんの青い香りと歯ざわりも加わって、パスタ・野菜・ソースがひとつにまとまるのがこの料理のよさです。
家庭で作るときのポイント
- ペストは加熱しすぎると色がくすみ、香りが飛ぶので、火を止めたボウルやフライパンであえる
- かたさの調整には、ゆで汁を少しずつ加える。ゆで汁のでんぷんと塩分で、ソースがなめらかにのびる
- じゃがいもは煮崩れしやすいメークインより、角が少し崩れる男爵系のほうがとろみが出やすい
- 仕上げに上質なエクストラバージンオリーブオイルをひとたらしすると香りが立つ
ペスト以外に合うソース
トロフィエは細くて小さいので、具が大きすぎない、なめらかなソースと相性がよいパスタです。ねじれの溝にソースが入りこむので、少量でも味がのります。
| ソース | 合わせ方の例 |
|---|---|
| ペスト・ジェノヴェーゼ | じゃがいも・いんげんと合わせる定番。市販のジェノベーゼソースでもよい |
| くるみのソース | リグーリアにはくるみをすりつぶしたソースもある。チーズやオイルでのばす |
| トマトソース | 軽めのトマトソースに魚介や小さく切った野菜を合わせる |
| クリーム系 | きのこやハムを細かく刻んだクリームソース。具は小さめにそろえる |
| オイル系 | ズッキーニやえびを小さく切り、にんにくとオイルでまとめる |
トマト系のソースの基本はトマトソースパスタの作り方が参考になります。ロングパスタ用のソースも、具を小さめに切りそろえればトロフィエに使えます。
乾麺の選び方とゆで方
トロフィエの乾麺は、イタリアのパスタメーカー各社が出しています。デュラム小麦のセモリナを使ったものが一般的で、表面がざらっとしたブロンズダイスのものは、ソースのからみを重視する人に向いています。製品によって太さやねじれ具合が少しずつ違い、ゆで時間も変わるので、袋の表示を確認してください。
ゆで方はほかのショートパスタと同じです。たっぷりの湯に塩を入れ、ときどき混ぜながら表示時間どおりにゆでます。トロフィエは細いのに芯が残りやすく、表示時間より早く上げると中心がかたいことがあります。ソースとあえるだけの料理なら、表示時間いっぱいゆでて、1本かんで確かめるのが確実です。ゆでる湯や塩の量についてはパスタのゆで方とパスタをゆでる塩の量にまとめています。
生地をこねて手で作ることもできます。小麦粉(セモリナ粉を混ぜることも多い)と水で固めの生地を作り、休ませてから小さくちぎって、手のひらで転がしながらよじります。乾麺よりやわらかく、もちもちした食感になります。
まとめ
トロフィエは、リグーリア州生まれの細くねじれたショートパスタです。じゃがいも、いんげんと一緒にゆでてペスト・ジェノヴェーゼであえるのが定番で、ねじれの溝にソースがよくからみます。トマトやクリームのソースにも合わせやすく、具を小さめに切るのがコツです。ほかのパスタの形と特徴はパスタの種類一覧でまとめて紹介しています。



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