「函館ワイン」として最もよく知られているのは、函館市の隣、北海道亀田郡七飯町(ななえちょう)に本社工場を置くワインメーカー「はこだてわいん」のワインです。1973年に創業した道南のワイン造りの先駆けで、余市など北海道各地の契約栽培のブドウを使ったワインから、家庭向けの手ごろなワインまで幅広く造っています。近年は、フランス・ブルゴーニュの名門が函館でブドウを育て始めるなど、函館周辺はワインの新しい産地としても注目されています。
はこだてわいんの歩み
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1973年 | 小原商店の果実酒部門が独立し、函館市で「駒ケ岳酒造株式会社」として設立 |
| 1984年 | 本社と工場を七飯町に移し、社名を「株式会社はこだてわいん」に変更 |
| 2008年 | ヤクルトのグループ会社となる |
| 2022年 | 自社農園のブドウを使った初めてのワイン「七飯シャルドネ2020」を発売 |
| 2026年 | ヨシムラ・フード・ホールディングスが全株式を取得し、同社の子会社となる |
2026年6月、食品会社のヨシムラ・フード・ホールディングスが、ヤクルトグループの会社からはこだてわいんの全株式を取得すると発表しました。グループの販売網を生かして、国内での販路拡大や海外展開を進める方針と伝えられています。
はこだてわいんのワインの特徴
はこだてわいんは、「日本人の味覚に合う日本のワイン」を目指し、気軽に楽しめて本格的なワイン造りを掲げています。
- 北海道のブドウ:余市地区の契約栽培農家と長年にわたって協力し、北海道産のブドウを確保してきました。道南でもブドウの栽培を広げています。
- 「葡萄作りの匠」シリーズ:余市の契約栽培農家の中でも特に腕のよい栽培家を選び、その人の名前を冠して造るシリーズです。ケルナーなど、北海道らしい品種のワインがあります。
- 自社農園のワイン:七飯町の自社農園でシャルドネやピノ・ノワールなどの欧州系品種を育て、2022年に初めて自社農園のブドウだけのワインを発売しました。
- 家庭向けのワイン:酸化防止剤無添加のワインなど、日常の食卓で楽しめる手ごろなワインも長く造り続けています。
北海道のような冷涼な産地のワインは、酸がきれいで、すっきりした味わいになりやすいのが特徴です。白ワインなら魚介料理、軽めの赤なら鶏肉やきのこの料理と合わせやすいでしょう。北海道でよく育てられている品種についてはピノ・ノワールやシャルドネの記事もどうぞ。
直営店「葡萄館」
はこだてわいんのワインは、直営店の「葡萄館」で購入できます。
- 葡萄館本店:七飯町の本社工場に隣接する直営店。限定品のワインや、ワインを使ったソフトクリームなども扱っています。
- 葡萄館西部店:函館の観光名所、金森赤レンガ倉庫のエリアにある店舗。函館観光のついでに立ち寄りやすい場所です。
このほか、北海道内のスーパーや土産物店、オンラインショップでも取り扱いがあります。営業時間や取り扱い商品は変わることがあるので、出かける前に公式情報を確かめてください。地元の企業との協力にも力を入れており、函館の名物の弁当などにも使われていると紹介されています。
函館で始まった新しいワイン造り
函館周辺では、新しいワイン造りの動きも生まれています。代表的なのが、フランス・ブルゴーニュ地方の名門ドメーヌ・ド・モンティーユが手がける「ド・モンティーユ&北海道」です。
世界で新しいブドウの産地を探していた同社は、日本の冷涼な気候と火山性の土壌に注目し、2019年から函館市桔梗町でワイン用のブドウの栽培を始めました。ブルゴーニュを代表する品種のピノ・ノワールとシャルドネを育て、2020年代に函館でワイナリーを開いています。ブルゴーニュの造り手が日本でワイン造りに取り組む例として、国内外から注目を集めています。ブルゴーニュについてはブルゴーニュワインの記事にまとめています。
函館でワインを楽しむなら
函館は、新鮮な魚介が豊富な街です。北海道の冷涼な気候で育ったブドウのワインは酸がきれいなものが多く、いか、ほたて、ほっけなど、函館らしい海の幸と合わせやすいのが魅力です。白ワインはよく冷やし、塩焼きやバター焼きなどシンプルな料理と合わせてみてください。料理との合わせ方はワインのマリアージュで詳しく紹介しています。
七飯町の葡萄館本店は車で行くのが便利な場所にあり、函館市内の西部店は観光の途中に歩いて立ち寄れます。試飲をする場合は、運転しない計画にしておきましょう。
まとめ
函館ワインの代表格は、1973年に創業し、七飯町に本社工場を置く「はこだてわいん」です。余市の栽培家と組んだ「葡萄作りの匠」シリーズや、自社農園のワイン、家庭向けの手ごろなワインまで幅広く造り、直営店の葡萄館で購入できます。ブルゴーニュの名門も函館でワイン造りを始めるなど、道南は北海道の新しいワイン産地としても期待されています。北海道を含む日本の産地については日本ワインとはもどうぞ。
※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。



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