ソーセージとウインナーの違いは?JASの定義と種類、ハムとの違い

ソーセージとウインナーの違いは?JASの定義と種類、ハムとの違い ハム・ソーセージ

ソーセージとは、塩漬けしてひき肉にした肉に調味料や香辛料を加えて練り合わせ、腸などのケーシングに詰めてから、加熱したり乾燥させたりした肉加工品のことです。ウインナーはソーセージの一種で、日本のJAS規格では、羊腸を使ったもの、または太さ20mm未満のものを「ウインナーソーセージ」と呼びます。つまり「ソーセージ」が大きなくくりで、ウインナーやフランクフルトはその中の種類の名前です。

ソーセージとウインナーの違い:JASの定義

日本では、ソーセージの種類の名前は、農林水産省が定めるJAS(日本農林規格)で決められています。ふだんよく耳にするウインナー、フランクフルト、ボロニアの3つは、使うケーシング(皮)の種類か、製品の太さで分けられています。

名前 ケーシング 太さ 身近な例
ウインナーソーセージ 羊腸 20mm未満 袋入りの細いウインナー
フランクフルトソーセージ 豚腸 20mm以上36mm未満 屋台のフランクフルト
ボロニアソーセージ 牛腸 36mm以上 太いソーセージを薄切りにしたもの

ケーシングと太さはどちらか一方を満たせばよく、たとえば羊腸に詰めたものは、太さにかかわらずウインナーソーセージになります。人工のケーシング(コラーゲンやセルロースのフィルムなど)を使う場合は、太さで区別されます。

このほかにもJASでは、次のような種類が定められています。

  • リオナソーセージ:グリーンピースやピーマンなどの野菜、穀物、チーズ、ハムなどの「種もの」を加えたもの
  • レバーソーセージ:原料に肝臓を使ったもの
  • セミドライソーセージ:乾燥させて水分を55%以下にしたもの
  • ドライソーセージ:乾燥させて水分を35%以下にしたもの。サラミが代表例
  • 加圧加熱ソーセージ:120℃で4分間加圧加熱する方法か、それと同等以上の方法で殺菌したもの。常温で保存できるものが多い
  • 無塩漬ソーセージ:発色剤を使わず、食塩だけで漬け込んだ肉で作ったもの

表記は、JASでは「ウインナー」と書きますが、商品名や日常の文章では「ウィンナー」もよく使われます。どちらも同じものを指しています。太めのソーセージについてはフランクフルトソーセージ、乾燥させたものはドライソーセージの記事で詳しく紹介しています。

ハムとソーセージの違い

ハムもソーセージも、豚肉などを塩漬けして作る肉加工品ですが、肉の形が違います。ハムは、豚のもも肉やロース肉などを、かたまりのまま塩漬けして加熱したり、燻製・乾燥したりしたものです。一方ソーセージは、肉をひき肉にしてから練り合わせ、ケーシングに詰めて作ります。

項目 ハム ソーセージ ベーコン
肉の形 かたまり肉 ひき肉を練ったもの かたまり肉
主な部位 もも、ロース、肩など 部位を問わず、ひき肉にする ばら肉(ロース・肩もある)
作り方の特徴 塩漬けして、加熱、または燻製・乾燥 ケーシングに詰めて加熱、または乾燥 塩漬けして燻製する

ベーコンは豚ばら肉などを塩漬けして燻製したもので、こちらもかたまり肉から作ります。ハムの中には、加熱せずに塩漬けと乾燥・熟成で作る生ハムもあります。

ソーセージの作り方と、加熱・非加熱

ソーセージは、おおむね次のような工程で作られます。

  1. 原料の肉を塩や発色剤などで塩漬けする
  2. 肉をひき肉にし、調味料や香辛料、脂身を加えてよく練る
  3. 練った肉をケーシングに詰め、ねじって一本ずつに分ける
  4. 燻製(くん煙)し、ゆでたり蒸したりして加熱する。または加熱せずに乾燥させる

スーパーで売られている一般的なウインナーやフランクフルトは、製造の段階で中心部まで加熱殺菌された「加熱食肉製品」です。食品衛生法では、加熱食肉製品について、中心部を63℃で30分間加熱するか、それと同等以上の効力のある方法で殺菌するよう定めています。そのため、こうしたソーセージはそのまま食べても問題ないように作られていますが、温めたほうが香りやうまみがよく感じられます。

一方、製造の段階で加熱していない「生ソーセージ」もあります。これは家庭で中心部までしっかり火を通してから食べる必要があります。パッケージの表示をよく確認してください。

ソーセージの歴史

ソーセージ(sausage)という言葉は、ラテン語で「塩漬けにした」を意味する「サルスス(salsus)」に由来するといわれます。肉を塩で保存し、腸や胃袋に詰めるという方法はとても古く、古代ギリシャの叙事詩『オデュッセイア』にも、胃袋に脂と血を詰めて焼く食べものが登場します。

ヨーロッパでは、地域ごとの気候や手に入る材料に合わせて、さまざまなソーセージが生まれました。寒冷で乾燥させにくいドイツなどではゆでたり燻製したりするソーセージが、乾燥した風が吹く南ヨーロッパではサラミのようなドライソーセージが発達したといわれます。血を使うブラッドソーセージも、各地に伝わる伝統的なソーセージです。

日本では、1917年(大正6年)に、大木市蔵が国産のソーセージを品評会に出品した記録があります。翌1918年には、習志野の捕虜収容所にいたドイツ人の職人からソーセージの製造技術を学び、それが国内に広められていったとされています。詳しい歩みはソーセージの歴史で紹介しています。

おいしい食べ方と選び方

加熱済みのソーセージは、ゆでる、焼く、炒めるなど、いろいろな方法で楽しめます。

  • ボイル:沸騰直前くらいの湯で数分温める。ぐらぐら煮立てると皮が破れて、うまみが流れ出やすい
  • 焼く:フライパンで転がしながら焼き色をつけると、香ばしさが加わる。少量の水を入れて蒸し焼きにしてから焼くと、中まで温まりやすい
  • 煮込む:ポトフやスープ、トマト煮に入れると、ソーセージのうまみが全体に広がる
  • パンに挟む:ホットドッグにするなら、ソーセージの太さに合わせてパンを選ぶ

選ぶときは、原材料表示を見ると中身がわかります。原材料は使った量の多い順に書かれているので、肉の種類(豚肉、鶏肉など)や、でん粉などのつなぎが入っているかを確認できます。JASマークのついた製品には「特級」「上級」などの等級表示があり、原料や配合の目安になります。

なお、魚のすり身を使った「魚肉ソーセージ」は、名前は似ていますが、肉のソーセージとは別の食品として扱われます。手作りに挑戦したい場合は、ソーセージの手作りの記事を参考にしてください。

まとめ

ソーセージは、塩漬けしたひき肉を練ってケーシングに詰め、加熱や乾燥をした肉加工品の総称です。ウインナーはその一種で、JASでは羊腸を使ったもの、または太さ20mm未満のものと決められています。フランクフルトは豚腸か20mm以上36mm未満、ボロニアは牛腸か36mm以上です。ハムやベーコンはかたまり肉、ソーセージはひき肉から作るのが大きな違いです。生ソーセージなど加熱が必要なものもあるので、買うときは表示を確認しましょう。

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