ベーコンとは、豚のばら肉を塩漬けし、燻製(くん煙)して作る肉加工品です。日本のJAS規格では、ばら肉で作ったものを「ベーコン」、ロース肉なら「ロースベーコン」、肩肉なら「ショルダーベーコン」と呼び分けています。生ベーコンは、製造の段階で加熱殺菌をせずに作るベーコンのことで、商品によって「そのまま食べられるもの」と「加熱が必要なもの」があるため、表示の確認が欠かせません。
JASによるベーコンの種類
日本では、ベーコンの名前と作り方がJAS(日本農林規格)で定められています。共通しているのは、豚肉を「塩漬けし、燻製する」ことです。使う部位によって、次のように名前が変わります。
| 名前 | 使う部位 | 特徴 |
|---|---|---|
| ベーコン | 豚のばら肉 | 脂身と赤身が層になっていて、焼くと脂のうまみが出る。いちばん一般的 |
| ロースベーコン | 豚のロース肉 | 脂が少なく、ハムに近いあっさりした味わい |
| ショルダーベーコン | 豚の肩肉 | 赤身が多く、適度な歯ごたえがある |
| ミドルベーコン | 豚の胴肉(半身から肩ともも部分を除いたもの) | ばら肉とロース肉が一緒になった大きなベーコン |
| サイドベーコン | 豚の半身(半丸枝肉) | 豚の半身をまるごと塩漬け・燻製したもの |
スーパーで「ベーコン」と書かれていれば、基本的にはばら肉で作ったものです。ハーフベーコンやスライスベーコン、ブロックベーコンなどは、形や切り方の違いです。
ベーコンとハム・パンチェッタの違い
ベーコンとハムは、どちらも豚肉を塩漬けして作りますが、部位と仕上げ方が違います。ハムは主にもも肉やロース肉を使い、塩漬けしたあと燻製し、ゆでたり蒸したりして仕上げるものが多く見られます。ベーコンはばら肉が中心で、燻製の香りと脂のうまみを生かした、焼いて使う食材として親しまれています。
イタリアのパンチェッタも豚ばら肉を塩漬けして作りますが、燻製しないで乾燥・熟成させるのが一般的です。燻製の香りがないぶん、豚肉そのもののうまみと塩気がはっきり感じられます。日本では、パンチェッタが「生ベーコン」と紹介されることもあります。パスタのカルボナーラやアマトリチャーナには、本場ではパンチェッタや、豚ほほ肉の塩漬けであるグアンチャーレが使われます。
| 項目 | ベーコン | パンチェッタ | ハム |
|---|---|---|---|
| 主な部位 | ばら肉 | ばら肉 | もも、ロース、肩など |
| 燻製 | する | しないのが一般的 | するものが多い |
| 主な食べ方 | 焼く、炒める、煮込む | 炒めてパスタや煮込みに、薄切りでそのまま | そのまま、サンドイッチ、サラダ |
生ベーコンとは:そのまま食べられる?
日本の食品衛生法では、ハムやベーコンなどの食肉製品を、作り方によっていくつかに分けています。ベーコンにも、加熱殺菌されたものと、加熱されていないものがあります。
- 加熱食肉製品のベーコン:製造の段階で、中心部を63℃で30分間加熱するか、同等以上の方法で殺菌したもの。スーパーで売られている一般的なベーコンの多くはこのタイプで、そのまま食べられるように作られている
- 非加熱食肉製品のベーコン(生ベーコン):塩漬けと燻製、乾燥などで作り、加熱殺菌をしていないもの。生ハムと同じように、衛生基準を満たしてそのまま食べられるように作られたものがある
- 加熱が必要なベーコン:加熱調理を前提に作られた商品もある。その場合は「加熱してお召し上がりください」などの表示があるので、必ず火を通す
このように、「生ベーコン」という名前だけでは、そのまま食べられるかどうか判断できません。パッケージの表示で「非加熱食肉製品」なのか、「加熱してお召し上がりください」と書かれているのかを、必ず確認してください。わからない場合は、加熱して食べるのが安全です。また、加熱食肉製品のベーコンも、焼いたほうが香りや脂のうまみが引き立ちます。
そのまま食べられる生ベーコンは、薄くスライスして、生ハムのようにサラダやパンにのせたり、オリーブオイルをかけて前菜にしたりして楽しめます。生ハムについては生ハムの記事で詳しく紹介しています。
ベーコンのおいしい焼き方
ベーコンは、脂を上手に引き出すとおいしく仕上がります。ポイントは、冷たいフライパンから弱めの火でじっくり焼くことです。
- 油をひかずに、冷たいフライパンにベーコンを並べる(ベーコン自体の脂で焼ける)
- 弱めの中火にかけ、脂がじわじわ出てくるまで待つ
- 出てきた脂がはねる場合は、キッチンペーパーで軽くふき取る
- カリッとさせたいなら、両面をじっくり焼いて、脂を落とす
ベーコンから出た脂には、燻製の香りとうまみが詰まっています。この脂で卵を焼いたり、野菜を炒めたりすると、料理全体に風味が広がります。ブロックベーコンは、厚めに切って焼くと、ジューシーな食べごたえが楽しめます。
ベーコンを使った料理と保存方法
ベーコンは、少量でうまみと香りを足せる便利な食材です。
- 朝食:ベーコンエッグ、ホットサンド、トーストにのせて
- パスタ:カルボナーラ、トマトソース、ペペロンチーノ風(トマトソースパスタ、クリームパスタ)
- スープ・煮込み:ポトフ、ミネストローネ、ポテトとベーコンのスープ
- 炒め物:ジャーマンポテト、ほうれん草のソテー、キャベツ炒め
保存は、未開封なら表示された方法と期限に従います。開封後は空気に触れないようラップでぴったり包み、冷蔵庫に入れて早めに使いきりましょう。すぐに使わない分は、使いやすい大きさに切って小分けにし、ラップで包んで冷凍しておくと便利です。凍ったまま炒め物やスープに使えます。ソーセージなどほかの肉加工品についてはソーセージとウインナーの違いで紹介しています。
市販のベーコンの選び方
ベーコンは、商品によって脂の量、燻製の香り、塩気がかなり違います。用途に合わせて選ぶと、料理の仕上がりがよくなります。
- 形状:スライスはベーコンエッグや巻き料理に、ハーフサイズは炒め物に、ブロックは厚切りのソテーや煮込みに向く
- 部位:脂のうまみがほしいならばら肉のベーコン、あっさり食べたいならロースベーコンやショルダーベーコン
- 燻製の香り:桜やヒッコリーなど、燻製に使う木の種類を表示している商品もある。香りの強さの目安になる
- JASの等級:JASマークのついたベーコン(ばら肉のもの)には「特級」「上級」「標準」の等級があり、原料や品質の目安になる
- 原材料:豚ばら肉、食塩など、原材料の数が少ないシンプルなものは、豚肉本来の味が感じやすい
まとめ
ベーコンは、豚肉を塩漬けして燻製した肉加工品で、JASではばら肉のものを「ベーコン」、ロース肉は「ロースベーコン」、肩肉は「ショルダーベーコン」と呼びます。生ベーコンは加熱殺菌をしていないベーコンで、そのまま食べられる非加熱食肉製品と、加熱が必要なものがあるため、表示の確認が大切です。焼くときは冷たいフライパンから弱めの火でじっくり脂を引き出すと、香ばしくおいしく仕上がります。



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