【2026年10月】配達員の車両の選び方|自転車・原付・軽貨物の免許と保険

【2026年10月】配達員の車両の選び方|自転車・原付・軽貨物の免許と保険

フードデリバリーの配達をこれから始めるなら、まずは手持ちの自転車か電動アシスト自転車で試し、続けると決めてから原付や軽貨物を検討する、という順番が無理のない選び方です。自転車は免許もナンバーも要りませんが、2026年4月からは16歳以上の自転車の違反に「青切符」が使われるようになり、ルールを守る重みは増しています。原付は2025年4月から「新基準原付」という区分が加わり、125cc以下でも出力しだいで原付免許で乗れるようになりました。125ccを超えるバイクや軽自動車で配達するには、運輸支局への届出と事業用ナンバーが必要です。

この記事では、車両ごとに必要な免許・ナンバー・保険と、向いている使い方を、警察庁・国土交通省の公式情報をもとに整理します(2026年10月時点)。

車両ごとの違いを一覧で

車両 運転免許 ナンバー 強制保険 ヘルメット
自転車・電動アシスト自転車 不要 不要 なし(自転車保険は都道府県の条例で加入義務の地域あり) 努力義務
原付(50cc以下/新基準原付) 原付免許以上 市区町村の白ナンバー 自賠責保険 義務
125cc以下で4.0kW超のバイク(原付二種) 小型限定普通二輪以上 市区町村のナンバー 自賠責保険 義務
125cc超のバイク・軽自動車 普通二輪・普通免許など 事業用ナンバー(届出が必要) 自賠責保険 二輪は義務

どの車両で登録できるかは、サービスやエリアによって違います。各社の条件は3社の比較にまとめているので、あわせて確認してください。

自転車・電動アシスト自転車

いちばん始めやすいのが自転車です。運転免許もナンバーも要らず、ガソリン代もかかりません。短い距離の配達が多い都市部では、駐輪のしやすさも強みになります。一方で、体力を使うこと、雨や暑さの影響を直接受けること、長い距離や坂の多いエリアでは件数をこなしにくいことが弱点です。

電動アシスト自転車は「基準に合ったもの」だけ

警察庁の自転車ルールブックによると、電動アシスト自転車として認められるのは、アシスト比率が基準を満たし、スロットル(手元のアクセル)がなく、原動機を容易に改造できないものです。これに当てはまらない、いわゆる「ペダル付き電動バイク(モペット)」は原動機付自転車などの扱いになり、運転免許・ヘルメット・ナンバープレート・方向指示器などが必要です。見分ける目安として、国家公安委員会の型式認定を示す「TSマーク」や、自転車協会の安全基準を示す「BAAマーク」があります。

出前館は、業務委託配達員の禁止車両としてフル電動自転車・電動キックボード・電動アシスト自転車を挙げたうえで、「法令の基準に適合した既製品の電動アシスト自転車」は除くとしています(2026年10月時点の公式募集ページ)。ネット通販などで買う場合は、基準に適合しているかを必ず確かめてください。

2026年4月からの青切符

2026年4月1日から、自転車にも交通反則通告制度(青切符)が適用されています。対象は16歳以上の運転者で、運転免許の有無は関係ありません。信号無視や一時不停止、夜間の無灯火といった反則行為で検挙されると反則金の納付を求められ、納めれば刑事手続には進みません。

配達員にとって特に注意が必要なのはスマートフォンです。警察庁のルールブックでは、自転車の運転中にスマートフォンで通話したり画面を注視したりすることは禁止とされ、手に持って通話・注視した場合は反則金1万2,000円の対象で、自転車の反則金の中で最も高い額です。スマホを使って実際に交通の危険を生じさせた場合や、酒酔い・酒気帯び運転、妨害運転は青切符ではなく刑事手続(いわゆる赤切符)になります。ホルダーに付けていても、走行中に画面を見続けるのは禁止なので、地図の確認は止まってから行いましょう。

自転車は「車道が原則、左側を通行」で、歩道を走れるのは標識で認められている場合などに限られます。詳しくは警察庁「自転車の交通ルール」で確認できます。

自転車保険

自転車には自賠責保険のような強制保険がありません。そのかわり、多くの都道府県や一部の市が条例で自転車損害賠償責任保険等への加入を義務または努力義務にしています。義務かどうかは住んでいる地域で違うので、国土交通省の自転車損害賠償責任保険等のページや自治体の案内を確認してください。個人向けの自転車保険は、配達のような業務中の事故を対象外にしていることがあるので、補償範囲の確認が欠かせません。保険の考え方は配達員の事故と保険で詳しく説明しています。

原付(50cc以下と新基準原付)

原付は、自転車より体力の負担が小さく、少し離れた配達先にも対応しやすい車両です。ガソリン代や整備費がかかる一方、駐車場所の確保が必要になります。

2025年4月からの「新基準原付」

警察庁によると、2025年4月1日から、総排気量50cc以下の従来の原付に加えて、総排気量125cc以下で最高出力が4.0キロワット以下に制御された二輪車も、原付免許で運転できるようになりました。交通ルールは従来の原付一種と同じで、最高速度30km/h、交差点によっては二段階右折、二人乗りは禁止、最大積載重量は30kgです。ナンバープレートは白色でフチなしです。

注意したいのは、排気量が125cc以下でも最高出力が4.0キロワットを超えるバイク(いわゆる原付二種)は原付免許では運転できないことです。中古車を買うときなどは、総排気量だけでなく最高出力をカタログや販売店で確かめてください。制度の概要は警察庁「一般原動機付自転車の車両区分の見直しについて」に載っています。

自賠責保険と任意保険

原付やバイクは、自賠責保険への加入が法律で義務づけられています。自賠責は事故の相手のケガなどに対する最低限の補償なので、相手の車や物の損害、自分のケガは別の備えが必要です。出前館は、バイクや車で配達する場合に任意保険への加入と証明書の提出を求めています。任意保険は「業務使用」に対応しているかで扱いが変わることがあるため、契約時に配達で使うことを伝えて確認してください。自賠責の概要は国土交通省の自賠責保険のページで確認できます。

125cc超のバイクと軽貨物(軽自動車)

125ccを超えるバイクや軽自動車を使って報酬を受けて荷物(料理)を運ぶ場合は、貨物軽自動車運送事業にあたり、運輸支局への経営届出をして事業用ナンバー(軽自動車では黒ナンバー)を取得する必要があります。出前館の募集ページでも、125cc超のバイクや車は事業用ナンバーの車両に限るとされています。

国土交通省の運輸支局の案内によると、2025年4月1日以降に貨物軽自動車運送事業を始める場合は、「貨物軽自動車安全管理者」の選任が必要になりました。選任には独立行政法人自動車事故対策機構(ナスバ)などが行う講習(eラーニング)を受ける必要があり、講習を受けてから経営届出・選任届出を出し、軽自動車検査協会でナンバーの手続きをする流れです。それより前から事業をしている場合は2027年4月1日までに選任が必要とされています。車両の種類による扱いの違いも含め、手続きの細部は管轄の運輸支局で確認してください。

軽自動車は雨の日でも濡れずに運べ、大きな注文やまとめての配達にも向きますが、都市部では駐車場所を探す時間がかかることがあります。届出や車両の維持費もかかるので、配達を本業に近い形で続ける人向けの選択肢といえます。

どの車両で始めるか:考え方の目安

  • まず試したい・副業で少しだけ:手持ちの自転車か電動アシスト自転車。初期費用が少なく、やめるときの負担も小さい
  • 坂が多い・配達範囲が広いエリア:電動アシスト自転車か原付。原付免許しかない場合は、新基準原付か50cc以下を選ぶ
  • 雨の日も含めて長時間続けたい:原付・バイク・軽自動車。保険料や燃料代、駐車場所も含めて考える
  • 本業に近い形で続けたい:125cc超のバイクや軽貨物。届出・事業用ナンバー・安全管理者の手続きが必要

どの車両でも、いくら稼げるかはエリア・時間帯・件数で大きく変わり、車両を変えれば必ず収入が増えるとは限りません。燃料代や保険料などのコストは、確定申告で経費として扱える場合があります。詳しくは配達員の確定申告と税金を参照してください。装備の選び方は配達員の装備と選び方にまとめています。

まとめ

  • 自転車は免許・ナンバー不要。ただし2026年4月から16歳以上の違反に青切符が使われ、スマホを手に持っての通話・注視は反則金1万2,000円の対象
  • 電動アシスト自転車は基準に合ったものだけ。スロットル付きなどはペダル付き電動バイクとして免許・ナンバーが必要
  • 2025年4月から、125cc以下で最高出力4.0kW以下の二輪車は原付免許で運転できる(新基準原付)。4.0kW超は原付免許では運転できない
  • 原付・バイクは自賠責が義務。任意保険は配達での使用に対応しているか確認する
  • 125cc超のバイクや軽自動車での配達は、運輸支局への届出と事業用ナンバーが必要。2025年4月以降に始める場合は安全管理者の選任も必要

使える車両や必要書類は各社で異なり、変更されることもあります。登録前に各社の公式サイト・アプリで最新の条件を確認してください。登録から初配達までの流れは登録から初配達まで、全体像はフードデリバリー配達員の始め方で紹介しています。

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