ピュアオリーブオイルとは?エクストラバージンとの違いと向く料理

ピュアオリーブオイルとは?エクストラバージンとの違いと向く料理 オイル・調味料

ピュアオリーブオイルとは、精製したオリーブオイルに、香りづけとしてバージンオリーブオイルをブレンドした油のことです。エクストラバージンに比べて香りや苦みが穏やかで、くせが少ないので、炒め物や揚げ物など加熱料理に使いやすいのが特徴です。

「ピュア」という名前から、混じりけのない最上級の油を想像する人もいますが、実際は精製油を主体にしたブレンドです。国際的な基準では「ピュア」という区分はなく、単に「オリーブオイル」と呼ばれています。

ピュアオリーブオイルの定義

国際オリーブ理事会(IOC)の取引基準では、このタイプの油を「精製オリーブオイルとバージンオリーブオイルからなるオリーブオイル」と定めています。精製オリーブオイルと、そのまま食べられる品質のバージンオリーブオイルをブレンドしたもので、酸度(遊離脂肪酸をオレイン酸に換算した値)は1.0%以下とされています。

日本では、これを「ピュアオリーブオイル」という商品名で売るのが一般的になりました。「ピュア」は等級の名前ではなく、あくまで売り場での呼び名です。メーカーによっては、香りを強めたものを「リッチ」、さらに穏やかにしたものを「ライト」などと呼ぶこともあります。なお「ライト」は風味や色が軽いという意味で、カロリーが低いわけではありません。

名前が似ていてまぎらわしいのが「オリーブポマースオイル」です。これはオリーブを搾ったあとの残りかす(ポマース)から、溶剤などを使って油を取り出し、精製したものです。IOCの基準では、ポマースオイルにバージンオイルを混ぜたものであっても「オリーブオイル」と名のることは認められておらず、ピュアオリーブオイルとは別の区分になります。原料が果実そのものか搾りかすかという点で、はっきり区別されています。

精製オリーブオイルとバージンオリーブオイルをどんな割合で混ぜるかは、IOCの基準でも決まっていません。香りの強さは商品ごとに違うので、気になる場合は実際に使いながら好みのものを見つけることになります。

エクストラバージンとの違い

エクストラバージンオリーブオイルは、オリーブの実を機械的・物理的な方法だけで搾り、精製していない油です。一方、ピュアオリーブオイルの主体となる精製オリーブオイルは、品質の面でそのまま食べるのに向かないバージンオイルなどを、脱酸・脱色・脱臭といった工程で精製したものです。精製によって欠点となるにおいは取り除かれますが、果実らしい香りや色もいっしょに失われます。そこにバージンオイルを少し加えて、オリーブらしい風味をもたせたのがピュアオリーブオイルです。

項目 エクストラバージン ピュア(IOCでは「オリーブオイル」)
製法 搾っただけで精製しない 精製オリーブオイル+バージンオリーブオイル
酸度の上限(IOC) 0.8%以下 1.0%以下
官能検査 欠陥ゼロで果実の風味があること エクストラバージンのような厳しい官能基準はない
香り・色 青い香り、苦み、辛み。緑〜黄金色 穏やかでくせが少ない。淡い黄色
価格 高めのものが多い 比較的手ごろ

どちらが上かというより、性格の違う油と考えるとわかりやすいでしょう。香りを主役にしたい料理にはエクストラバージン、香りを控えめにしたい料理や油をたくさん使う料理にはピュア、という使い分けが基本です。エクストラバージンの基準についてはエクストラバージンオリーブオイルとはでくわしく解説しています。

日本の規格での扱い

日本の「食用植物油脂の日本農林規格(JAS)」では、食用オリーブ油の区分は「オリーブ油」と「精製オリーブ油」の2つで、「ピュア」という区分はありません。「ピュア」は売り場での呼び名で、規格上の名前ではないということです。

JASは任意の規格で、JASマークのない商品も多く流通しています。商品の中身を知りたいときは、名称欄や原材料名、原産国の表示をあわせて確かめるのが確実です。オリーブオイル全体の等級と規格の関係はオリーブオイルの基本にまとめています。

ピュアオリーブオイルが向く料理

ピュアオリーブオイルのよさは、オリーブらしさをほんのり残しながら、料理の味をじゃましないところです。たとえば次のような使い方に向いています。

  • 炒め物・ソテー:肉や野菜を焼くとき、サラダ油の代わりに使うと、軽いオリーブの風味が加わります。
  • 揚げ物:油をたっぷり使う料理では、価格が手ごろなピュアのほうが気軽に使えます。
  • パスタのソースづくり:にんにくを炒める段階はピュア、仕上げの香りづけはエクストラバージン、という使い分けもできます。パスタの種類はパスタの種類一覧をどうぞ。
  • 焼き菓子やマリネ液:オリーブの香りを強く出したくないときに使いやすい油です。

精製したオリーブオイルの発煙点は230℃前後とされ、エクストラバージンのおよそ190〜215℃より高めです。ただし、どちらも家庭の炒め物や揚げ物の温度で使える範囲で、エクストラバージンが加熱に使えないわけではありません。ほかの使い方はオリーブオイルの使い方で紹介しています。

選び方と保存

ピュアオリーブオイルは加熱用に常備することが多い油なので、使う量に合った容量を選ぶのが基本です。大容量のほうが割安でも、開封後に長く置くと風味が落ちていくので、使い切れる大きさにしておくと安心です。

保存のしかたはエクストラバージンと同じで、光、熱、空気を避けます。使ったらふたをしっかり閉め、コンロの横や日の当たる場所を避けて、涼しい棚にしまいましょう。冷蔵庫に入れると白く濁ったり固まったりすることがあるので、常温の冷暗所が向いています。商品選びの参考にはオリーブオイルのおすすめもあわせてどうぞ。

まとめ

ピュアオリーブオイルは、精製オリーブオイルにバージンオリーブオイルをブレンドした油で、IOCの基準では「オリーブオイル」と呼ばれ、酸度1.0%以下と定められています。「ピュア」は等級ではなく日本での商品名で、日本のJASにもこの区分はありません。

香りは穏やかで価格も手ごろなので、炒め物や揚げ物など、油をたっぷり使う料理や香りを控えたい料理に向いています。香りを楽しむエクストラバージンと使い分けて、光と熱を避けて保存すれば、毎日の料理で気軽に活躍してくれます。

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